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旅する土鍋 「詞の旅 ①」

フランス系スイス人の友人と、夜な夜な話をしたことを思い出す。心をうごかされたバンド・デシネ作家であるカトリーヌ・ムリス。2015年1月7日、新聞社『シャルリ・エブド』の襲撃事件を免れたあと、苦悩の日々を送っている作家。

スイスからバンド・デジネやイラスト関係の厚くて重い本を2冊抱えて帰ってきたが、そのとき入手したかった本「La Légèreté」(軽やかさ)のイタリア語版を、スイス人の友人が送ってきてくれた。著者は言う「あのときで、時がとまった」と。この本では、自分を取り戻すためにローマですごす様子、そして仕事に復帰するまでの体験が描かれている。

彼女は、今年の春、京都のアートインレジデンスに滞在し「美についての疑問」への答えを見つけたいとインタビューで言っていた。この本も、ただの旅ではない。夏目漱石「草枕」のような、詞の旅を今後もつづけたいと彼女は言う。

残念ながら、日本語に訳された彼女の本がまだない。翻訳本が出ることを強く望みながら、スイスにて旅の途中でこの記事を残した。

La Legerete (French Edition)
La leggerezza

「旅する土鍋」の中で読んだ本、心の変化を手伝った本などについても、少しずつつづっていけたらと思う。


INFORMATION

我妻珠美 陶展 -秋を炊く-
Tamami Azuma
Ceramic Art Exhibition

Ecru+HM(Ginza Tokyo)
2018年11月16日~24日
※21日休廊
東京都中央区銀座1-9-8 奥野ビル4F


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