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【プロフェッショナルに聞く 第4回】フジ総合グループ 副代表 髙原誠氏 × タミヤホーム 田宮明彦

不動産や税務、建築、労務など、さまざまなプロフェッショナルに、これまで積み重ねてこられたキャリアと実績をお聞きする「プロフェッショナルに聞く」。第4回は、税理士の髙原誠様がご登場くださいました。「相続」をご専門に豊富なキャリアを歩んでこられた髙原様に、不動産の相続に関わる貴重なお話をたくさんお聞きしました。

<プロフィール>
髙原 誠氏

フジ総合グループ(フジ相続税理士法人/株式会社フジ総合鑑定) 
副代表・税理士
東京都出身。2005年税理士登録。不動産相続に強みを持つ株式会社フジ総合鑑定で経験を積んだ後、相続税申告に特化した税理士法人「フジ相続税理士法人」の代表社員に就任。グループ副代表を務めながら、年間950件以上の相続税対策・減額・還付案件に携わる。


相続専門の税理士法人で、延べ8,600件以上の相談に応じる

田宮「髙原先生は相続をご専門としていらっしゃいますが、具体的にどのようなご相談に応じることが多いのでしょうか。」

髙原様「私が代表社員を務めるフジ相続税理士法人は相続に特化した税理士法人で、グループ会社である株式会社フジ総合鑑定に所属する不動産鑑定士と連携を図りながら、相続や不動産に関するご相談に応じています。最も多いのは相続後のご相談で、不動産を相続し、相続税を納めた方がご相談に来られることが多いですね。」

田宮「相続税を支払った後、髙原先生の事務所に相談に来られるのですか?」

髙原様「はい。土地の相続では路線価をもとに相続税を計算しますが、土地によっては路線価が適正な時価とかけ離れているケースがあります。そのような場合、土地の価格を正しく評価することで納めすぎた相続税を還付できる可能性があります。フジ総合鑑定に所属する不動産鑑定士が土地を再評価し、私たち税理士が相続税の更正の請求手続きを行います。専門家がそろっているので還付手続きを一貫してお任せいただけます。」

田宮「不動産鑑定士の先生が評価した価格で計算することで、相続税が安くなるケースがあるのですね。」

髙原様「そのとおりです。土地の大きさや評価額にもよりますが、場合によっては数千万円単位で還付されるケースもあります。グループ設立以来、相続税の還付業務実績は延べ5,600件以上にのぼります。」

田宮「相続前や相続発生時のご相談も受けられていらっしゃいますか。」

髙原様「相続後のご相談の次に多いのが、被相続人の方が亡くなった後、相続人の方から”相続税の申告手続き”をご依頼いただくケースですね。相続後や相続発生時のご相談に比べると、相続前のご相談はそこまで多くありません。それでも、想定被相続人がご存命中に、『子が相続することになったら、どのような問題が起こりますか』とご相談に来られるケースもありますね。」

相続に伴う解体工事。メリットとデメリットはどこにあるか。

田宮「不動産の相続の場合、建物を解体して売却するケースもあるかと思います。弊社でも、相続に伴う解体工事を受けることがよくあります。相続人の方にとって、建物を解体するメリットはどこにあるのでしょうか。」

髙原様「想定被相続人がご存命のうちに、ご本人の資産で建物を取り壊して、駐車場やアパートなどを建てる場合は、相続時に税制面で大きなメリットがありますよ。」

田宮「なるほど。相続発生時ではどうでしょうか。」

髙原様「相続が発生してから解体工事を行うメリットは、“不動産が分けやすくなる”という点にありますね。ただし、建物があった方が、相続税が下がるケースもあります。例えば、アパートやマンションが建っている土地を相続する場合、“小規模宅地等の特例”を使うと、200㎡の範囲内に関しては相続税の課税評価を最大80%減額することができます。そのため、建物を取り壊さずに相続したほうが有利になります。」

田宮「そうすると、十分に検討してから解体工事を行うか行わないか決めることが大切になりますね。」

髙原様「おっしゃるとおりです。建物を取り壊した後、その土地をどう活用するのか。例えば売却するのか、それともアパートを建てるのか。ゴールを決めて解体工事を行うことが大切です。」

