人がホンネを話せない理由【準備編】
こんにちは!プロコーチの谷本拓也です。
私は元・公安警察としてスパイの取締りや人的情報収集(ヒューミント)を行ってきた経験を活かして、現在は人の強みや魅力、課題や悩みなどを引き出すことで目標達成をサポートするプロのメンタルコーチとして活動しております。
今回は『人がホンネを話せない理由』というテーマです。
私の周り、特に同年代(30代後半)では職場で管理職となり、部下を持つ人が最近増えてきたなぁと感じております。
その中で皆さん共通して持っておられる悩みが
「部下のホンネがわからない」
「部下が何を考えているかわからない」
「面談でどう話していいかわからない」
など、職場での人間関係。もっというと職場での部下や、経営者であれば従業員との関係性づくりに課題を抱えてらっしゃる方が多いなぁという印象です。
ですので今回はそんな職場での部下との関係性のつくり方について触れつつ、どうして部下があなたにホンネを話してくれないのかについて説明していきます。
この記事はこんな人に向けて書いています。
ホンネを話せない理由がある
結論から言うと、人からホンネを話してもらうには、相手に好きになってもらい、信頼される術を身につける必要があります。
当然ですが人があまり外には出したくない自分の気持ちや考えなので、話すにしても人は選びます。そこには絶対他者には口外しないという信頼もそうですし、否定しないという安心感も必要です。
「口外はしないし、否定もしないとちゃんと伝えてますよ!」
そう思う方もいると思いますが、人は言っていることではなく、やっていることで判断します。
あなたがどれだけ「口外しない」「否定しない」と言っても、その言葉に説得力を持たせるだけの材料がなければ、人は心を開きません。
ホンネを話してもらえない人
皆さんにとって「ホンネを話したくない人」ってどんな人でしょうか?
例えば上記のような人にホンネって話せますか??自分が秘密にしておきたい話、自分の人生を左右する大切な話を、保秘ができてなかったり、聞く態度がなってない人に話したいとは思えないですよね。
つまり人から話を聞く前に、パーソナルスペースという相手の土俵に立つ資格すら持てていないのが上記のような人です。
人から情報を引き出そうというスパイは、話を聞き出すテクニック以前に人としてのあり方を徹底します。もっと言えば究極の人たらしであることが求められます。
ホンネが話しづらい社会背景
元FBI捜査官が、自身が教授を務める大学においてとある実験をしました。
それが学生を向かい合わせに座らせて「5分間なんでもいいから目の前の人と好きに話してほしい」というもの。
学生たちは「何を話せばいいのかわからない」と言って、目の前の人と一向に対話をすることができませんでした。
そこで今度は同じ学生たちを背中合わせに座らせて、携帯電話のメールでやりとりするよう指示を出しました。
するとこの学生たちは先ほどとはうってかわって問題なくコミュニケーションをとることができたのです。
このようにメールやSNSなどでやりとりすることが一般化した現代において、直接面と向かって自分の気持ちを伝えることが苦手な人も増えているのが現状。
すべてのコミュニケーションがこれまでの「対面式」で成立するわけではなく、時にメールやチャットなどでコミュニケーションをとるほうが、ホンネや素直な気持ちを曝け出しやすい人もいるので、特定の価値観に縛られることなく柔軟に対応していくことが、今のリーダー層には求められています。
ホンネを話しやすい環境とは?
