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#コンテンツ会議

Live From The Budokan Tokyo FM, 1982 /Japan

その少女漫画的ルックスで当初、日本でのみ人気のあったJapan。その後 アーティストとして成長して 本国イギリスでも その音楽的、芸術的側面からも評価されて ヒットチャートの上位に上がり始めた頃、彼らは解散を発表。そして最後のツアー、来日。僕は 大阪と京都の公演を観ました。前座は久保田真琴のサンデイー&サンセッツ。彼独特の間を作り出すSteve Jansen のドラムや無国籍な別のメロディを奏でるMick Karn のフレットレス・ベースなどミュージシャンとしても大きく成長し

Robert Frippの「Heroes」

「Heroes」といえば、ベルリンの壁にほど近いハンザ・スタジオで録音されたDavid Bowieの作品の中でも有名曲であり、ベルリンの壁崩壊の前年の西ベルリンでのコンサートでは、スピーカーが東側に向けられ、大多数の若者が集まり、翌年の崩壊の引き金になったというエピソードは先日NHKでもの再放送され、記憶に新しいところです。 ライブ・エイド、フレディー・マーキュリーの追悼コンサートそして9.11.時に殉職した消防員の追悼コンサートでも歌われたり とBowieを代表する曲では

The Nomi Song / Klaus Nomi

日本でも、スネークマンショーのアルバムに収録され、パルコや石橋楽器のCMに起用され、80年代前半には 日本でも結構有名人となってしまったクラウス・ノミ。 その後83年にエイズであっけなくなくなってしまうわけですが、そんな彼がドイツからニューヨークに出てきた70年代後半は、パンク、ニューウエーブの流れが盛り上がり、人種の坩堝でもあるNYでは、世界から集まった”表現者“のため”舞台“が用意され、イギリスとは違ったダイバーシテイのなんでもありの状況だったようです。 この映画では

Carlos Alomar- The rhythm guitar of David Bowie’s Philadelphia and Berlin era

 David Bowie がフィラデルフィアソウルの総本山シグマ・サウンド・スタジオ“プラスティック・ソウル”でアメリカを制覇した時代 そして、パンク、ニューウエーブの勃興を横目に見ながら、Enoそしてジャーマンロックにアイディアを求め、ベルリンに移り澄んだ時代。 ドラムのDennis DavisとベースのGeorge Marryと共にCarlos AlomarのリズムギターがBowieのサウンドを支えたことは有名ですが、「Fame」や「Golden Years」のサウンド

「My Generation マイ・ジェネレーション ロンドンをぶっとばせ!」

Swinging London といわれ 世界の席巻した60s ロンドンの音楽・ファション・アートをその時代から活躍するベリー・ブリティッシュな俳優マイケル・ケイン(Get Carter、Alfie)のナビゲーションにより、1.Something In The Air 2.I Feel Fine 3. All was not as it seemed という流れで、ビビットに描かれた映画。”ローカルな”The Kinksの「Dead End Street」や「Waterloo

Fire and Skill/ The Jam

The Jam の 77年のデビュー間もない100club から解散直前の82年の Wembly arena までの6年間を 毎年のライブを聴きながら 彼らの変遷がわかるBox。デビュー当時は モータウンのカバーが多いが、3rd アルバム All mod cons から芽ばえたオリジナル性とPaul Weller のソングライテイング(ストーリーテリング)の才能。Setting sons や Sound effects 後79年のライブで の英国トップバンドの貫禄.(当時のシ

New year’s eve concert 2015.12.31

たまたま泊まったホテルの隣にライブ会場があり、到着後 Allman brothers band がよく演奏したnew year eve の会場 だったあのビーコンシアターだと気付きました。オールマンが 解散状態の現在 、今年は オールマンの後期をTedeschi Trucks と共に支えたWarren Haynes のバンド Gov't Mule。運良く当日券で入れました。3時間以上の長丁場のライブはChuck Leavell などゲストも参加し、Allman ,Gratef

