孫子の兵法を読んでみた
孫子の兵法は、2500年前に書かれた戦争の戦略、戦術のことについて書かれているベストセラー本です。
その孫子の教えを、現代のビジネスに応用して使うことが可能です。
実際に実業界では、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツやソフトバンクの孫正義、パナソニック創業者の松下幸之助など多数の実業家のバイブルとなっています。
今日はその孫子の兵法から、一部使えそうな教えをいくつか紹介します。
戦わずして相手に勝つ
孫子は、戦争はできる限り戦わずに相手を降伏させることが、最も良い手段としています。敵を打ち破ること、すなわち戦争を始めることは最後の手段なのです。
その理由は、戦争を始めれば自軍の兵もダメージを、おうことは避けられませんし、敵兵も同じです。お互いにとって勝つことが優先であっても、その後のことを考えれば降伏させるか、ダメージを最小限に抑えたほうが良いです。無傷の勝利ほど良いものはありません。
勝機の無い戦は避ける
戦は命がけです。負ければ命を落とし国を失います。
そのような状況下では、勝率の低い戦いは避けるもしくは、隠れるのが得策としています。
意地を張っても戦に負ければ命を取られるか、良くても捕虜になります、これでは自軍にとって利益はありません。
そこで戦を始めるかどうか判断するのに必要なのは、相手とのパワーバランスを吟味し、情報収集に時間をかけ判断した方が良いでしょう。
明らかに力が及ばないときは、対策を練り時間をかけ、それでも難しいと判断したら逃げることも視野に入れましょう。
戦は完全な勝利よりも早く終わらせることの方が重要
戦の長期戦は避けなければなりません。
戦が長引けば、兵は疲弊してモチベーションも失い、食糧などの物資も必要になり、国の財政にまで影響するので完全な勝利を求めてはいけません。
そもそもなんとか戦に勝っても国が困窮した状態では、その隙に他の国に攻め込まれてはどうにもなりません。
戦争が長引いて、国家に利益をもたらしたことは一度も無いようです。
人間を理解する
孫子は人間の気力についても言及しています。
人は、朝起きたときは気力がみなぎり、昼になれば気力は鈍り、さらに夜になると気力はほとんど無くなっています。
戦では、相手の気力も計算に入れて行うことを推奨しています。
加えて脳科学では、人間の脳が活発的に機能するのは基本的に『朝方』だそうです。
孫子は2500年前から、この事に気づいていました。
よって敵兵の士気が下がっている(油断している)タイミングを狙って攻撃を仕掛けるのが良いとされています。
情報収集力と判断力
相手より優位に立つためには、情報収集力と判断力が極めて重要です。
戦うタイミングを決めるのに必要な要素として、敵の真意を知ることがとても重要になります。
相手の立場になって物事を考えれば、自ずと相手の目的や、行動がわかってきます。
そして相手の目的がわかると戦略が立てやすく勝率をあげることができます。
孫子の兵法は労力を最小限にして勝利を得る戦術に重点が置かれています。
精神論は無意味
孫子は、気合いと根性では戦に勝てないと言っています。
重要なのは何度も言っていますが情報です。
まずは戦地の広さや距離などの地形を知り、それを測ります。(度、量、数、称、勝)
度、量、数、称は様々な方法で地形を図ること、そして最後の勝は勝敗を測ることです。
現代と2500年前も戦略を立てるのに必要とされてきたのは、正確な数値です。
孫子の時代は、地形の数値で自軍の配置などを決めて、それに合わせた戦略を行っていました。
要するに、戦に勝つには様々な要素(情報や数値)を集め、比較して勝利の可能性を見極めておけば、戦が始まる前から勝敗は決まっているのです。
決して精神論では勝てないのです。
自軍を追い込む
孫子は自軍を全滅の危機に追い込むことで、兵たちが生死を意識して誰もが本気になり限界以上の力を発揮すると言っています。
ここで誤解しないように、実際に自軍を追い込むのではなく、追い込まれたような感覚を持たせることが必要なのです。
もちろん追い込まれず戦に勝利することは、後々の利益にも繋がるので良いことです。
これは少し乱暴な戦術ではありますが、人は生死を意識し始めると想像以上の力を発揮するのでしょう。
相手にも情けを
これは先述した兵士を追い込む事を自軍に行いましたが、もしこの『追い込む』を敵軍に行った場合、敵軍は同じように生死を意識して、想像以上の力で反撃して自軍にダメージを与え、その代償は大きく後の戦いに響きます。
勝利を確信したときには、敵軍には必ず逃げ道を与え、決して全滅させてはいけません。
孫子の兵法では、極力労力を使わず、ダメージも最小に抑えて勝利することが推奨されてます。
スパイを雇うことの重要性
孫子は、情報収集をかなり重要な位置付けとしていました。
そして、それを自ら雇った5種類のスパイに行わせていました。簡単に解説します。
郷間(きょうかん)報酬を約束して雇った敵地の住人
内間(ないかん)敵の重要情報をもたらす重鎮
反間(はんかん)買収で寝返らせた敵のスパイ
死間(しかん)嘘の情報を敵にあたえるスパイ
生間(せいかん)敵地で情報を得て生還した者
報酬をケチらない
リーダーの条件として、孫子はスパイにはそれなりの報酬を与えなければならないと言っています。
スパイの情報が国家の存亡を左右する要因になるのは間違いありませんし、中途半端な報酬で自軍が無残にも倒れていくことも好ましくありません。
孫子は、スパイに対して報酬をケチるのはリーダーとして失格と言っています。
有力な情報は大金を叩いても手に入れましょう。
相手を騙し、手の内を見せない
孫子は戦に一番似合わない言葉は、正々堂々と言っています。
戦いとは騙しあいなのです。
自軍の実力を決して見せてはいけないし、手の内も伏せておき、欲しいものはいらないように振る舞い、強い敵からは逃げて、挑発して敵をかき乱し隙をついて一気に攻め込む、極め付けには相手の欠点を攻め不意をつき勝利を手にするよう言っています。
勢いは重要な要素の一つ
孫子は勝利とは個々の能力に求めるのではなく戦中の勢いに求めるとしています。
『勢い』を孫子は川の流れで表します。川の流れは一度勢いがつくと容赦無く砂や石などを一瞬で動かしてしまうあの『勢い』です。
孫子は、この勢いをつけるには、自軍の兵士を鼓舞し、兵士を戦いやすい状況に置いて力を発揮させ勝利を掴みその士気と勢いで、次の戦に挑むと言っています。
最後に
孫子の兵法の内容を少しだけ紹介しました。あなたのビジネスや何か新しい事を学習中の方にも、孫氏の教えから何かヒントを得ることができたのではないでしょうか!?
もっと孫子の兵法について知りたい方は一度読んでみてください。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?