日頃の行いとか。
柔らかい風というにはちょっとだけ手に残る感触がある。そんな風が吹いていた午後4時半の青山通り。雨は降っていない。お盆休みの余韻だからか平日にしては人通りは多く、銀杏並木にも多くの人で賑わっていた。
球場に入ったのは17時を少しまわったくらいだろうか。いつものゲートから入場し、スタジアムの中へと入る。観客席を見渡す。「これはまずいな」と直感的に悟った。「客入りが多い。いつもの席に座れないかもしれない」と。いつもの席の方をちらっと見上げる。ぼくが座る席は入り口から左斜め上の方にある。人がいつもの倍くらいだろうか。諦めムードで階段を登っていく。いつもの席が目視できる距離まで行くと目を疑った。ぼくの座る席だけ空いていたのだ。
いつもの常連客がぼくに気を遣って空けていてくれたわけではない。平日とはいえ、お盆期間中にいる近隣の顔ぶれは日々違う。「ふーん。こういうこともあるんだなぁ」と思いながら、腰掛けいつものようにtwitterに画像を投稿する。お酒は飲まない。
ぼくは「日頃の行いがよいから」といったことを信じてないし、そんなことはない、と思っている。だけれども、この日は「座席が空いていたこと」以外にも「ついてるなぁ」と感じるできごとがあった。こうも続くと、考えを改め直さなければならないのかもしれない。
でも、「日頃の行い」が後の自分に返ってこなくてもいい行動を心がけるけどね。「よい」と思うものを思うままに行動する。
損得やメリット、デメリットで物事を判断するのは合理的かもしれないけど、人間味がない。それこそAIに判断させればいいし。ぼくは縁あってネコでもライオンでもなく人間として産まれたのだから、感情を持って日頃の行いをよくしていこう。試合前にそう誓ったのだった。
そのおかげかはわからないが、試合は危ない場面がありながらも逃げ切り勝ち。旅行前最後の試合を勝利で飾ってくれた。
やっぱり、日頃の行いって大事なのかな?
8月17日:ヤクルト(4-3)巨人
こちらサポートにコメントをつけられるようになっていたのですね。サポートを頂いた暁には歌集なりエッセイを購入しレビューさせて頂きます。