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わからない時ほど計画を

仕事をする際に計画を立てること。
何をいつ誰がどのように行うかを、何故その仕事をやるのかという目的にしたがって計画立てること。

この計画があるのとないのとでは仕事のスムーズさが違う。時間効率的にも、予算の適切な使い方においても、コミュニケーションにおいても、余計な問題が起こったり想定外の仕事が増えたりということを少なくする点においても、仕事の質を上げる点でも。

計画というのはある種シミュレーションだ。
どんな手順で、どうやって誰といつ仕事をするか、どんなツールを使うか、いくらお金をかけて、何をどこから調達するか、期待する品質はどんな感じで、その品質基準はどういう方法なら満たせそうか、何が起こると仕事上、困ったことになりそうか、それは起きそうか、どうやったら回避できるか、起こったらどう対処するか。
それをいろいろシミュレーションしてみて、こうやったらうまく行くという仮説を立てる。
それが仕事の計画で、だから、実際に必ずしも計画のまま進めるのが大事なのではない。むしろ、仮説が間違えていたことに気づいたら、どんな前提に間違いがあったかを考えて計画の変更を行うのが賢い計画の使い方だ。

計画は仮説づくり。だから、わからない時ほど計画を

計画はシミュレーション、仮説づくりであるということを、ちゃんと理解していない人が多いのかもしれない。

この仕事の計画、実は、最初の時点では何をアウトプットすればよいか決まっていなかったり、自分でイメージできていない時ほど、立ててみたほうがよい。
だけど、計画が仮説だとわかっていない人は、最初に何をすればよいかが決まってないからと計画を立てることをせず、根拠のない進め方で仕事をはじめてしまったりする。例えば、既存のデザイン思考などのフレームワークを無計画に用いて。

もちろん、そんな行き当たりばったりでうまく行く仕事は多くない。デザイン思考がいくらイノベーションの方法だと言われているからといって、わけもわからず、フレームワークだけ適用しても、何のためにそれをしているかもわからず、うまく使えるはずはない。
それでうまく行くならプロフェッショナルも、それに至るための様々な勉強や練習もいらなくなる。

当然ながら、どうしたらうまく行くかを考えなくては仕事にならない。
だから、どうしたらいいかわからない時ほど、まずは計画を立てることからはじめてみることが大事なのだ。

その仕事は何かを考えることから

何を作ればいいか、どうやればいいかがわからないなら、計画すべきは、どうすればわからないことをわかるようにできるか?ということだろう。

仕事の全体を計画できなくても、まず、わからないようにわかった状態になるまでをどうするか?なら計画できるはずだ。目の前にある「わからない」仕事は何なのか?を考え、答えを見つけるための準備段階として何をしたらよいかを決めるのだ。

わかるためにはどうしたら良さそうだろうか? 誰にどんなことを聞いたらヒントが得られそうか、どんなものからどんな情報が得られそうか。

そんな風に、わかるための行動がいろいろあれば、どの順番にやるのが良さそうか、それら全体ではどのくらいの期間が必要か、その作業には人的リソースやコストはどれくらいかかりそうか、誰と取り掛かれば良さそうか、集めた情報をどのようにして整理したり活用することで、わからないことはわかるようになりそうか。

はたまた、そもそもなにをわかればわかったことになりそうか、その後の仕事が計画できそうか。

最初に何をやれば良いかわからない仕事はますます増える

そんな風に、自分がやるべき仕事をする上でわからないことをわかるようになるための最初の仕事の計画が必要なことは今後ますます増えてくるのではないだろうか。会社の中で、とにかく新しいことをやれ、新しい事業を考えろ、新しいアイデアを出せと言われる機会は増えているはずだ。新しいものは新しいだけあって、最初にはそれが何かわからない。だから、どうやれば、それを考え、作れるかは最初はわからない場合がほとんどだ。

けれど、それなのに、最初にわからない場合に仕事をどう進めるべきかを考えることが多くの人が苦手だったりする。当たり前のように、その仕事が何なのかがわからなければ仕事にならないのだけれど、最初にその仕事は何かを考える工程を計画できない。

ちゃんと考えればはじめにやるべきことは、その仕事は何かを考え、わかるようにする仕事からはじめるべきだが、何故か多くの人がそういうまともなことから始めようとせず、当てもなく慣れ親しんだやり方を闇雲に反復しようとしてしまう。
すでにあるものと違う新しいものを考えなさいと言われているときに、古いものを作ってる方法がそのまま使えることはほとんどない。

これからの時代、そういう仕事が増える。最初には何が最終的なゴールかが具体的には決められない仕事−−ようはイノベーティブな仕事だ−−をするためには、まず、どうしたら、その仕事が何なのか?を定義し、その後の具体的な仕事の計画が作れるよう、仕事そのものを作る仕事が必要だ。

イノベーションの時代のプロデュース法

ある意味、イノベーションの時代の仕事のプロデュース法と言えるだろう。
それはかつての何を行えばよいかがもっと明らかだった時代のプロデュース法とは異なる。アウトプットベースで仕事を組み立てていた時代から、アウトプット以前に何が仕事の対象となる問題なのかを定義することから含め、仕事をつくる。そんなことがますます普通になっていく時代の仕事のプロデュースの方法。わからない時ほど計画することが、この時代に仕事をプロデュースする方法ではないかと思っている。

この新たな時代のプロデュース法を身に付けることが、今後、ますます求められるようになってくるだろう。
既存のビジネスがどんどん新しいビジネスに取って代わられていくし、社会環境の慌ただしい変化が次々と解決すべき課題を突きつけてくるのだから。

だからこそ、仕事の目的を自分で定義し、その目的に応じて仕事のデザインをするスキルが今まで以上に多くの人に求められるようになるのだと思う。そう。そんな仕事ができるプロデューサーが世の中には求められている。

#コラム #ビジネス #プロデュース #プロジェクト #計画 #プラン #デザイン

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棚橋弘季。人間の思考はどんなふうに作られているか?を問うことがライフワーク。とりわけヨーロッパ文化史に興味あり。中世後期から19世紀あたりまでを広く守備範囲に。渋谷のロフトワークという会社で働いてます。

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