柏レイソルというチームに憧れて僕はサッカーを始めました。
家の近くには沢田謙太郎選手が住んでいて、まだサッカーを習っていなかった僕は毎朝ランニングに出かけるそのお兄さんを見て憧れを抱いた。そのお兄さんが実はサッカー選手であり、柏レイソルの選手でした。僕はあのお兄さんみたいになりたいと思ってサッカーを始めました。
それから何十年と時間が過ぎて、柏レイソルはJ1リーグを史上初めて優勝しました。2011年のことです。地元は人に溢れてすごい騒ぎになりました。僕はその景色を見て一度諦めかけたサッカーをまだ諦めてはダメだと思いました。
なぜなら、その優勝の歓喜に沸く街の人を見て、選手側に立って、ピッチの中からそんな景色を見てみたいと思ったからです。
それが日本では叶わないなら世界に探しに行けばいいと本気で思った。
世界地図を広げたら日本は驚くほど小さかった。こんな小さなところでの評価で全てを終えていいのかと思った。
またまだ世界にはチャンスだらけだと思い、希望を持った。怖さよりもワクワクする気持ちが勝った。とにかく行かなきゃ話にならないと思い、世界各国を渡った。
そして、いくつかの国でのシーズンを経てたまたまネパールという国のチームが契約をしてくれた。
すると、そこには僕が見たかった景色が広がっていた。観客席だけでは物足りないからと、近所の屋根を登って観戦している人たち。発煙筒も焚かれている。
スタジアムに入る観客の様子。それはもう人の海のようだった。
以前は外からピッチ上で輝く選手たちを眺めるくらいしかなかったのに、超満員のスタジアムでプレーをさせてもらい、見たかった景色を眺めることができた。
それはいまでも本当に忘れられない光景です。
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