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【週末雑記#25】"粋"な再会

4年前の6月、京都で働けるのもあとわずか・・・この仕事が終わったら、東京へ行く。(自ら望んでではあるものの)出来ることなら、まだまだ京都で働きたい。でももう京都に仕事はない。今後の生活に不安と期待をいだきながら過ごしていた時に出会ったバンドが「YeYe」だった。

ボーカルが同い年だったり、京都を拠点としていたり、何ともゆるい感じが妙に引っかかり、一気に当時出ていたCDを買い揃えたのを覚えている。今まで聞いたことがないようなジャンルだった。

当時、自分の仕事に閉塞感があり、とにかく、やたら生き急いでいた。何とかこの現状を変えないと、もう自分がダメになってしまう気がする、そんな試行錯誤をしていた期間だった。何か変化のキッカケが欲しかった。

そして、急かされるように期間を設定して転職活動を行い、逃げるように前の会社と仕事に見切りをつけた。そんな生き急いでいた自分にふと立ち止まるきっかけをくれたのが「YeYe」だった。「もう少し、落ち着いてしっかり考えてみたら?」別にそんなことを語りかけているわけでもないと思うのだけど、そんな風に自分に問いかけているように感じた。

出会うべくして出会う音楽あるのだと音楽好きとしては信じたいし、その逆もあるのだろう。京都での日々を終え、東京に行ってからはしばらく「YeYe」は聞かなかった。新しい会社でジェットコースターのような日々が過ぎ、そこで聞いていたのは流行りのシティポップだ。都会がよく似合う音楽に沢山出会えた。

そんな目まぐるしい日々はあっという間に終りを迎え、程なくしてコロナが来た。再び生活が一変した。そんなタイミングで、ニューアルバムが発売された。

そこからは流れに身を任せ粛々と「暮らし」に向き合う日々が続いたが、今年、色々あって京都に引っ越すことが出来た。人生何が起こるかわからないとは言え、この展開は予想していなかった。3ヶ月が経ち、新生活にもすっかり慣れたタイミングで、「YeYe」の磔磔でのライブと、フジロック出演のニュースが飛び込んできた。

4年振りの磔磔に足を運ぶと、彼女らはSNS上で見る雰囲気と一切のギャップがなく、楽しく、ゆるく生きている感じであっという間にライブが終わった。等身大で、どの楽曲も素敵で、アットホームな、とても良い時間だった。そういえば、ほろ酔いでゆったり過ごすライブハウスっていつ振りだったんだろう。そんな時間の過ごし方にも”粋”な再会だった。

生き急いでいた自分は、この4年で状況が様変わりした。家族が出来、仕事での立ち位置も変わり、仕事のモチベーションも4年前とは全然違う。今は「生き急ぐ」感じはない。でも、もっと人生に対して「欲張り」になっている感覚はある。とはいえ、人間、そこまで本質は変わらないと思うので、気づいたらまた生き急いでしまうかもしれない。そんなときは「YeYe」を見に行こうと思う。

きっと自分にとって大事なことを思い出させてくれる。そんな気がした週末だった。

”粋”な再会をありがとう。また、会えると良いな。


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