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求めているものとは、なんなのか

風が冷たかった。

1週間ほどのブランクを経て戻ってきた神宮球場。開始前から雲がかかり、空は泣き、風は冷たかった。この日はヤクルトファンの友人と観戦。彼女はヤクルトファンであり、ある特定の選手のファンでもある。その選手が出場するであろう日は、ほぼ観戦している。それ以外を含めても50試合はいってるだろう。とにもかくにも、ヤクルトファンであることは間違いない。

その特定の選手が、出場するであろう日を読み違えたことで、急遽観戦となったのが昨日だった。ふだん、一緒に見ることはない。だけど、決めたのが前日ということもあり、ぼくが、席を取り一緒に見ることになった。

試合内容は特に触れない。いや、触れたくもない。というのが現実か。

彼女の行動を見ると人間なのかは、女性特有なのかはわからないけれども心理が一つ見えた。特定の選手(個人)を好きになってもらうことが、購買意欲(野球の場合チケット)に繋がるということだ。「あたりまえのこと」といえばそれまでだけれども、ライターでも同じことが言える。

特定の媒体(メディア)を好きな読者がいて、そのなかで執筆者(ライター、コラムニストなど)のファンになる。その数を増やすことで全体のファンが増える。卵が先か鶏が先かの議論はあるにせよ、この理屈は間違っていない。

どれだけ多くのファンを作ることができるのか。

やっぱり、これが大事なんだ。と思うと同時にぼく自身のことも頭をよぎった。

彼女と別れて一人、青山通りを渋谷に向かいながら考えていた。外苑前、表参道、宮益坂といつもの道を進む。肌寒いせいなのか、早足になっていたのかもしれない。もしかしたら、考えることに夢中だったのかもしれない。あっという間の渋谷着。

いくつかのLINEやメッセージを送り、いろいろな人のことを思い浮かべる。

ぼくはファンが欲しいのか。それとも、安らぎが欲しいのか。

いま、答えは出てない。

8月2日:ヤクルト(4-10)巨人

こちらサポートにコメントをつけられるようになっていたのですね。サポートを頂いた暁には歌集なりエッセイを購入しレビューさせて頂きます。