「腰の丸い人の服装計画放浪記⑥」女物の服が分からへん
故郷の両親は87歳です。
母がだんだん脚腰や認知が頼りなくなってきたので、頻繁に帰省するようになりました。
父はシャンシャンしているし仕切り屋なので生活は回っており、
ゴールデンウィークに妹と帰省した際には
「生活のペースが狂うから、今度から別々に来てほしい」
と言われてしまった…
その父から
「タンスの整理をしてほしい」
とSOSが。
几帳面で手先が器用で料理もしている父が、タンスの整理?
とちょっと意外に思っていたら…
ああ、そういうことね。
服は取り敢えず母が自分で選んで自分で着ていますが、
洗濯物をしまったり、季節が替わって入れ替えをする際に、
「女物の服の種類がわからへん」(関西弁)
だそうです。(父自身の引き出しは相変わらずきちっとしまわれている)
そうそう、思い出しました。
子どもが小さい頃、保育ママさんの都合がつかずいつも預けているメンバーで預け合いをしたことがあります。
私が預かることになった時のこと。女の子のお着替えをさせようと、パパから預かった荷物を見たら…
ワンピースにするにはタイツがない、ジャンパースカートの下に着るものがない、ズボンをはかせようとするとトップスがない…
たくさんの服を準備してくださっているのに、お着替えが困難…
そうなんです、当たり前に思っていましたが、女性の服って種類が多いんですよね。男性のように、トップスとパンツ、と簡潔明快ではない。その時のことが甦ってきました。
下着の種類も然り。
何をどんな順番で着るのかが分からない。
しかも少し前まで母はボディスーツを着ていたので、父の不可解度に拍車をかけていました。
母が自分で管理していた時には、気候やその日の用事で着分けていた衣類ですが、認知も頼りなくなり腰の痛みで着替えが困難になり生活も単調になると、必要なものが絞られてきます。
前回引き出しにラベルを貼っていたのですが、そもそもの種類の把握ができていない。
「シャツは下着なんか? Tシャツのことなんか?」
「長パンツはどの段階ではくんや?」
そこで母の衣類をパターン化しました。
チュニックとズボン(パンツとは言わない)。
(しかし、このチュニックと普通のトップス違いを理解していなかった父…)
このあたりの事情は、こちら↓をご覧ください。
下着も
・カップ付きキャミソール
・その上に肌着(長袖もしくは半袖)
・ズボンの下にはく下着の長パンツ
に厳選しました。
ワードローブのサポートを生業としていますが、こういう服を選ぶことが苦にならない方法を考えるのが大好きです。
下着も腰の丸い人用に、後ろが長くなっていたり股上が深いものも販売されいます。
前開きが着やすいかと思ったら、母には面倒臭いみたいでした。
腕を動かしにくい人だときっと前開きが良いのでしょう。
ボタンの代わりに面ファスナー(マジックテープやベルクロなど)仕様のものがあります。
“高齢者”のための衣類も、その人の状況次第。ひと括りにはできません。
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