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ワークショップ報告)2023年1月30日(月)に「愛農かまどパーティー」(かまパ)@三重県伊賀市を開催しました。終わった後に、

参加者の方から「愛農かまどと共にある暮らしを実現させるため、まずは引っ越す!」という熱い言葉も飛び出すほどの楽しい一日となりました。ありがとうございます!

今回は私が主宰するNPO法人 森の遊学舎https://ugaku.com/ と 
公益財団法人全国愛農会http://ainou.or.jp/main/ が
共催したイベントにスタッフ(言い出しっぺ)として、参上いたしました。

0.会場と参加者

会場は「愛農高校内にあるログハウス」です。
https://ainogakuen.ed.jp/
卒業生が力を合わせて作った建物で、各種イベントや勉強会などに利用され、
愛農が丘のシンボル的存在とのことです。
ログハウス前には「愛農かまど」や大きなパン焼き窯があります。

三重県のほかに、和歌山県、愛知県、遠くは石川県!?、静岡県!?から参加者(大人11人)が集まり、主催者3人のほかにゲスト1人(愛農かまど伝承者 野呂由彦さん)の合計15人でした。

愛農高校の卒業生や、これから愛農かまどを作ってみたい方、伝承者を志している仲間、通りすがりの日本在住オーストラリア国籍の方など、初めましても多かったのですが、いろんなご縁があって参加された方々で、
和気あいあいとあっという間の数時間でした。


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1.愛農かまどについて

1-1.愛農かまどとは?

第二次世界大戦の直後から昭和 30 年代は、森林が荒廃し、残り17年で薪が枯渇すると言われ、日々の調理さえ危ぶまれる状況でした。その際、「全国愛農会」が農村生活改善のために開発し広めました。
https://ainou.or.jp/

料理研究家が考案した、燃焼効率の良い構造が大きな特徴です。
ひとつひとつの熱源や排熱さえも無駄なく流れに載せ増幅させながら、最大限に活かすことができます。
そのため今まで使われず森に放置されていたような、少量の細枝で煮炊きができます。
薪ストーブで使うような太い薪は下段のオーブン利用時のみ、数本が必要な程度です。
上段に羽釜を2つ置くことが可能です。片方は焚口があり、3 升の米が約 30 分で炊きあがります。もう片方は煙突へ向かう手前の余熱を利用した弱火調理ができます。お湯を沸かせるので、餅つきや味噌作りに重宝します。下段のオーブンでは肉・魚・野菜だけでなくパンやピザやシュークリームなどを焼くことができます。
国内外の様々な伝統料理、創作料理、アウトドア料理などをお試しください。
私たちは「愛農かまど」の優れた機能性だけではなく、精神性を伝承し、
私たちが共に生きていくことの意味や幸せを分かち合いたいと思っています。


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1-2.自力制作するには?


設置場所の企画検討、かまど材料や制作道具の準備など、全てをご自身で行うことができます。
※愛農会から制作に必需品の木型と設計図の貸し出しを受けられます。
木型貸出料:1 基 1 回につき 30,000 円 (複製不可)
設計図貸出料:1 基 1 回につき 20,000 円 (コピー不可)
(1ヶ月以内に返却。別途往復送料が必要です。)
そのほか詳細は (公益社団法人)全国愛農会 事務局に、ご相談ください。
電話番号:0595-52-0108(8:30-17:00)

ainouhonbu@gmail.com

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1-3.伝承者とは?


愛農かまどの制作技術だけではなく、開発の経緯や最新の知見、
精神性を共に育み伝えていく伴走者です。

事前の相談から、現地へ赴いての制作支援やワークショップ講師などが可能です。
伝承者派遣のご依頼は愛農会に連絡して紹介を受けるか、
ご自身で伝承者に直接連絡をとることになっています。

【連絡先】
大西 琢也   yajin@ugaku.com
略歴>>>


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2.企画趣旨は?持ち寄りで!

話題沸騰!?の焚き火システムキッチン「愛農かまど」の実物を
観て、聴いて、使ってみよう!ということで、ランチ会を企画しました。

伝統的な暮らしと自然エネルギーの秘伝を体験しながら楽しく学びましょう!

