外出自粛中に「旅」をする理由を考えさせられた一冊の旅行記【表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬】

一人暮らしの部屋には、

本が煩雑に並べられた長机に

日替わりで変わる缶コーヒーと

スマホ、一冊のノート。

コロナによる外出自粛によって、3月末くらいから休みの日にはこの部屋で、本を読み、日経アプリやグロービスの動画をみて、思ったことをアウトプットして、ゆったり過ごす日々が流れている。

もともと性根がインドアなのか、この生活が板についている。

もちろん人と会って話したり美味しいものを食べたりしたいが、家にいるこの期間に色々インプットしてたまにアウトプットする生活は心地良いなーと思う。

そんななかでも、やはり心の中で思わず呟いてしまうのは、

「あー、旅がしたい。。」

このひとこと。

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知らない土地へ行って、初めて経験する食事、風景、場所に感銘を受けたい。20代にあのドキドキに魅了されてから、すっかり旅行が好きになった。そういえば前に付き合っていた彼女が出かけることが大好きで、国内の有名なスポットを色々回ったっけな。。

いかん、センチな文章になってしまいました笑。

人はなんで旅したくなるんだろう。

そんな思いを持ち、自粛期間に旅行記を読んでみようと思い、手にとった。

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【表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬 若林正恭著】

ご存知、お笑い芸人であるオードリーの若林さんの本。

実はM1がきっかけで知ったオードリーはレギュラーのTV番組を見るほど好きになっており、特に若林さんが書いている著作3作は全て購入して読んでいます笑。

その中で、若林さんが連休を取って夏にキューバ旅行へ行ったときの回顧録がこの旅行記になります。旅行記はその土地に行きたくなるという思いは強くなりますが、なんと言っても若林さんの語り口、思考の深さが本当に読み応えがあって、幾度となく共感できた。

キューバに行く前、若林さんは日本やアメリカといった先進国ならではの資本主義、そして【新自由主義】という考え方を勉強していた。

資本主義。競争社会。負け組、勝ち組の格差。やりがいのある仕事をして、手に入れたお金で人生を楽しみましょうというスローガン。

資本主義が悪いわけではないし、この生活があるからこそ恵まれた環境で生きている。僕も色んなことに手を出そうと、これからのキャリアをどうしていこうかを考えていたときに言われた友人からの一言、『まっちゃんはどこに行こうとしているのかわからない』。

そう僕自身、この社会人生活でこれからどうやりくりしていけばいいか行き詰まることがある。決して逃げたいわけではないし、今の生活には満足しているが、目の前だけをみて仕事する世界はたまに灰色になったりする。新しい見たこともない景色に触れて、楽しんで、体験することで視野が広がって、今の生活にも色を与えることができるのではないか。

若林さんがキューバに行った理由も、亡くなった実の父親が行きたいといっていた土地だったから、そして新自由主義の国から離れて社会主義の土地で見たこともない景色に触れて、東京に色を与えに行くためだと言っています。

ハバナ空港からホテルに向かうときの舗装されていない道路。カストロというラップに乗ってサルサを踊るキューバの聴衆。国が運営しているジャズバーに鶏同士が闘い合うキューバ闘鶏場。お洒落なバルコニーに一面青が広がるサンタマリアビーチ。暑さにやられて路地裏に寝そべっているカバーニャ要塞の野良犬。

そこには、普段の資本主義国家では見ることのできない景色が広がっている。若林さんが行った旅行は、現実逃避でも自分探しの旅でもなく、今の生活に色を与えに行くための旅。

非日常の空間を経験をすることで、今の日常へのありがたみを感じる。また、いつもと違うことをすることで新しい教養や考え方、視野を手に入れられる。

ただ毎日を過ごすのではなく、小さな非日常、変化を取り入れていく。いつも違うジュースを買う。違う道を通って行ったことない店に行ってみる。毎日20分でもいいので、新しい知識を得るために本を読む。旅行が今すぐできないのなら、毎日小さな変化や非日常を取り入れよう。そんなことを思いました。

それでもやっぱり旅行に行きたい。

学生時代、友人達と自転車で駆け回った神津島の青すぎる景色。

若林さんがキューバを回ったときの青空と重なったように感じた。


あー、やっぱり旅したいなあ。。



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