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秋を炊く⑦ 「菊の花としかめっつら」

野草にならび野花を食べるのが好き。東京に住んでいるとなかなか難しいが、エディブルフラワー(食べられる花)もだいぶ店の棚に並ぶようになった昨今。古にさかのぼり、花を食べるといえば、紫蘇の小花や菊。お刺身の横に添えてある可憐な演出、ではなくて、効能ある演出。古代中国で薬として用いられていた菊には殺菌・抗菌効果が期待できるということで、お刺身の横に置いてある。

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さて、秋の菊といえば、等々力の玉川神社のたくさんの菊の前で撮った七五三の写真を思い出す。子どものころは、菊の香りが強すぎてくらくらきたものだ。今は亡き父が当時持っていたカメラは、スマートフォンと違って、限られたショットしか狙わなかっただろうに、たいがいの表情はしかめっつらだった。

菊のおひたしや、菊のてんぷらを食べながら想う。いつからであろうか、この香りがたまらなく美味であり、日本酒がすすむ!などと調子にのるようになったのは。いまカメラをむけてくれれば、きっとしかめっつらはしないだろうに。

「しめじと菊のせいろ蒸し」

土鍋に水をはり、沸騰させる。せいろのフチにそってしめじを並べ、中央をあけておく。しめじを3~5分蒸して火を止める。中央に食用菊をふわっと乗せてふたをして余熱で蒸らす。(芯は苦いので花びらをむしって、しめじといっしょにポン酢で食す)

上記の土鍋の余熱で蒸す菊。あっという間にできるし、油もいっさい使わずヘルシー。キッチンはアロマテラピーのごとく良い香りが満ちて疲労もふっとぶ。

いつぞや薬膳でおぼえた「青じそ菊花茶」や「菊とさといものスープ」「菊のゼリー」などなど、写真が見つかればまたご紹介したい。

我が家は「ポテトサラダ(ハム入り)」にもパラパラする。これをパンにはさめば殺菌効果も期待できるだろうか。そんなことはさておき、うっとりする香りのポテトサラダに変身することは保証する。

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上写真:ココット小
ヘッダー写真:土鍋中サイズ(3合炊き)




INFORMATION

我妻珠美 陶展 -秋を炊く-
Tamami Azuma
Ceramic Art Exhibition

Ecru+HM(Ginza Tokyo)
2018年11月16日~24日
※21日休廊
東京都中央区銀座1-9-8 奥野ビル4F



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