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バスクでシードラ体験

バスク地方にはちょぴり変わった飲み方をするお酒があります。シードラと呼ばれるリンゴの発砲酒です。バスクが名産のお酒で、作られている現場を見てみようと、シードラ醸造所がたくさん存在する町アスティガラガへ向かいました。

家族代々シードラ醸造所を経営しているというmarioに案内をしてもらいました。この町はバスクの中でもシードラを作る人数が一番多いみたいです。なぜシードラはバスクの名産なのか。リンゴの品種が他のリンゴと一味違うみたいです。どう違うのかというと、バスクのリンゴは発酵しやすい品種です。絞って置いておくだけでも自然と発酵しだします。その性質が強いためバスク産ではないリンゴを使うよりも風味の高い酒が出来上がるそう。

シードラは2月ころからが旬で、この時期だけ併設されたレストランもオープンします。なのでこの時期しか体験することのできないお酒と食事があるということです。

醸造所に着くと広がっていたのが、巨大な樽たち。大きな空間に樽が並んでいました。


全て違う品種のリンゴを使ったり、熟成させる期間を変えてたりしています。シードラの質の向上を目指して、実験的な要素も含め、毎年様々な品種を作っているようです。熟成度の低いものと高いものを味見させてもらいました。飲む!その前にシードラを頂く楽しみがあるのです。それはグラスへ注ぐ際のパフォーマンス。

樽から直接勢いよく飛び出してきます。シードラが出てきそうな位置を確認してから、樽のふたを開ける。するとどばーっとお酒が出てきます。私の後ろには他の人たちが並んでいて、交代する際はシードラがこぼれないように注意しながら次ぎあいます。これが難しいけれどわいわいと盛り上がるから楽しいのです。(笑)

なぜこのような形で注ぐのか?

パフォーマンス的要素であるため、というのが一つです。やはり見ていて釘付けになるし面白い。二つ目が、シードラの香りをより感じられるからです。空気に触れることでより豊かな風味に変わるらしい。

お昼には別のシードラ醸造所に移ってそこに併設されたレストランへ。marioが「伝統を残しながらも新しく作られたおすすめの醸造所があるよ」と教えてくれたのでその醸造所へ向かいました。数か月しか開かれないためレアなレストランです。お店には横長い長テーブルがいくつも並んでいました。席に着くと、まずシードラの樽のもとに案内されました。先ほどのように、その場にいるメンバーで様々なシードラの味の違いを楽しみます。そのあと席に戻ると料理がぞくぞくとやってきます。お通しのような前菜が一つ、そしてメイン料理が三つ、最後にデザート、これがシードラハウスの料理です。シードラハウスでは基本的にメニューが上記だけなので、注文の際には「いらない料理」を伝えるだけです。私はせっかくなので全部食べてみることにしました。

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一皿目はチョリソという豚肉と香辛料のソーセージ。長いバゲットも隣に置かれました。食べ終わるとすぐに二皿目がやってきました。バカラオ(干鱈)がのピースが入った卵料理。バスク名物のバカラオはシードラハウスでも定番の食材でした。食感がとても残っていてぷりっとしているのが美味しい。次は肉料理かな、と予想していたらまさかの魚料理がやってきました。しかもおそらく二人分の量。またまたバカラオであんかけと野菜とともにいただきました。パンと一緒にタパス風に食べるのもあり。

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ボリュームのある食事にこれでも満足でしたが、最後のメイン料理が破壊的。大きすぎるステーキが運ばれてきました。シードラハウスで出される量はとてつもないです。おなかの大きなお店の人たちが多いのことに納得。最後には甘いスイーツも。食事の間は酒樽に何度行ってもいいので、たくさんのシードラと料理を楽しめるのがシードラハウスです。

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