人は「誰と話すか」と同じくらい「どこで話すか」という環境にも影響されます。
僕であれば前職の警察官時代は上司との個別面談を取調室でされたこともありました。当然、心理的な圧迫は感じますし、何より怖いですよね(笑)
こういうのは意外と多くて、周りの声が気にならないところといって、平気で会社の倉庫や使われていない暗い部屋で面談をする人もいます。当然それではホンネを引き出すことはできません。
話を聞きたい相手の性格や、聞きたい内容なども考えて場所を選ぶことが大切で、特に配置にも気を遣った方がいいです。お勧めは横並び、もしくはL字型に座ることです。
このあたり詳しくはこちらの記事に書いてありますので、ご興味のある方は一度読んでみてください。
ホンネを話してもらえる関係性づくり
ここからはいよいよホンネを話してもらえるよう、普段からどういったことに気をつけながら部下や社員と関係性を築いていけばいいのかについて、お話します。
ポイントはいろいろありますが、ここでは以下の3つを紹介します。
好意シグナルを送る
自己開示をする
相手を会話の主役にする
それでは1つずつ見ていきましょう。
【好意シグナルを送る】
これは簡単に言うと「私はあなたの敵じゃないですよ」という合図を送ることで、もっとも代表的なものでいうと笑顔です。
笑顔は相手に安心感を与えたり警戒心を解くこと以外に、「あなたのことを受け入れます」という受容の意味も含まれているそうです。
普段から難しい顔している人よりも、自分に対して微笑んでくれたり、笑顔であいさつしてくれる人に好感を抱くのは、当然ですよね。
ちなみに、笑顔を見せるときに少し顔を傾けてあげると、より相手の警戒心を解きやすいそうです。
人の首には頸動脈があって、この頸動脈って切られると即死するほど人にとって急所になります。後ろで急に大きな物音がしたり、驚かされたりするととっさに首をすくめますよね?あれは人間が本能的に頸動脈を守ろうとしていると言われています。
その急所をあえて見せることで、心を許しているというアピールができるわけです。
【自己開示をする】
これはコミュニケーション術の本や記事などにもよく書かれていますよね。相手の情報が知りたかったら、まずは自分から提示していくことが大切だと。
ただし、僕のクライアントにもよく「私が自己開示しても、相手は心を開いてくれない」「逆に距離が開いた気がする」と言われる方がいます。ここには大きな落とし穴が実はあって・・・
この図のA、Bどちらの人が信用できますか??
Aは「僕は敵じゃないよ」と両手を上げ、ポケットの中身もすべて見せる人。Bは「僕は敵じゃないよ」と着ている服まですべて脱ぎ始める人。
Bのほうが丸腰ですが、いきなりここまでオープンにされると逆に怪しくないですか??実はコミュニケーションにおける自己開示にも同じようなことが起きていて、いきなり自分のヘビーな過去を語り始めたり、会社の財務や負債に至るまで、いきなり開示しすぎると、かえって人は「この人、大丈夫かな」と勘ぐります。
自己開示というのは互いににそれぞれ見合った内容のものを交互に提示していくのが鉄則だと、僕は思っています。トランプの大富豪の理論ですね。(伝わりますかね?笑)
いきなり手持ちのカードをすべて相手に見せるのではなく、あなたが相手から得たい情報の大きさに見合ったものを開示していくというスタンスでいけば、このような事態にはなりません。
【相手を会話の主役にする】
人は元来「世界は自分中心にまわっている」と思っており、聞き手よりも話し手でありたいと感じています。ですので会話においてもまずは相手を主役にしてあげることが大切です。
例えば朝、会社に出社した際に、表情を見て一言「いつもより表情が明るいね!なんかいいことあった?」と声をかけてあげることで、会話の主役を相手に譲ることができ、気持ちよく自分の話をすることができます。
また「いつもより」を伝えることで、相手からしても「この人はいつも私のことを気にかけてくれている」と感じ、あなたへの信頼が無意識に強くなっていきます。
まとめ
ホンネを話してもらうには、あなたが「ホンネを話したくなる人」である必要があります。そしてそのためには日頃の言動や小さな心配りが、あなたの信用を高め、こちらから聞かなくても「ちょっと聞いてもらってもいいですか?」と相手からホンネを話してくれるようになるのです。
相手に信頼してもらいたければ、相手を信頼する。
相手にホンネを話してもらいたければ、あなたもホンネで接する。
この当たり前を日々、できているかが、もっとも大切なことです。
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