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フローラルアートといけばなの世界

先日のこと。「今一度、初心に戻って一輪の花を愛でる気持ちを大切に活けましょう」という話をした時、生徒から「それは、いけばなではありませんか?」と尋ねられました。

いけばなと、フローラルアートは、見る人がどう捉えるかは分かりませんが、活ける側にとっては大きな違いがあります。

西洋で誕生したフローラルアートの根底にあるもの。それは精神です。
西洋の人たちの自然観や空間認識は日本人のそれとは大きく異なります。

自然の姿を表現するいけばな(最近では創作的なものもありますが)と違って、明確な意図を持ち、秩序立てて再構築するのがフローラルアートの世界です。

例えば輪を描くリースは、「永遠」や「繁栄」、「境界」という明確な意味を持ったデザインです。自然の姿を表現したわけではありません。

今年に入ってから、レッスンに哲学を取り入れ始めたのも、それぞれが明確な意図を持って表現するという新たなフェーズに入ったからです。

かなりマニアックですが、ここからが本当の面白さだと思うんですよね。

更に、日本文化を背負った私たちが、これをどう発展させるのかがこれからの課題です。

故恩師モニク・ゴチエは、フランス人でありながら、いけばなも修得していました。いけばなをヒントに、生み出したのが「フレンチモダンスタイル」という新しいデザインだったのです。

一花一葉の世界をヨーロピアンスタイルのフローラルアートにした、スタイリッシュなものです。私も師の志を継ぎたい。

というわけで、テキスト作りに追われる今日この頃であります。

今年はなんとしても、花展を開きたい!



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