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ファンが仲間になる会社

田中渉悟と申します。30歳です。

トークイベントの企画・進行役、社会人向けの研修などをしております。

御年90歳の師匠がいます。修行中です。

さてさて、5月18日のことを振り返ります。

出版社・「ひろのぶと株式会社」さんの株主総会に参加しました。

こちらの社長であり、かねてから尊敬している田中泰延さんからお誘いいただいたからです。

ひろのぶと株式会社社長・田中泰延さん

田中泰延さん(ひろのぶさん)は24年間務めた電通のコピーライターを辞めて、その翌日かそれ以降に本気を出し、2020年に出版社を設立しました。

印税率が「1割」で固定されている出版社の常識をくつがえす、「本が売れて読まれるほど印税も高くなる」制度を導入しています。チャレンジングです。

これまでに『全部を賭けない恋がはじまれば』『スローシャッター』『令和版 現代落語論 ~私を落語に連れてって~』の3冊を世に送り出しています。

本を書いて、生活できる社会へ。
ひろのぶと株式会社は
読み手と書き手のフェアな関係を築ける
新しい時代をつくります。

ホームページより

ひろのぶさんとは3年ほどのお付き合いです。

以前には私が主宰している「田原カフェ」にも、会社のみなさまも一緒にご招待させていただいたこともあります。

なんとなんと。

この度、ひろのぶと株式会社の株主総会に初めてご招待いただきました。

「ご招待」と書いたのは、私は株主ではないからです。

ひろのぶさんの会社の本は好きで読んでいますが、会社を支えている株主のみなさんがどんな人たちなのか、よく知っていませんでした。

そんな私ですが、ひろのぶさんは「しょうごさん(私)は身内やから来て!」と、誘ってくださりました。

身内といっても同じ「田中」だからというわけではなく、株主総会をぜひ体感してほしいということで、本当に有難いです。

まさに神様。いや地球始皇帝のような偉大な方です。

地球始皇帝だそうです

そもそも私は「株主総会」というイベント自体、参加するのが初めてでした。

もっと言うなら「株式会社」という仕組みさえ、中高時代に教科書で習った程度しか認識していませんでした。

教科書には以下のように書いてあります。

株式会社は株式を発行し、購入者が資金を払い込むことで資金を調達する。
(中略)
株式の所有者を株主といい、会社に利益があった場合は株式数に応じて配当を受ける権利を持つ。
(中略)
株主は株主総会で1株につき1票の議決権を持っている。株主総会は会社の最高意思決定機関であり、会社の経営方針を決定する取締役を選任したり、決算を承認したりしている。

『もういちど読む山川政治経済』(山川出版社、2018年)

