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【プロフェッショナルに聞く 第1回】日本レジデンシャル・セールスプランナーズ協会 近藤紀一氏 × タミヤホーム 田宮明彦

不動産や税務、建築、労務など、さまざまなプロフェッショナルに、これまで積み重ねてこられたキャリアと実績をお聞きする「プロフェッショナルに聞く」。第1回は、金融機関の第一線でご活躍された後、不動産販売会社の代表取締役として名を馳せた近藤紀一様がご登場くださいました。

<プロフィール>
近藤 紀一氏

特定非営利法人日本レジデンシャル・セールスプランナーズ協会 顧問
住友信託銀行(現・三井住友信託銀行)入行後、東京支店を皮切りに、名古屋支店、横浜西口支店等を歴任。東京不動産部住宅営業室長、システム運営部長等を経て、取締役総務部長、94年に常務取締役に就任。1995年より住信住宅販売株式会社(現・三井住友トラスト不動産株式会社)代表取締役社長を務める。2004年より特定非営利法人日本レジデンシャル・セールスプランナーズ協会理事長に就任。20年より現職。


高度経済成長のまっただ中、お客様に寄り添う姿勢を学び取った

田宮「プロフェッショナルに聞く 第1回は、私が常日頃から懇意にさせていただいている近藤紀一様です。近藤様、今回は取材にご協力いただき、ありがとうございます。」

近藤様「こちらこそ、声をかけてくれてありがとう。」

田宮「私にとって近藤様は不動産業界の神様のような存在なのですが、そもそも、どのようなきっかけで、この道に入られたのですか。」

近藤様「私は横浜出身で、学校推薦で住友信託銀行(現・三井住友信託銀行)に入行しました。だから、そもそものスタートは金融業界なんです。配属先は東京支店で、出納係といってお金の出し入れをする仕事に就きました。その後、営業担当になり、名古屋、横浜、新潟と全国の支店に勤務しました。」

田宮「住友信託銀行時代が長かったのですね。」

近藤様「そうですね。36年間勤めました。どの部署でも諸先輩方にずいぶん助けていただきました。」

田宮「信託銀行時代のご経験で、印象に残っていることはありますか。」

近藤様「いろいろあって、一つに絞るのが難しいですね。一つは、新店開設の時期でしょうか。」

田宮「新設店舗だと、お客様の獲得に苦労されたのでは?」

近藤様「最初は横浜の新店開設で私は外勤の一番若手でした。与えられたテリトリーは丹沢山塊の周辺地域、裾野、厚木、相模原、大和各市で県の面積の半分でした。信託銀行は長期金融機関ですので長期の預金獲得が至上命題でした。」

田宮「大変広いテリトリーですね。」

近藤様「資金集めは大きな金額が動く土地売買、退職金が二大預金源でした。こんな例がありました。ある市の山間部で教員の退職情報が入り、その先生のところに横浜から信託銀行7社(当社含む)、地元の銀行、信用金庫、農協が退職金獲得の為に訪問し、競争状態にありました。」

田宮「激戦状態だったのですね。」

近藤「この先生は地域の名士であり、人望もある方でした。また、私はこの地域の山林はいずれ用地買収があると読んだ上で、取引いただきました。他の信託銀行や地方銀行も何件かは取引いただいた様です。」

田宮「それからどうされたのですか」

近藤「他の会社の営業は取引後、潮が引いたように静かになりましたが、私は2〜3ヶ月に一度は往訪し、税務情報等、先生にお役立ちするような情報を定期的にお届けしました。ある夕方『まあ、上がって飯でも食っていけ』と声をかけていただきました。親しくなってから『この地域で用地買収があったら教えてください』とお願いして数億の長期預金を獲得できました。」

田宮「近藤様の“人を大切にする姿勢”と“先を読む力”は、信託銀行時代に身につけられたのですね。」

近藤様「当時、考えに考え身につけたものです。これがこれからの大きな武器になりました。当時は高度経済成長のまっただ中、東海道新幹線や東名高速道路が次々と開通し、日本経済は活気に満ちていましたね。」

親会社の力を借りず、地道なチラシ作戦を続けて新規顧客を獲得する

田宮「その後、近藤様は不動産部門にご異動されたのですよね。」

近藤様「信託銀行は業務用の大型不動産売買の仲介で大きなシェアを持っていましたが、住宅用不動産の売買は懇意にしている業者さんにお願いしておりました。私が不動産部に異動したのは、住宅用の不動産情報が多くなったので、その受け皿の不動産仲介会社を作るためでした。部下の専門家の力を借り、採用から組織づくりまで行い『住信住宅販売株式会社(現・三井住友トラスト不動産株式会社)』の立ち上げを見届けて、次の部署の部長として異動しました。」