田宮「なるほど、とても勉強になります。」

髙原様「田宮さんは、“空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除”という特例措置をご存知ですか。適用条件を満たせば、相続した空き家を売却した際に得た売却益から最大3,000万円控除されるというものです。

田宮「近年、空き家問題が社会問題化していますから、空き家の発生を抑制する上でも効果的な特例措置ですね。」

髙原様「この特例措置は1981年5月31日以前に建てられた建物が対象で、特別控除を受けるには新耐震基準に補強するか、更地にする必要があります。私共のところにご相談に来られたお客様のなかに、これらの条件を知らずに特別控除が受けられなかった方もいらっしゃいます。」

田宮「知っていれば対策ができたのに、知らずにいたために控除を受けられなかったのですね。」

髙原様「税制は複雑ですから、お客様が知らずにいても不思議ではありません。だからこそ、私たち税務のプロがいるのです。例えば私のお客様で、建物を取り壊したあと、隣地を買い足して面積を増やしたことで「広大地評価(現在は「地積規模の大きな宅地の評価」)」の適用要件を満たし、当該宅地の評価額を約4割下げられたケースがあります。さらに、土地に建物を建てたことで、最終的には評価額を約8割下げることができました。」

田宮「そこまで違いが出るなんて、お客様も驚かれたのでは。」

髙原様「そうですね。だからこそ、不動産の相続で不安なことや疑問を感じている方がいらしたら、気軽に相談していただきたいですね。」

生前から相続について話し合い、納得する答えを見つけ出してほしい

田宮「長く相続をご専門にしてこられた髙原先生ですが、相続に関するご相談の傾向に変化はありましたか。」

髙原様「超高齢化社会の日本では、相続と介護を関連付けて考える必要があります。例えばご兄弟のなかで、長男が親御さんの介護をした場合、介護をしたご本人が『多めに相続したい』と思うのは当然のことでしょう。しかし残念ながら、相続と介護は連動していないんですね。相続は相続という考えで、法定相続分通りの分配になってしまう。」

田宮「何か対策はないのでしょうか。」

髙原様「親御さんがご存命のうちから、話し合いをすることが一番の対策になると思います。相続とは“車の両輪”のようなもので、お子さんだけが頑張ってもうまく進まないし、親御さんだけが頑張ってもまっすぐ進みません。ご両親が『子のためにアパートを建てよう』と思っても、お子さんは『アパートなんていらない』と思っていることだってあるからです。

田宮「確かに、ご両親とお子さんの思いがすれ違ってしまうこともあるかもしれませんね。」

髙原様「お子さんが相続の話をすると、『俺が死ぬのを待っているのか』と憤ってしまう親御さんもいらっしゃるかもしれません。けれど、財産を子どもたちの世代にしっかりと遺したいのであれば、存命のうちにこそ考えておくべきです。」

田宮「お互いに歩み寄り、気持ちをすり合わせていく姿勢が求められるのですね。」

髙原様「そうですね。田宮さんも解体工事業を通じて、相続にご関心のあるお客様をサポートする機会が多々あることと思います。先にお話しした通り、土地を解体工事で更地にする場合、ゴールを決めておくことが大切です。そういう意味では、これからは『解体しておしまい』という考えではなく、解体工事後の土地活用まで配慮できる解体工事会社が選ばれていくことでしょう。タミヤホームさんにも、お客様の思いに寄り添った関わり方をしていただけたら嬉しいです。」

田宮「ありがとうございます。“ホスピタリティ”は、弊社が解体工事業を行う上で最も大切にしていることです。髙原先生にいただいた言葉を胸に刻んで、解体工事の在り方をこれからも追求していくつもりです。髙原先生、本日はありがとうございました。」


タミヤホームでは、年間1,000件の解体工事を手掛けています。
また、解体工事だけでなく、解体工事発生前の、空き家や相続、不動産に関するお悩みを解決する無料相談窓口も開催しています。
解体工事や鍛冶工事、相続、空き家、不動産についてお困り事がございましたら、お気軽にご相談ください。


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