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多摩川キャンドルのきっかけ3 〜場所を借りるために【中編】〜

さて、多摩川河川敷でキャンドルを灯す許可を取りたくて、役所に電話を架けてみましたものの、メチャメチャたらいまわしされて、もはや行き詰まり感…。でも、一縷の望みをかけて国土交通省の施設に電話を架けてみることになりました。こんかいの【中編】は国土交通省の出張所に行ったお話。

奇跡的にアポイントが取れた!

国土交通省に電話をするっていっても、どこに電話すればいいんだと思って、ネットで調べていましたら、どうやら河川敷を使用したい場合は「河川事務所」にいけばいいとか。さらに調べると地域的には◯◯出張所が管轄しているエリアとわかり、◯◯出張所に電話をしてみたところ、電話に出ていただいた人から「確かにその地域はこちらが管轄となっております」と。そこで詳細を相談したところ担当者に繋げてくださることに!

そして担当者のHさんという人が電話に代わっていただけましたが、電話でやりたいことを説明するも「内容がわからないから、企画書を持ってに話にきて」と言われて、アポイントをいただけることに。そのときに「私か、もう一人担当のKという者が居ますので、二人で相談をうけます」とも言われました。

いざ、アポ当日。またも有休を使い会社を休んで訪問してみますと、お二人とも居ません。受付の女性の人に「Hは本日休みをいただいております。Kは外出中です。ただKはあと30分後には戻ると思います」と言われました。アポイントもらったのに…。

いやいや有休取ってまで来たんだから、会わずに帰れるか!とKさんの帰社を待つことにしましたが…。

アポ取得もあんまり意味なかった…

そして30分後、ようやくKさんが戻ってきます。30台前半くらいのスラッとした男性でした。受付の女性の人が「イベントの相談でお客さんがお待ちですよ」とKさんに伝えくれますが、最初の一言で「なんですかそれ?あなただれ?」と言われました。まったく話が噛み合ってない…。

当時わたしは、とある業界の店舗に飛び込み訪問をしたりする営業マンでしたので、多少の言われ方をされても特にビビらず、ここに来た事情と相談の内容を企画書を出しながらきちんと説明できるように努めました。すると、「忙しいからそんなことで突然来ないでくださいよー」と企画書をめくりながら言いました。いやいや、Hさんにちゃんとアポもらったし…。とりあえず話が半分通じなさそうな人だなーと思った瞬間、思いがけないことが…

「まぁ、べつに、キャンドルを灯せる場所ならありますよ

おおお。 今何とっ?! ほんとですかっ!!

市区町村が管轄している場所、国が管轄している場所

Kさんが言うには、こういうことでした。キャンドルを灯すということに関して関係してくる3つの事象があるとのことでした。

1)たとえば少年少女が野球やサッカーなどをしていそうな芝生の整った場所は市区町村が管理している場所と思ったほうがいい。それと草木がボーボーしてたり岩がゴロゴロしてたりする人が使わなそうな場所は国土交通省が管轄していると考えてほしいこと。

2)国土交通省が管理している1のようなエリアは火器についての明確なルールは設けていないので、とくに規制はしておらず、例えば 焚き火をしている人やバーベキューをしている人に国土交通省としては止めるよう指示を出すことはできないとのこと。
※ バーベキューのゴミ問題・騒音問題で様々なルール・条例ができる前の時期でしたので、河川敷でバーベキューをやる人や焚き火をやる人はたまに見かけることがありました。ですが、その問題がニュースで頻繁に取り扱われていました。そして、後年、狛江市の河川敷におけるバーベキュー・花火等の禁止の条例を皮切りに、様々なルールができてきます。

