自分を大切にするとは
自分を大切にするとはどういうことか。
それは、自分を必死に守ることではないと思う。
もちろん、自分を守ることは大切なことだが、
ポイントとなるのは、その考え方だ。
なぜ自分を守ろうとするのか。
自分自身をガラス細工のように、脆く繊細で簡単に傷付いて、壊れてしまうと思っているから、何としてでも自分を守る。
そのような考え方は、自分が弱い存在だという前提がある。
確かにガラス細工は美しい。何もない時であれば、飾って眺める分には問題無いだろう。
でも、ある時急に地震か何かが来て、グラグラッと揺れたら、倒れて壊れてしまうこともある。
自分を大切にしているつもりでも、何事も無い時には平気で、何事かあったらすぐに心のバランスを崩してしまうようでは、
本当に自分を大切にしているとは言えないのではないか。
自分を大切にするとは、必死に守ることではなく、何があっても大丈夫だと、むしろ防御を手放すことかもしれない。
病気などの自分自身のこと、人間関係などの周りの環境のこと、たとえ何が起きようとも、その時ショックを受けようとも、すぐに自分は大丈夫だと、心を立て直せるようにすることこそ、自分を大切にすることではないだろうか。
そのときの心は、ガラス細工ではなく、水のようなものかもしれない。
水は、石を投げ込まれたりしたら、水面に波が立ったり、しぶきが上がったりする。
だけど、それを見て、水が傷付いたとは誰も思わない。
ただ一時的に形を変えただけで、時間が経てばまた元の状態に戻る。
何事も無いときに平気なのは誰でもできる。
何事があったときでも平気な自分を作るのが、
自分を大切にすることなのだと思う。
そのためには常日頃、自分自身に対するイメージが大切になってくるだろう。
自分は果たして、石を投げられたら壊れるガラス細工だろうか?
それとも石を投げられてもただそこに悠然と在る水だろうか?
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