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未来は見ない

何も無いときには平気で、心に何も波風は立たない。
自分は落ち着いていると思うこともできる。

だけど、一度何かが起きれば、さっきまでの凪はどこへやら、たちまち大嵐の中に放り出されたように、上下左右も分からない状態になってしまう。

やはり心の強さというのは、
自分にとって不都合な何かが起きたときのこそ、その真価が問われるのだろう。

では、どうすれば心を強く保つことが出来るのか?

自分にとって不都合なことが起きないように祈ってもだめだ。
自分に何が降りかかってくるかなんて分からないし、
そんなことを祈っていても、それは単に怯えているだけに等しい。

重要なのは、自分に何が起きたかではない。
その起きたことを出発点として、未来に対する想像が心を波立たせるのだ。

きっと大変なことになるだろう。
あの人に嫌われるだろう、失望されるだろう。
信頼を失うに違いない。そしてそれは取り戻せない。

結局人は、今この瞬間に起こったことに怯えているのではなく、

未来に対する自分の思考、想像に怯えているのだ。

これを何とかするには、今起こったことに集中することだ。そうして未来の想像から少しでも距離を置く。

自分に起こったことの原因だけを見るようにする。

そして、今できることに集中する。
そのとき、決して自分を責めてはいけない。
反省は必要かもしれないが、それは自分を責めるためではなく、これからどうするかを積極的に考えるためだ。

自分に起きたことは、都合の悪いこと、起きない方が良かった最低なことと考えるよりも、

それによって、今までの自分が気付かなかったことを気付かせてくれた、神様か何か知らないけど、何か目に見えない力が働いて教えてくれた、

と考えることができれば、単に動揺するだけよりかはマシなはずだ。

過去や未来を見ずに今を見る。

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