3)上記1・2を理解した上で、自己責任で実施するなら出張所としては何も規制はしないとのこと。

写真で比較するとしたら、こっちのような ↓ ↓
石がゴロゴロしている場所は使ってもOKで

画像2

こっちのような ↓ ↓ 、芝生の気持ちいい広場は
市区町村が管理している = つまりはやっちゃダメってことでした。

晴れた日の多摩川の景色


そして、これら3つの事象を説明された上で、こんな言い方をされました。誤解の無いように言われた言葉をそのまま書き込みます。

Kさん「つまりこういうことです。私たち(国土交通省)はイベントに使いにくい場所しか持ち合わせていないし、そこで細かなルールは無いから、あなたが勝手にやる分には何にも文句は言わない。ただ、例えば火事が起こって騒ぎになったとしても、私たちは何も責任を追わない。だって、作ってきてくれた企画書は受け取らないことにしたいし、許可証も出さないからね。あくまでルールが無いからあなたたちが自分たちの判断でやったことってことになるから、何か問題が起こったらあなたたちがあなたたちでどうにかするってことです。あと、地域の人たちが警察を呼んで、警察が止めにきたら許可証も無いってことだから、どんなに安全に運用していようが止めなければならないと思うがそれでもやりたければやれば? 出張所に影響がこなければどうでもいいことだよ」

と言う言葉をもらいました…

なんとか国土交通所が管理エリアのマップを入手

ともかく「よっぽどの覚悟でやってね。どうせやれないでしょ?」という言い方をされましたが、どうするかは持ち帰って判断すればいいと思い、私も怖気付かずに「せめて管轄エリアの地図だけでも見せてもらえませんか?」とお願いすると、めんどくさそうに数十ページにわたる地図帳を出してきてくれました。

その地図帳には多摩川の市区町村の管理エリアと国土交通省の管理エリアのすべてが記載されていました。わたしはその地図は所外秘かどうかを質問しました。すると予想外の一言が。

わたし「これは写して持ち帰っても良いものでしょうか?」
Kさん「写して情報を持ち帰るのは大丈夫です。」
わたし「では、コピーさせていただくことは可能でしょうか?」
Kさん「この地図帳そのものは外には貸し出せません。ここで写していくのなら大丈夫です。でもここのコピー機は使わせません」
わたし「コピー機は使ってはいけないのですか…?」
Kさん「このコピー機の電力とコピー用紙は、国民の皆さんの税金です。コピーをするだけでその税金を使ったことになってしまいます。公務員が税金をどんなことに使ったかでマスコミに刺されることだってありえます。たかだこんなコピーでそんな危険を持ちたくありません」
わたし「でも税金を払っているのは、私たちですよね…?」
Kさん「そんな適当な揚げ足をとらないでください」
わたし「はあ。では必要なページ(たぶん見開き20枚くらい)のコピー代を払います。20枚くらいになりそうなので、白黒コピー1枚10円として200円分を払っていきますが、いかがでしょう?」
Kさん「それもだめです。コピー用紙1枚が10円になるという証明があなたにできますか?できませんよね?」
わたし「では…カメラに撮影していくのはダメですか…?」
Kさん「……それなら大丈夫です」

そんなわけで20ページほどの見開きをカメラで撮影することにしましたが、撮影中にKさんは「打ち合わせがあるので、失礼します」と行って退席されようとしましたので、最後に「実際、いくつかのエリアを見に行って、できそうに思えたら、KさんかHさんにまたご相談させていただけませんか?」という質問をしました。するとKさんは

「先ほども行ったように、いい場所があってもイベントをやる/やらないはあなたたちの自由です。ですが、こちらは責任を一切持ちたくありませんので、電話さえもして来ないでください。あとは勝手にやってください。」

という言葉を残して、会議室に向かってしまいました…

わたしも20枚近くの撮影を終えると、部屋にいた他のスタッフの人に地図帳をお返しし、お礼を言ってから、出張所をあとにしました。


アポイントを頂戴したまでは良かったのですが、いやー、対応があまりにぶっとびすぎて、9年の時が流れても鮮明に記憶に残っているのって、よくよく考えたらすごいですよねぇ…。 

とは言え「やりたければやれば?」という言い方をされたのは、本当に光が刺したような気持ちでした。もろもろ調整しなければいけない課題も出てくるでしょうけど、やれる/やれないという中では「やれる」という振り方が選べるようになったのは奇跡を掴んだような気持ちでした。

んじゃ、次は、
地図の写しを見ながら、やれそうな場所が無いか見て回ろう…!!

<次回に続く>

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