やるべき仕事がやれる環境に
がんばってるのに…。
残念ながら、それだけでは足りない。
というより、そう思うならポイントがズレている。
必要なのは、努力そのものではない。
必要なのは、何ができたか、だ。求められるのは結果だということだ。
極端な話をすれば、努力しなくても結果さえでれば良いのだ。
がんばる必要があるところでがんばる
もちろん、努力など無駄だとか言いたいわけではない。
努力しなくても結果が出ることだけやっていればいいという話でもない。
ここで言いたいのは、結果を求めていないなら努力することがもったいないということだ。
何のためにやっているかもわからないけど、とにかく、それに時間をかけてます、といったことを何故やるのか?ということだ。少なくともがんばりはじめる前に「何故」を確認する行為が大事だ。
とにかく、すこしも自分のためにならないし、他の誰かのためにもならないことを、努力してやっても報われない。
がんばってやったんです、と言っても、誰のためでもなかったら、まわりだって評価してあげられない。
がんばったかどうかだけでは何とも微妙なことにしかなりようがない。
がんばることに意義があることをがんばるようにしないと報われない。
だから、そんなことがないようにしないといけない。
それには、何のためにがんばるのかを、自分でわからないまま、がんばることそれ自体に意義があるように思うのは大きな勘違いだということをちゃんと認識すべきだ。
意義がわからないことはがんばらなくていいし、そのがんばりをもっと意義のあることに使うにはどうすればよいかを考えるようにしないといけない。
目的の理解がないと間違う
もしかすると、誰かに指示されてがんばってやっているのかもしれない。
その場合でも、何のためかわからないままやっているなら、努力してそれをやることが無駄になってしまうこともある。
何のためかわかろうともせず、指示されたことをただやってる場合に起こりがちなのは、微妙に指示と違うことをして、でも、その微妙な違いのためにやった結果が使い物にならない、あるいは、使うにしてもさらに大きな修正作業が発生してしまうことだ。
何のためにやるかがわかっていれば、そんな間違いはしないはずなのに、ということが、目的を理解していないがゆえに起こり得ないようなミスが生まれてしまう。
それはお願いした方も悲しいし、お願いされてがんばった方も悲しい。
だから、お願いされたのであれば、ちゃんと自分が作業の目的を理解してからスタートしないとダメだ。
お願いした方は、相手がちゃんと理解できたかどうかはわからない。わからなかったらわからない側がそれを伝えないと悲しい無意味ながんばりが生まれてしまう。
自分の仕事をする/してもらう
結局、目的を明確にした上でがんばり、成果を出すということは、自分の仕事をするということだと思う。
自分でやる仕事は自分のものにした上でしかやらないということだ。
自分ごととして仕事をするということだと言い換えてもいい。
他人にお願いされた仕事でも、それはどんな目的のもので、それは誰の何のためになるものかをちゃんと理解した上で、それは自分にとってはどういう意味を持つのかということをちゃんと自分で定めた上で仕事にとりかかるということだ。
そして、仕事をお願いする側は、昨日「他人の人生の一部にコミットする」でも、次のように書いたとおりで、相手が納得して自分ごととしてできないような仕事はお願いしてはいけないのだと思う。
自分が嫌なことを相手に押し付けたりなんて、もってのほか。
それが相手の時間を搾取していることになるということに意識的でありたい。
仕事をお願いするということは、相手の人生にコミットするということだ。相手のためにならない仕事をお願いしてはいけない。お願いするなら、お願いする相手がなぜそれをがんばった方が良いかをちゃんと考えてあげるべきだし、ちゃんと伝えてあげるべきだ。
仕事をお願いする側には、お願いした仕事を相手がちゃんと自分の仕事にできるようにするべきだと思う。
それがいっしょに仕事をするということだと僕は思う。
やるべき仕事がやれる環境に
そうなってこそ、仕事はがんばりがいがあるものになるのではないかと思う。
やらなくていい仕事がなくなり、やるべき仕事がちゃんと行われるようになるのではないかと思う。
何故やるのか?
それが仕事の恩恵を受ける人にとっても、仕事をする本人にとっても、それをお願いする人にとっても、ちゃんと、その「何故?」の答えが明らかになることが必要だ。
そのことではじめて、やるべき仕事がちゃんとやれる環境ができるのではないか。
そうした観点で、
各自が自分の仕事と他人の仕事の意義を考えなかったり、
自分のことだけ考えて、仕事をしてくれる人にとっての意義を考えるという配慮がなかったり、
そもそも、仕事は誰かといっしょにするもので、だからこそ人としてちゃんと相手に配慮して日々の活動をするものだという認識がなかったり、
すると、やっぱり、やらなくてもいい仕事が増えて、組織としても、社会としても、本来得られるべき生産性の享受を受ける機会がどんどん目減りする。
やるべき仕事が楽しくやれる環境に
そういうのって、やだなーと思う。
他人への配慮がデフォルトでないこと。
自分たちが行う仕事が何のためで誰のためなのかを考えないで仕事をすること。
仕事の具体的な作業への落とし込みや、どういう品質基準を満たすつもりで、どうそれを実現するのかが明確になっていないこと。
誰といっしょにやって、それぞれの役割、それぞれのチャレンジポイント、それぞれが得られるものなどを決めないままスタートしてしまうこと。
そういう仕事の現場っていやだなー。
楽しくないなー。笑顔になれないし、面白い結果を生み出せないだろうなーと思う。
そういうことにならないためにプロジェクトマネジメントという手法はあるのだと思う。
必要なのは、努力ではなく、適切なプロジェクトデザインとプロジェクトマネジメントだ。
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