田宮「当時の不動産業界の状況について、ぜひ教えてください。」

近藤様「この時期は高度経済成長が軌道に乗り、バブル経済のまっただ中でした。当初は、信託銀行の優良なお客様の情報をいただき、順調に信託会社として成長していきましたが、バブルがはじけると、親銀行として自分自身の身を守るのが精一杯で子会社への情報が途絶えていました。当然赤字になりました。この会社を立て直せとの拝命で常務を退任し、子会社に赴いたところ、何と営業社員は皆電話が鳴るのをじっと待っているだけでこれはいけないと親会社と相談の上、全社員に向け親会社との“絶縁宣言”をしました。」

田宮「大胆なことをなさったのですね。」

近藤様「そうでもしないと、このままでは会社が潰れてしまうと思ったのです。親の看板に甘えるのではなく、普通の不動産屋と同じように自分たちでお客様を獲得していこうと決意しました。そして、自分たちでチラシを作って、配って回る作戦を地道に行っていきました。」

田宮「直ぐに結果は出ましたか?」

近藤様「2年で黒字化までもっていきました。」

田宮「素晴らしいですね。」

近藤様「親会社との関係もすぐに復活しました。」

田宮「住信住宅販売の代表取締役社長を務めていらした頃、近藤様は業界各層の代表を集めた勉強会に参加されたと聞いています。」

近藤様「リクルートの声掛けで始まった勉強会です。大手不動産仲介会社、信託銀行系、中堅・中小の不動産販売会社からメンバーを集めて、『住宅仲介はどうあるべきか』と意見を1年にわたり交わしました。信託銀行時代は真面目で几帳面な人間が多かったのですが、不動産業界はざっくばらんで、気さくな人が実に多いように思います。オープンマインドでなんでも話せる人達なので、意見交換をするのが本当に楽しかったですね。人生の友だちのような存在で、今も当時の仲間と連絡を取り合い親しくしております。」

日本を再び元気にするために。若き経営者たちの挑戦に期待

田宮「近藤様のお話をお聞きしていると、時代の大きな動きを読みながら、たくましく事業を成長させてきた“揺るぎない姿勢”を感じます。弊社の解体工事業を取り巻く環境も大きな様変わりを見せていて、会社としてどのように社会に貢献できるだろうかと日々、模索しているところなんです。」

近藤様「日本は空き家率が年々、高まっていますよね。不動産を相続しても、そのまま放置している方が少なからずいる。不動産を活用しないと、経済的にもデメリットで、どうしたら有効的に生かせるのか考え、積極的に流通させていく必要があるでしょう。
田宮:近藤様がおっしゃるとおりで、私たちは空き家問題の解決に貢献していきたいと強く願っています。」

近藤様「田宮君と初めて会った時、目を輝かせながらいろいろな話をしてくれましたよね。あの時、『とても志の高い青年だな』と感じたんですよ。」

田宮「ありがとうございます。近藤様は今、日本レジデンシャル・セールスプランナーズ協会の顧問を務めていらっしゃいますよね。」

近藤様「日本レジデンシャル・セールスプランナーズ協会は、『不動産業界の質向上と社会的地位の向上』を目的に立ち上げた組織です。主に、研修やセミナーを開催しているほか、民間資格の『不動産仲介士』資格試験の運営を実施しています。」

田宮「近藤様がやられていることは、まさに私がこれから挑戦しようとしていることです。私も解体工事業の質向上と社会的地位の向上を目指しています。」

近藤様「私の心の根底にあるのは、『日本の不動産業界をもっと良くしていきたい』という思いなんです。田宮君も同じ気持ちを抱いているのですね。」

田宮「はい。」

近藤様「日本は少子高齢化が進み、経済成長が鈍化すると言われています。私自身は、高度経済成長期からバブル経済に至る時期を経験してきましたが、当時は『自分たちが日本の未来を支えていくんだ』という気概のある経営者がたくさんいました。その頃に比べると、今の経営者は内向きになってしまっているように思います。だから田宮君のような若き経営者たちの挑戦を心から応援したいですね。」

田宮「近藤様にそうおっしゃっていただけて光栄です。」

近藤様「日本を再び元気にするためにも、ぜひがんばってください。応援しています。」

田宮「ありがとうございます。近藤様の“人に寄り添い、人を大切にする姿勢”と、人とのつながりを通じて得た情報から“時代の動きを先読みして行動する力”は、AI時代にも通用する“人間が持つ力”だと感じました。近藤様のお話は、今、まさにこの時代を生き抜くすべての方々に参考にしていただきたいと思っています。本日はありがとうございました。」


タミヤホームでは、年間1,000件の解体工事を手掛けています。
また、解体工事だけでなく、解体工事発生前の、空き家や相続、不動産に関するお悩みを解決する無料相談窓口も開催しています。
解体工事や鍛冶工事、相続、空き家、不動産についてお困り事がございましたら、お気軽にご相談ください。


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