おいなりさんと旅
渦中この世を離れた親族。お見舞いもお別れもできなかったので、この夏は、故人の故郷である福島から宮城や岩手あたりをまわりたいと思っていた。震災後の現在を視て、さまざまな未来を考えたいと願った。
けれど、潮流は計画を逆なでした。
満ち足りた日々がすべてではない。
おいなりさんをせっせとこしらえる。
毎年イタリアの旅先で、おいなりさんを詰める手元がなつかしい。
参考にしたレシピはこちら。
写真展で感情が湧き出た。
てらったり、狙ったり、それは一切見えない。
とても広い写真だった。
どこかに、そこに、合っているフォーカスを簡単には見抜けない。1枚ずつそれを探すゲームのようなことをして、ひとり楽しんだ。時に、カモメと目が合って驚いた。撮る側のフォーカスと、撮られる側からのピントが燃えているのだ。
おいなりさんに、気仙沼のさんま佃煮をのせる。あとは、うちにあるものを集めよう。レシピ通りにはいかない。先日つくって冷蔵庫に入れておいたオクラ出汁漬けものせよう。レシピにあった炒りタマゴは飾り忘れた。
日本のあちこちに、美しい景色と、傷がある。
どちらにもエネルギーが宿っているのだ。ふたたび旅に出られるようになったら、訪ね歩こうと思っている場所を想う。
「金のさんまおいなりさん」
#土鍋コッチョリーノ
#陶箱のうつわコッチョリーノ
オクラの白だし漬け
#グラタン皿コッチョリーノ
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