~協働(ご飯炊きワークショップ)×座学(かまどの設計・構造)×交流(仲間と出逢う)~といった要素はありますが、

講座ではありません。

【持ち寄りで楽しむ!】ことを大切にしたいと思います。

誰かにがっつり教わるというよりは、それぞれの経験や現状や未来への想い、紹介したい、食べたいものなどを【共に分かちあう】趣旨です。


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3.どんな料理が?

自己紹介をしつつ、それぞれが楽しみにしていることを語りあいました。

その後、持ち寄った食材を使ってお料理開始。



主食の羽釜ご飯のほかに、ソーダブレッドという即席発酵のパンやそれに合ういちごジャム。
お味噌汁のほかに野菜サラダや肉や煮物、和え物、揚げ物、果物、デザートまでいろいろありまして、

なんと全部で17品(・・・もっとあったかも)が並びました!

いやはや豪華なランチバイキングとなりました。


今回のために初めて作った料理を持参してくださった方もいたり、

それぞれの得意技も炸裂して、とても個性的で豊かな集いになりました。


愛農かまどでサモサ!(南インドの揚げ物)も秀逸で、

さくさくした生地の作り方をみなさん、興味津々で聞いたり作るのを手伝っていました。


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4.愛農高校敷地内の見学

食後の片付けが終わって、愛農高校の敷地内の見学もしました。

ホームページ https://ainogakuen.ed.jp/ に記載されているとおり

  1. 2年次に部門(作物、野菜、果樹、酪農、養鶏、養豚)を選択し、専門的な農業学習を実施

6つの部門があって、それぞれの拠点になる場所がありました。


他にも石積みが凄まじい池があったり、裏手が新興住宅街とは思えない場所です。

竹藪もあり、高校生が竹細工をするために短く伐った竹の汚れを落としている姿もありました。

全寮制で段階的に様々な学びを知識だけではなく、実践を伴って培っていけるようです。

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5.おやつに炭火パンケーキ

愛農かまどの燃焼効率はとても素晴らしいです。

しかし、薪をどれだけ少なく使っても、少しの熾火は残ることがあるでしょう。

消し炭にして、囲炉裏や火鉢に使うこともできますが、

今回、私の師匠である野呂さんが七輪と鋳物鍋でおやつにパンケーキを焼いてくださいました。


最後まで無駄なく使い切る。

言葉よりも行動で示してくださる。

今回も何よりご本人が楽しそうで私たちも豊かさの御裾分けをいただき、

とても温かな気持ちになりました。

私にとって愛農かまどにまつわる、この「精神性」こそが、

継承したいことの大きな柱です。

参加された方の中にもこんなコメントがありました。

「野呂さんは地に足つけて人生を生きていくと、
こんな感じになれるのかと思うような雰囲気を身につけていらっしゃって
お会いできただけでも、大きな喜びです。」

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6.参加者の感想(抜粋)

・身近にあったけど、全然使ったことのなかった愛農かまどでしたが、
今日ちょっとだけ触れることができ、このくらいなら自分でも
使っていける・・・かも・・・!?と思うことができました。

・「かまど」というつながりだけで、どんな風なイベントになるのかなと、
正直不安でしたが皆よく食べ、かまどを体感できた1日だったと思うし、そう願います。

・ちょっと興味はあるんだけど、今からつくるぞー!!というほどの現実感はない、
私のような人たちにまずは実際に見て触れてみるという場があるというのは、
すごくありがたかったし、かまどとは関係なく世代も職業も
全然違う方たちとおしゃべりできたのも楽しかったです。

・実際に触れてみて、使用してみて、
「自分の近くにも作ってみたい。毎日使ってみたい」そんな感想を持つことができました。

・かまどを観ることができ、美味しい御飯もいただき大満足です。
かまどを造って、外でご飯を作りたい!そして、皆と楽しく過ごしたいです。
私もこの夢、実現させます。(まずは引っ越しして)

・かまどを通して人が集い、料理し、共に食卓を囲みそして食べるということの
喜び楽しさ、美味しさを再感動した時でした。
ごちそうさまでした。心、豊かな時をありがとうございました。

