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人はみんな理想通りに生きている
人は理想を持つことを良いことだと信じている。
だが、理想とは何なのか、改めて考えたことはあるだろうか。
何となく、理想というものはキラキラしているというか、自分にとってまさに非の打ち所がない状態、
まさに、理想=幸福と言ってもいいくらいのものとして捉えている人がほとんどだろう。
だが、理想という文字の理は、理化、理屈、理論等々、
理(ことわり)という読み方もするように、物事の筋道や、決まっている法則、みたいな意味だ。
そして、理想の想は、想像、想定、空想、思想等々、
人が考えることを意味する。
どちらにも、特に幸福という意味は無い。
では理想とは何か?
哲人、中村天風いわく、
理想とは「継続せる組織のある連想」
とのことだ。
つまり僕なりに簡潔に言うと、
「一つの形となっている想像がずっと続いている状態」
と言うところだろうか。
つまり、理想というと、ああなったらいいな、こうなったらいいなと考えることだと思いがちだが、
単に、ああなったらいい、こうなったらいいは、一時の願望や欲望であって、ふわふわしてしっかり形になっていない上に、続いていないから理想とは言えないのだ。
これは、本当に気を付けなければならない。
一つの形となっている想像がずっと続いている状態というのは、
そこに良い悪いは条件として入っていないということだ。
もし、
「自分なんてダメだ」
「何をやっても上手くいかない」
「どうせ無理に決まってる」
「自分の人生なんてこんなもんだ」
みたいな思考を長い間続けていると、それは「継続せる組織のある連想」なので、
立派な理想ということになる。
上で言ったようなことをずっと考えていたら、人はどうなるだろうか?
もしかしたら、世界中の人間は理想通りの人生を送っているのかもしれない。
前向きだろうと、後ろ向きだろうと、積極的だろうと、消極的だろうと。
だから繰り返し言うが、理想にはくれぐれも気を付けなくてはいけない。
もし、こういう人間になりたい。こういう人生を送りたいと思ったら、
それを一時の空想で終わらせるのではなく、
しっかりと形にして、なおかつ持ち続けなくてはいけない。
これはたぶん最初はすごく大変だろう。
でも、人はいい意味でも悪い意味でも、慣れる生き物だ。
言葉は変かもしれないが、
理想的な理想を持てるまで、そこは踏ん張る必要はあるかもしれない。
少しでもいい理想を持っていこう。
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