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破壊と創造とエロス

今月の「文学と一花一葉講座」は、谷崎潤一郎の「刺青(しせい)」です。

なんというか…予想外の盛り上がりで、私の背中にも女郎蜘蛛がずっと這い回っているようです。。

「春琴抄と刺青の復刻版」

自由でいたいと思いながら、人は枠の中で生きる安心感を求めるものです。その箍(たが)を外すきっかけを与えてくれるのは、枠を突き抜けたアート作品であり、文芸なのだと思います。

刺青の初版本の表紙は蝶が描かれた「胡蝶本」と呼ばれたものだそうです。
文筆家の稲垣麻由美先生による解説は、文章のみならず、装幀のデザインや作家の生涯にまで及びます。

「まるでミステリー!謎解きのようですね」とおっしゃった方がいらっしゃいました。確かに、その作家のバックグラウンドを紐解いて行くうちに、その名作が誕生して行く道筋を一緒に辿っているようなワクワク感があります。

「受講者さんの作品」

文豪から殻を破る力をもらった作品は、非日常を遊ぶようです。

「重陽の節句で菊尽し」

サナギは自力で殻を破らなければ蝶となって大空を羽ばたく事ができない。もしこれを他者の手で、外から殻を壊すとそのサナギは死んでしまうと、本で読んだ事があります。

見守るって、愛と忍耐なんですね。

今月の文学と花講座は、17日(土曜日)にも開催します。

さて、私の心に巣作った女郎蜘蛛。
蝶のエロスに釘付け。

こんな都会のコンクリートの道端で、美しい蝶々が飛ばずに何をしているかって、それは愛のワルツ。

買い物へ行く途中で見かけた光景が、帰り道にもまだ同じ格好でその場にあった。

「まだやってる」と呑気に佇んでいた私のそばで、「ここで蝶が交尾しているので、出る時踏まないように注意してね」と、すぐ側に車を停めていた運転手に話しかける夫。

テクノロジーが生態系を壊してはならぬ。

※サーバーエラーにより、数日HPにアクセスできませんでしたが復旧しました。



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