マタタビ、沖縄、三角コーナーのもやし

晴れ。
バイト。
夕方家に帰ると、玄関を出たとこの坂に同居している友人がしゃがんでいた。
近所の猫にマタタビを試していたそう。

先日、奄美大島周辺の接続水域を潜行していた潜水艦は、中国籍のものと公表された。
接続水域内(領海の外縁付近)で確認された潜水艦について国籍を公表するのは異例のことらしい。
河野防衛大臣は、直近の情勢を鑑みた自分の判断としている。
各地でやりたい放題の中国を牽制したいのか、自国民に危機感を持たせたいのか。
どちらもだと思うが、このような方法を取るということは、対中戦略に関して、憲法改正を間に合わせるだけの時間は外交的に確保できているということだろうか。

沖縄は今日、慰霊の日だった。
沖縄戦。
第二次大戦の終盤、連合軍と日本軍の双方に想定外の被害を与えた悲惨な戦い。
この計り知れない犠牲を経て、両軍の本土決戦のシナリオは大きく傾き、最終的には、終戦までに二発の原爆投下というさらなる痛みが伴わなければならなかった。
原爆投下は余剰だったとされるが、日本という軍国の、敵としての恐ろしさを知っていたアメリカやイギリスからすれば、日本の降伏に際し、あらゆる外交的余地を残さないことこそが、あの晴れた日の惨劇の実行理由だったのではないだろうか。
日本を潰すには、一億総玉砕(本土決戦)を許さず、天皇にまつわる精神基盤への支配に目を向ける方が合理的であったに違いない。

あるいは原爆投下には、もっとむごい真実があるかも知れないが、今の私には分からない。
ともかく、あのような(私なんかには想像もできない)地獄の風景が、もうこれ以上現れるべきでないことは確かである。
人々の心の健全さに対する不当な苦しみや痛み、憎しみが、この地上から一刻も早くなくなることを祈っている。

とか思いつつ、夕飯に肉野菜炒めを作っていると、五秒に一回フライパンからもやしが飛び出て、そのもやしを三角コーナーに放り込む度にため息をつきたい気持ちになった。
こんな容量で、いったい何ができて、何を守れるのだろう。
と、少し憂鬱な気持ちだったけれど、満腹になると多少明るい気分になった。