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品質を想像する

自分用のメモ程度に簡単に。

プロジェクトが良い結果に終わるかどうかのポイントのひとつは、品質に対する想像力だろうなと思っている。
「品質」はプロジェクトマネジメントの知識体系であるPMBOKにおいても10の知識エリアのひとつだが、ここをどれだけ大事にできているか?で、プロジェクト全体の良し悪しは変わってくると感じている。

品質を起点とする

プロジェクトを実施する上で、設計が大事だというのは、以前から繰り返し書いていることだし、先日も「設計が役に立つ理由」というnoteを書いたばかりだ。

そのプロジェクト設計を行う際、大事にするとよいと思うのが、品質だ。
プロジェクトにおいて生み出すべきものの品質をしっかりと想像すること。「生み出すべきもの」というのは、最終的な成果物はもちろん、プロジェクトの実施過程におけるコミュニケーションや中間的な成果物の品質も含めて、それぞれどういう状態の品質であれば、「良い」と言えるかを想像し、目指すべき達成点として置くことができるか、ということだ。

プロジェクトマネジメントにおいて、何を行うか、何をアウトプットするかというスコープを定義すること自体はそれほどむずかしくない。
しかも、作業スコープなどはある程度、プロセスの標準化などによって、スコープを定義すること自体をある程度までは標準化することもできる。

しかし、そのスコープで定義されたアウトプットや作業の品質をどういうものとして定義するかは、プロジェクトによって異なる部分が大きい。
そして、プロジェクトによって異なる部分が大きいのは、そこがどのプロジェクトにおいてもこだわりポイントだからだ。品質の良し悪しによって満足度は変わる。さらに品質をどう定義したかによって、作業スコープも変わりうるし、スケジュールやコストや調達の要件も合わせて変化するし、コミュニケーションの取り方やステークホルダーの巻き込み方も変わる。
たがいにトレードオフの関係にある要素同士もあるから、どこか1要素の品質ばかりを追いかけてはいけない。スケジュールやコストに見合っていることが、アウトプットの品質をどのレベルにするかを決める要因にもなるだろう。

そういう意味で、品質が起点となる。

品質を想像する

アウトプットの品質、作業における品質をどう定義するかは、それをどのようなものとして定義するかだ。

先にも書いたとおり、どういうアウトプットが必要かというスコープを決めることはそれほどむずかしくない。ただ、そのアウトプットがどういう品質を満たすべきかを想像するのは、慣れないとすこしむずかしいし、そもそも、それを最初に想像しておかないといけないことに気づかない人だってすくなくない。あるいは、自分が想像できているつもりになってしまうケースだって多い。アウトプットの品質に対する無知の知がない状態だ。

品質をは機能要件ではない。アウトプットの品質にはそれ以上のものを含んでいる。
アウトプットがモノとしてどういう状態のものになっているかも当然ながら、そのアウトプットがどういう効果をもたらしうるものかということもちゃんと想像できている必要がある。

アウトプットにも増して作業プロセスの品質の想像はむずかしい。ようするに、それは体験のデザインだし、コミュニケーションのデザイン、ステークホルダーマネジメントのデザインなどにも関わってくるものだからだ。
スピード、タイミング、効率、わかりやすさ、楽しさ、スムーズさなどなど、明確に言語化することがむずかしいものを想像して、定義しておく必要があるからだ。
とりわけ体験という観点で作業品質を想像できるかが肝だし、一番スキルや経験が必要になるところかもしれない。

想像できていないものは作れないし、実行も、実現もできない。
まあ、ようするに、プロジェクトをうまくいった状態というのを細部にわたって、どれだけ想像し、準備を行えるかということだ。

基本的にnoteは無料で提供していきたいなと思っていますが、サポートいただけると励みになります。応援の気持ちを期待してます。