・それぞれ持ち寄っていただいた食材やおかずがどれも美味しくバランスも絶妙で
一期一会だなあと感じました。

・料理はほとんどやらないので、持ってきた食材をどうすればよいか解らなかったが、
みなさんに助けていただいて美味しいと言ってもらえて嬉しかった。
あっという間の時間、ありがとうございました。

・かまどで炊いたご飯。甘くておいしかった。子どもたちが笑顔で元気になる社会、
そんな学校の一部にかまどを取り入れたい。自然の循環を大切にしたいなあと
改めて思いました。こんな素晴らしい企画をありがとうございました。


・愛農かまどを中心に人々が集まってワイワイするのは最幸ですね。また来たいです。

・カマドを通じて人のつながりを楽しめて良かったです。縁が面白いです。

・今は電気もガスも水道も全て公共インフラとして整っている中での生活で、
ある意味「生かさせてもらっている」感があり、どれか一つでもSTOPしたら生活が
立ち行かなくなる中、自分たちで「生きる力」としての魅力を愛農かまどから感じました。

・火を起こし、火を回し、火加減をし調理する一連のシステムは非常に良い流れが出来ており、
ぜひいつか我が家の生活に取り入れてみたいと思いました。持続的、循環的な生活への夢、広がりました!!

・愛農かまどはかまどを作るか、作らないかだけではなくて、かまどを作るプロセスで、
もしくは作ってからの生活のありようで、多くの人と本質的な暮らしを考えていくための
ツールにできるものだと思いました。

・At this event I was able to meet like minded people and learn about possible steps to
take in the future while having fun.

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7.企画の背景

私(大西琢也)はこれまで福島県、山梨県、岐阜県、愛知県、三重県、奈良県、
大阪府、山口県で合計13基の愛農かまど制作に関わってきました。

様々な施主さんの想いに触れ、日々の暮らしや夢の実現に向かって、
「愛農かまど」が手段として貢献できることに喜びを感じてきました。

その一方で現代生活において「かまど」そのものが珍しくなっていることは事実です。

今、なぜ「かまど」が必要であるのか?

それぞれの事情や現場の様子は違っています。

かまどに限らず私達は50年前と比べたら
圧倒的に身体性が少ないという社会変化の中で生きています。

いろんな想いを巡らし、手間暇も費用もかけて、
ご家族や仲間と一緒に創るにあたって、どんな準備が必要でしょうか。

制作前に以下3つの選択肢(1~3)の中から1つ以上にご参加いただくことを勧めています。

身体性を伴った体験、実物や生の声で愛農かまどのメリットもデメリットも
実感からご理解いただけると嬉しいです。

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1).愛農かまどの視察見学


→岐阜県郡上市ほか、全国の設置場所をご紹介します。
実物を見ていただくこと、設置場所やその活用方法など、
愛農かまどを設置し、活用されている施主の方にお話を聞くことができます。

カフェとして運営されているソラノネ食堂(滋賀県高島市)のように
一般の方が気軽に利用できる場所もあります。

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2).愛農かまど創りワークショップへの参加


→他の施主さんが実施される機会をご紹介します。
3日間のワークショップのうち、1日だけの日帰りや2日間、3日間通しなどご自身で選択してください。
作業の流れや準備物など、実体験することができて
愛農かまどの構造やワークショップ運営の具体的な理解が深まります。
参加費や宿泊費などは施主さんごとに違いますので、有料の場合もございます。


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3).愛農かまどパーティーや火入式への参加


→完成した愛農かまどを実際に使ってみませんか?
他の方のかまどを使う機会に参加することで、かまどご飯を炊いたり、
オーブン料理をしてみたり、愛農かまどに関心のある仲間に出逢うきっかけにもなります。
不定期開催。参加費など有料の場合もございます。


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施主さんたちや

循環する暮らしに興味のある方々と仲間たちと共に

愛農かまどを作って終わりではなく、

このような機会を増やしていきたいと思います。

一緒に「かまパ」やりたい方、同日開催したい施主さんほか、この指とまれ~♪

準備から広報、当日の進行や片付けなど
愛農会事務局の
Karin Natsukawaさん 
北爪 佳恵 さん
Tsuboi Ryoko さんに大変お世話になりました。

ありがとうございました!!

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