If you can dream/Elvis Presley

エルビス・プレスリー。残念ながら私が物心ついた頃、彼は 悪趣味なスーツを着てラスベガスで金持ち相手に歌う過去のスターのイメージで、ドーナツの食べ過ぎであっけなくなく亡くなってしまいました。 発売された時は 日本では ほとんど話題に上らなかった生誕80年を記念したこのアルバムはエルビスの声に、後からフィルハーモニックオーケストラの音をかぶせて アビーロードスタジオで録音された作品ですが、このような企画にありがちなわざとらしさはなく、エルビスのスケールが大きく陰影に富んだ歌声を

R.I.P. Holger Czukay(1938.03.24-2017.9.05)

Holgar おじさんという風貌でCANの時代よりほとんど年齢が変わってない感じだったHolger Czukay。その訃報に接し、ニューウエーブ、ポストパンク時代においても大変大きな存在のサウンドクリエータ―だったことを思い出します。ご冥福をお祈りします。 1.Holger Czukay / Rolf Dammers ‎– Canaxis 日本でのTVCMに使われたPersian Love の原型といわれる“Boat Woman Song”はエキゾチックさを持ち込んだサンプリ

PIER & LOFT/Hiroshi Yoshimura Music For Nine Post Cards/Hiroshi Yoshimura

企業がパトロンとして芸術家をサポートしたり、仕事を依頼したり、それがノベルティとして配られたり、展覧会が行われたりとバブルの時代は その”バブリー”な悪趣味さだけでなく、今まで商業ベースに乗らなかった様々なアーティストやその作品が世の中に紹介されたことは、大きな貢献だったと思います。最近世界的に再評価されているという日本の80年代に産み落とされた作品の中でも、今は亡き吉村弘氏の作品もその一つのようで、最近2枚のアナログを紹介してもらいました。 一枚は西武グループが、NYのロフ

Girl from the North Country/The Original London Cast Recording

ロンドンで上演された全曲Bob Dylan の作品を使用したミュージカルのサントラ。ライナーによると1930年代のミネスタのゲストハウスを舞台にしたストーリーでDylan の事務所に見せたところ 大変気にいられ、使用可能曲のリストと共にどのようにアレンジ、編集、つなぎ合わせも良いという許諾をもらったそうです。 全曲 静謐で落ちつた雰囲気にアレンジされていますが、 アメリカ音楽を体現したものとしてのBob Dylan の音楽への深い理解を感じられ、所謂エバーグリーンな楽曲だけ

Punch Brothers at Blue Note  2019.7.10

昨年の初来日は 行けなかったパンチ兄弟。ついにライブを観ることができました。 レコードで聴く以上にメンバー全員が超絶技巧な演奏でしたが、斬新なアプローチと音楽のルーツであるアイリッシュに戻ったような躍動感で、形式的な芸能となってしまったブルーグラスを最新型の音楽として蘇らせていました。抜群のアカペラも披露してくれて大満足のステージでした。それにしてもChris Thile は凄い

Mark Guiliana' Beat music Live 2019.07.14

最近 ジャズ系の若手ドラマーには注目株が多いですが、 David Bowieに遺作に参加したり、Brad Mehldauのデュオなど 彼は頭一つ抜けた感じです。 今夜は素晴らしい演奏だったのですが、最新の音なのに、昔聞いたことがある不思議な感じ抱きながら、ずっと聴いていました。安っぽいニューエーイジミュージックを時々想起させるシンセのメロディ、レゲエのスタイルなのにタメがないため、リラックスの部分が抜けて、無機的な緊張を醸し出す演奏。特に何か感情を呼び起こすわけではないけれ

Neneh Cherry in Japan 2019.08.19

彼女の事を知ったのDon Cherryの娘として New Age Steppers そして Rip Rig and Panicの頃。その後「Baffalo Stance」大ヒットし、Youssou Dourとのデユオ「7 Seconds」も欧州で大いに売れたわけですが、その後 ジャズとテクノが独自の進化を遂げたノルウエーの「small town super sound」に移籍し、凶暴ジャズトリオThe Thing と共演したり、Four TetやMassive attackの