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【世界史】本当にあったウソのような税金

中学生のころ、夏休みの宿題で「税金」の作文を書いた記憶があります。

今でもあるのでしょうか。国税庁の主催のやつ。

まあだいたい「私の暮らしのあらゆるところに税金がある。税金って素晴らしい!」的なことを書けば入選するっぽい。

いろいろ調べて「税金の無駄遣い多すぎ。マジクソ」みたいに書いたら、やっぱり落選しました。

大人になった今、毎月の給与明細を見て「やっぱり税金ってクソだなあ」と思うのですが、今日リストアップするような世界の税金を見てると「まだマシなのかあ」という気もしてきます。


1. トランプ税(イギリス)

イングランド王ジェームズ1世(1566-1625)の時代に採用された法律。

当時のイギリスでは人びとはトランプに熱狂し、老いも若きも昼夜問わずトランプ遊びに夢中になっていました。他に娯楽がない時代ですから、そうなりますよね。 

そこに目をつけたジェームズ1世は、トランプカードを制作して販売することに特別な税金をかけることにしたわけです。

税金を払ったトランプは、政府より「税金払い済」の印が印字されていました。

ちなみにこの法律は1960年8月4日まで有効だったそうです。最近じゃん!

 

2. キャンディー税(アメリカ)

キャンディー税が制定されたのはもっと最近の2009年のアメリカ・イリノイ州。

菓子類を「キャンディ」か「食品」に分類し、対象物が小麦粉を含んでいない場合、あるいは冷蔵が必要でない場合は、「キャンディー」とみなされ課税対処となります。

ややこしいことに、レーズンを混ぜたヨーグルトは「キャンディ」になるけど、プレッツェルを混ぜたヨーグルトは「食品」に、ダークチョコレートが入ったチョコレート菓子「ミルキーウェイ・ミッドナイト・バー」は「キャンディ」になるけど、通常の「ミルキーウェイ」は「食品」になるそうです。

   

3. 臆病税(イギリス)

 臆病税はヘンリ1世(1068-1135)時代のイングランドで制定された法律で、「国王のための戦いで敵に対し日和った兵士に対し特別税を課す」という無茶苦茶なもの。

当初はそんなに高くなかったようですが、失地王ジョンの時代に3倍も値上げされ、しかも「1年間まったく戦わなかった兵士」にも対象が拡張されました。

当然ながらすこぶる不評で、この無茶苦茶な王の命令が、かのマグナカルタの制定要求につながった、とも言われています。

  

4. 帽子税(イギリス)

帽子税は1784年から1811年にイギリス政府によって導入された税金です。

現在でも、「富裕層から税金を取るか」「所得に関係なく、広く取るか」の議論は盛んですが、当時のイギリス政府は前者をとりました

すなはち、貴族やジェントルマンほど高級な帽子を大量に持っている。それに税金を課したわけです。

小売業者は帽子を売るために政府に税金を支払い、ライセンスを入手する必要がありました。その税金分2ポンド(ロンドンの場合)は価格に跳ね返ってくるわけですね。

 払い忘れには高額な罰金が課せられました。

 

5. 窓税(イギリス)

「 帽子税」が富裕層から取ろうとしたけど、この窓税は「広く取る」の考えから導入されたもの。

1696年にウィリアム3世の時代に導入されたもので、その名の通り、貴賎問わず自宅の窓の数に応じて税金を課す、というとんでもないもの。こんなもん、誰が思いついたんでしょうか。

窓税は2種の税金に分かれており、まずは2シリングの「定額の家屋税」。後は10個の窓を1つの単位にした「窓税」。

富裕層は家を作る際、壁の中に光を取り入れる領域をレンガで作り、「これは窓ではない」と言って税金逃れをしていたそうです。

ちなみにこの税金は1851年まで約150年間も続きました。

  

6. ヒゲ税(イギリス・ロシア)

 またまたイギリスです。本当に変な税金が多いですね。

ヒゲ税は1535年にヘンリ8世の時代に導入されたもの。

これは「富裕層から取る」目的で、2週間以上伸ばしたヒゲに対して税金が課せられました。当時はヒゲを伸ばすのがが貴族の常識でしたからね。

ちなみにこのヒゲ税は、「ヒゲなんて未開人の蛮習だ」と考えるピョートル1世によってロシアにも導入されました。これはヒゲを生やす週間を撲滅するためです。

いずれも、ヒゲを伸ばした人間は税金支払済であることを占めるトークンを持つ必要がありました。それが上記の写真です。

なかなかシュールですね。 

 

7. 屁税(ニュージーランド)

ニュージーランド政府が2003年、京都議定書締結後に提案された法律で、 メタンなど温室効果ガスを屁として排出する動物に税金を課すものです。具体的には牛です。

農家の反対などもあって、この法律の導入は失敗に終わっています。

 

8. 小便税(ローマ帝国)

ローマ5代皇帝ウェスパシアヌスは、前皇帝のネロが湯水のごとく使って緩みきった財政を健全化させるべく、あらゆる手段を使いました。

その1つが、小便税。

小便する行為に税金をかけたわけではなく、当時の公衆便所から流れでた汚水は回収され、羊毛から油分を除くためのアンモニアを取り出したり、場合によっては歯磨き粉が作られてたりしていたのですが、それを有料にしました。 

政敵は嘲笑しますが、ウェスパシアヌスは金貨を政敵の鼻元に差し出し、「Pecunia non olet(金は臭わない)」と反論したとされます。

 

まとめ


名前だけ見たら結構イカれてますけど、中身を見てみたら、まあ、考えは分かるものが多いですね。

日本だって、たばこ税とかガソリン税とか自動車重量税とか、入湯税なんてのもありますしね。よくよく考えたら変ですよね。

もしかたら未来の人に「うげ、昔の人ってクルマ乗るのに税金払ってたってよ!」って笑われちゃうかもしれません。

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