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学校事務職員(だ)から見える学校の実情【電話対応編】

学校の事に興味を持ってくれてありがとうございます。

他校の校長先生から「爽やかな電話対応ですね。」とお褒めの言葉をいただくときがたまにあるのですが、「(自分の学校の)〇〇校長のご指導の賜物です。」という返しをデフォルトにしている学校事務職員のタクトです。

先日、僕のお世話になった大先輩からお話を聞く機会があり、その時に「毎日の仕事こそが研修」ということを仰っていました。(その人のオリジナルかは知らんけど。)

それを聞いたときに、電話対応こそ、めっちゃそうだよなぁ思いました。

なぜかと言うと、たった一本の電話を受けるだけでも、色々な判断や情報が求められたりします。(と僕は思ってます。)

例えば、昨日掛かってきた電話の場合。

(外線から着信。)
プルルルー、プルルルー。
#プルルルー言いたいだけ

僕:「こんにちは!〇〇小学校の事務の村松です!」
#めっちゃ元気に出るやつ

相手:「すみません、〇年生の終わりの時間って何時ですか?」


この時点で、確認しなきゃいけないことがいくつか頭に浮かびます。

まず、「終わりの時間」と言ってるけど何を知りたいのの確認。授業の終了時刻なのか、下校時刻なのか。

次に、その確認方法と相手への伝え方。
下校時刻なのであれば、月別に発行されてる下校時刻一覧を確認。

でも、今日だけイレギュラーで変更されていることもあったりします。高学年になると、委員会活動や部活動の関係で、一部の児童だけ遅くなる事もあるのでそこにも注意。


なのでその日の学校の予定をチラ見して、必要に応じて、職員室にいる学年の先生や主幹教諭などにも確認。職員ネットワークにある「日報」に下校時刻の変更に関する情報が乗っていないか確認するときもあります。

 ちなみに、もし電話の際にすでに下校時刻を過ぎている場合は、子供が帰って来ていないので学校に電話をしたという可能性や、そうでなくても保護者の方が帰宅を確認できていなければ「児童が所在不明」となり対応が迫られる場合もあるので、その後の対応も必要になったりまします。
生徒指導か何かで数名だけ少し遅く帰したということもあるので、早急に担任への伝達&確認が必要です。

・・・と、ここまで書きましたが、今回の例だと、これらの対応前に相手に聞くことがあったりします。

僕:「失礼ですが、本校の保護者の方で(よかった)でしょうか?」 

相手が名乗らなかった場合は、最初にその内容を伝えてしまって大丈夫な人か(今回で言うと保護者かどうか)を確認する必要があります。

学校は子供たちに関する様々な情報を持っています。  
基本的には、相手の立場(保護者であるかどうか)で伝えられる内容が変わります。
下校時刻もその一つです。
実際、下校時刻が不特定多数に知られては宜しくないということで、ホームページに載せている学校便りには裏面の下校時刻一覧が無いものでアップしていたりします。 

で、保護者ということであれば、念の為に、クラスと児童名フルネームを確認して、在籍児童かチェックします。(前に卒業後の中学校と間違えて電話が来たこととかありました笑)

さらに言うと、家族であっても離婚しててお父さんには知られちゃいけない・・・みたいなパターンもあるので、そこらへんの確認も注意が必要です。

今ザッと書き出してみましたが、さらに質問があったり、別の要件だったりした場合は、それぞれ対応が変わります。

折り返しの電話が必要なこともあるでしょう。

そしたら、児童名と“折り返しの”連絡先を確認します。

少ないですが、児童名は同じ名前や似通った名前の子もいます。保護者が学年や組を間違えて伝えてくることもあるので注意です。
(組はそもそも覚えてない保護者たくさんいるし、学年は4月とかだと昨年度の学年を言ってしまったり。)


ここまで思いつくままに書き出しましたが、電話一本受けるだけで、結構色々な配慮と情報が必要です。
 
僕ら学校事務職員は、コールセンターの方々のように電話対応を専門で仕事してる方に比べたら、それは技術も配慮もまだまだだとは思います。
#コールセンターの方々のお仕事見ていつも勉強させてもらってます


でも、学校事務職員にとって“片手間の仕事”(悪い意味でなく、職務上規定されていないという意味。)の一つとして存在する電話対応を、片手間ながらも、「これ結構重要な対応(仕事)じゃねーか」と思いながら、様々な配慮に頭を悩ませながら(時には心を削りながら)やっているのが多くの学校事務職員だと思います。


学校に務めていて色々な保護者や地域に関わってきて思うのが、保護者対応や地域対応って本当にファーストコンタクトがめちゃくちゃ大切で、窓口でも電話でも最初の対応で、その方を、積極的に学校へ関わってくれる協力者として扱えるのか、それともクレーマーとして扱うことになっちゃうのかが決まったりもします。

いくら、「子どものことだったら担任に代わればいいから。」、「地域住民からのクレームだったら教頭先生が対応するから。」と言われても、ドライに、「おれどうせ関係ねーから」と電話対応できる学校事務職員なんてほぼいないはず。
#もちろん先生たちも


学校における電話対応って、学校体制としてマニュアル化されてることもなくて、そのときそのときの対応する職員の意識や配慮任せなとこが大きい気がします。
保護者・地域の文化や学級の落ち着き具合、管理職の考え、学校によって対応が大きく変わってきたりするので、難しいところではあると思うのですが。
でも、だからと言って電話対応の善し悪しがあまりにも属人的になっちゃってる現状はちょっとみんなで考えた方がよいのかなぁと思っています。

長くなっちゃったので、このへんで。

電話対応は色々と思うことがあるので、また書かせてください。

学校現場からは以上でーす。



 




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