なんてカッチリした仕組みでしょう。

株主は株を購入(所有)し出資することで、利益があった場合は配当を受けることでwin-winになる。

まさに人類が歴史をかけて編み出した、資本主義を円滑に行うためのメカニズムと言えるでしょう。

「株式会社」は人類の叡智がつまった壮大な仕組みであり、ひろのぶと株式会社の株主総会は荘厳な雰囲気で行われる会なのだろうと、想像に難くなかったです。

まるで、ひろのぶさんのツイートのように。

ひろのぶさんの荘厳なツイート

いざ行ってみるとどうだったか。

この日、私は諸事情あって遅れての参加となりました。総武線で浅草橋へ行き、駅からすぐのところにあるオフィスビルへ。

社員の加納さん廣瀬さんコンビに案内されて大ホールに入ると、そこは真っ暗で、人がびっしりといる気配を感じました。

そして流れていた会社の事業紹介ムービーがこちら。



ひろのぶさんのツイートより

ムービーを見て感じたシンプルな思い。それは「おれは一体何を見せられているのだろうか」という純粋無垢な戸惑いでした。

人類が歴史をかけて編み出した資本主義を円滑に行うための株主総会の会が、こんなにボケ倒してもいいのだろうかと不安になりました。

そしてムービーが終わり、明るくなった会場に現れた赤い法被の集団。

ひろのぶと株式会社さんのnoteより

始まったのは徳島の伝統芸能・阿波踊りでした。

阿波踊りの魅力を世界に伝える「寶船」さんの熱い汗がほとばしるパフォーマンス。阿波踊りを観たのは初めてでしたが、まさかこんなにもかっこいいなんて。

どうして出版社の株主総会に阿波踊りなんだという疑問も、会場の一体感に紛れて吹き飛んでしまいました。

最後には会場のみなさんも立ち上がり、一緒になって阿波踊りを踊ることに。何故か私も隣にいた高井宏章さんに続いて阿波踊りの列に入り場内をグルっと踊って回りました。

この時点で察したのは、会場にいる人たちは株主でもあり、ひろのぶと株式会社さんのファンでもある、ということでした。

まるで推し活をするかのように熱狂する姿。アイドルのコンサートのように、名前入りの団扇を掲げる人がいてもおかしくないような熱気が、そこにはありました。

会場の中でも外でも、会社のメンバーではない人たちも一緒に催しをしたり物販をしたり、まるでお祭りのように賑やかでした。

休憩時間
Photo:@yoshiaki_mas
お初にお目にかかった鳩先生
Photo:@yoshiaki_mas
わださん
Photo:@10ku6
物販コーナー with 直塚さん廣瀬さん
Photo:@MoriEmi7

もちろん、賑やかなイベントだけではなく、本編の「株主総会」もありました。

黒のスーツに身を包んだひろのぶさんが、これまでの収益や今後の事業を真剣な面持ちで説明する姿は、まさに「株主総会は会社の最高意思決定機関」という緊張感があふれていました。

とはいえ、株主のみなさんは「説明をうかがう」というよりも「見守る」に近い雰囲気がありました。

質問コーナー

これまで、投資をする人が株を買ったり売ったりする基準はどれだけ利益が出て得をするかどうかだと思っていました。

その会社が好きかどうかという気持ちよりも、です。

だけど、ひろのぶと株式会社では「株主:ファン」であり、売上も大事だけど、それよりも純粋に会社が好きだから、どんな時も応援したいという「究極のGIVEの精神」を感じました。

株を購入して払った分に相当する利益を得てやろうという欲よりも、ひろのぶさん達がどんな本を世に出すかが楽しみでしかたない昂揚感の方が、にじみ出ているように思えたのです。

そして、GIVEの精神はひろのぶさん達からも感じます。

今回の株主総会でお土産などを含めたらかかっている費用は一人あたり〇万円だそうで、1株(5万円)を購入している人で過去にも複数回参加している人は、ほぼ元を取っていることになるのです。

とんでもない気前の良さです。

とんでもなく気前がいい松坂〇李

終演後は特別に打ち上げにもお誘いいただき、会社のみなさん、著者のみなさん、パフォーマンスを披露された「寶船」のみなさんとの宴を楽しみました。

同じテーブルにいたのが「寶船」のリーダーの米澤渉さんでした。米澤さんが阿波踊りを始めるまでの運命的で不思議な巡り合わせのエピソードに、引き込まれてしまいました。

二次会もご一緒させていただき、本当に本当に楽しい夜になりました。

ひろのぶと株式会社から出された『令和版現代落語論』著者の立川談笑師匠!

思い返すと、ひろのぶさんと出会ったのは3年前の喫茶ぷらんたんのクラウドファンディングでした。

私も通った早稲田の老舗喫茶が閉店しそうなり、学生さんと一緒にクラウドファンディングを運営し、そこで支援をしてくれたのが、ひろのぶさんだったのです。(ぜひnoteを読んでください)

ご著書である『読みたいことを、書けばいい』(ダイヤモンド社、2019年)を初めて読んだときに感じた、行間に吸い込まれそうになるくらいの衝撃と感動は今も忘れられません。

その中に「文字がそこへ連れてゆく」という一節があります。

書くことは時に思わぬ出会いをもたらすこともあります。

そのためには書くことを誠心誠意、素直に、鮮やかに、やり続ける必要があると思うのです。

私の場合は「書く」に加えて「話す」もありますが、自分なりに一生懸命やってきたつもりではあります。

その結果、ひろのぶさんとのご縁がクラファンで終わらず、ひろのぶさんのお仲間とも出会うことができた。

まさに「書いた文字に連れてこられた」と言っても過言ではありません。

「ひろのぶと株式会社」の「と」は「~と(&)」の意味で、英語にすると「Hironobu & Co.」になります。

次はどんな「&」から、何が飛び出してくるのか。

これからも応援したいと思います。



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