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情報の扱いは丁寧に

期が変わる時期というのは、何かとバタバタ忙しなくなる。物理的にも、精神的にも、いろんなことが起こるので大変だ。

そんななかでも平常心を保つには、ちゃんと平常運転の仕事も続けることだ。
変則的な仕事や出来事への対応と、平常の仕事や出来事への対応を並行して進めてみると、そこから新たに見えてくるものもあるから面白い。

丁寧に下処理してストック

大事なことはバタバタしてる時でも、情報は丁寧に扱うことだ。その時、扱いきれなくても、丁寧に扱っておきさえすれば、後で役に立つことは多い。

前から書いているように、情報によって何かがわかるようになるためには、その情報がどんな文脈で読むべきかを捉えなくてはならない。文脈を捉えて、ようやく情報のもつ意味が浮かびあがってくる。

だから、最初に扱っているときは文脈が読みとれず完全に「わかった」という感じは持てなくても、すぐに捨てたりしない方がいい。そこにある情報だけで読みとれることだけはちゃんと理解しておくようにしておくことで、その情報があとで意味をもつことは少なくないから。

とりあえず、可能な範囲でそれがどんな情報かは理解した状態にすること。それが「情報を丁寧に扱う」という言い方で示していることだ。あとで使えるように下処理しておくようなイメージだ。
そこまでの下処理ができていれば、あとで、その情報にあった文脈を見つけたときに「あー、なるほど、これはそういう流れのひとつの兆候だったのか!」といったわかり方ができる。
下処理をちゃんとしていなければ、そういう瞬間は訪れない。

だから、いまわかることだけを目指そうとせず、丁寧に下処理だけした保留中の状態の情報をストックしておくことは重要だと思う。
でも、多くの人がそういう情報の扱い方をしていないようにみえる。

昨日の「硬直した仲介者」で書いたようの固定化した概念を鵜呑みにしているようでは、ダメだ。神と人の中間的なダイモンのわかりやすいが固定化してしまったアレゴリカルな情報ではなく、人間らしい生きてふわふわとブレまくる面を残した情報をどう丁寧に扱い、理解しようと努めるかが大事なのだが、それをしないで、わかりやすい概念の理解にとどまってしまう人は多い。

文脈はある日見つかる

情報を丁寧に扱うというのは結局、情報に慣れ親しんでおくことなのだろう。情報への慣れ親しみ度合いが増すと、ある日、文脈が見えてくる。
慣れ親しんだところに、すこしいままでとは違った角度から情報に対峙させてくれるような機会が偶然訪れたりすると、それが理解のための文脈が見つかるチャンスになったりもする。

さて、冒頭書いたとおり、いろんな方面でバタバタしているのだけど、実はこういう時ほど、いままで見つからなかった文脈が見つかりやすかったりする。

事実、今日も「人材の流動性と優秀な人材の誘致」といったあたりのことで、あー、なるほどなーと思える情報の連なりを発見することができた。
個々の情報はそれぞれ理解していたものの、それがこういう一連のものとして理解してみると、なるほどなという納得感は増したりする。しかも、それがメディアに載った情報とより自分に身近な情報の混合からなる連なりだったりすると、より、その感は強い。

inとout、そして、プロセス

でも、こういう情報の扱い方って、普段から情報を用いた創造的な活動をしていなかったりすると、なかなか上手くいかなかったりする。

基本的に複数のプロセスの組み合わせからなるプロジェクトのなかで、いくつもの情報を組み合わせながら、途中では、どんな機会があるかを定義したり、その機会をどう活かすかをコンセプト化したり、それをもう少し具体的な戦略に落とし込んだり、戦略として束ねられた個別の戦術のひとつひとつを言語化して明示したり、いろんな情報を集めたり束ねたり、逆に解いたり圧縮したりなどしながら、プロジェクトの最終的なアウトプットを創造していく。

その途中のプロセスにおいては、さまざまな種類の情報が必要になるが、プロジェクトをデザインする際、どのタスクにおいて、何の情報がそのプロセスにおけるアウトプットとして生み出されるのか、そのアウトプットを生むためには、何がインプットになる情報として必要でそれをどんな風に加工してアウトプットを導くのかという、inとout、そして、その間のプロセスは?という観点で、プロジェクト全体の情報の流れと実行するプロセスを組み立てていく必要がある。

この観点で、プロジェクトのデザインができないと、プロジェクトはスムーズには進まない。そして、こういう感覚で情報の扱いができるようにならないと、情報を丁寧に扱って、思わぬ発見に出会う機会を増やすのはむずかしいのかもしれない。

でも、こういう情報の扱いもようは慣れだ、というところもある。慣れてやれるようになると得るものは大きい。

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