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不可能を可能にするコミュニティの価値

挑戦を支える全国各地の皆様に光を当てるSupporter Interview。今回のインタビュー対象は経営戦略室として全社横断のプロジェクト推進を進めつつ、九州エリアを中心にアントレプレナーコミュニティを手掛けられる中村 武さん。社内の新規事業に手を挙げるべくスタートアップの場に飛び込んだ経緯から、支援者として活躍するストーリーについてお伺いしました。


── 中村さんの現在の取り組みについてお聞かせください。

株式会社ゼンリン、多くの人にとっては地図で有名な会社にて経営戦略室に務めています。全社を俯瞰した立場で捉え、全社横断のプロジェクトを手掛けさせていただいています。


── 全社横断とは壮大ですね。

経営戦略というと会議室の中に籠ってひたすら資料と睨めっこしている、また会社の花形のイメージをお持ちの方もいらっしゃるかと思うのですが、全く逆で一部署だけでは何もできないところなんです。会社の成長に向け一つの部署だけでは実現できない大きなプロジェクトを進められるよう、社内の様々なステークホルダーと密にコミュニケーションを取って連携していく、そんな泥臭いお仕事です。


── 黒子として準備や仕掛けをされていらっしゃるのですね。アイデアをカタチにする場にしても企画運営といった裏方も多々手掛けられていますが、元々そういった取り組みに強い興味関心のお持ちだったのでしょうか。

いえ、実は全然そんな風に思っていなかったんです(笑)思い返せば2019年にStartupWeekend(以下SW)に参加したのですが、その時は社内の新規事業コンペに出場するための学びを手に入れるために赴いたんですね。


── 新規事業コンペのためにSW。

そうです。無事にアイデアを練り上げて社内の審査は通過したものの、その後に「事業計画書に落とし込んで提出してください」とお達しがあったんですね。その際に、アイデアをどうやって事業に落とし込んでいけばいいのか全く分からなかったんです。そんな時、いろいろと調べてみたら北九州のコワーキングスペースでSWが開催されていて、これは行くしかない、と思ったわけです(笑)


── そこで面白いのは、それで学びを得て社内に持ち帰って終わらなかったことだと自分は感じています。そのままプレイヤーとして社内でひたすらに新規事業をひたすら提案する未来もあったかと思うのですが、どうして支援する側に回られようと思ったのでしょうか。

最初は実は、特に何も考えていなかったんです。当時の運営メンバーから「一緒に運営をしてみませんか?」と声を掛けてもらって、なんだか面白そうだったのでジョインしたんです(笑)

門司港で運営側に回って場を手掛けられている中村さん


── そして支える側の魅力に気付いたと。

そうです。運営に回ることでプレイヤーとして参加していた時は異なる気付き学びも得られたんです。「アイデアってこうやってカタチになっていくんだ」「事業が始まる時に大切なものはこれなんだ」と運営側に回って場を俯瞰するようになってからは理解が深まりました。


── 他にはどんなところに惹かれました?

参加してくださった皆様が本当に生き生きとした表情で、心の底から楽しんでいる姿ですね。挑戦したいことがある。変えたいことがある。そんな想いを持つ人たちが突っ走っている様子を見ていると、やって良かったなと思えるんです。同時に、不安を抱えながらもやってきたりとか、また誰かに誘われてやってきた皆様も、この場を通じてマインドチェンジを果たしていくところに触れられるのも魅力の一つです。


── きっかけやチャンスを届けられるところに喜びを感じていらっしゃるのですね。その想いの背景や原点となるエピソードを何かお持ちでしょうか?

自分が田舎で生まれ育ったのが大きいかなと思っています。実は自分の故郷は長崎県の諫早市で、一日に電車が四本しかない、もちろん駅は無人駅、といったような地域でした。当時の子供目線では職業は公務員か土木しかないんと勝手に勘違いしてしまうぐらい、狭く小さなコミュニティだったんです。もし自分がその地域から一度でも出ていなければ、20代になった時や30代になった時、こんな新しいことを始めたい、挑戦したい、といった風に夢を描くことすらなかったと思うんです。


── 外の世界を知らずに育つ場所であったと。

そうです。自分はいろんなものに偶然にも触れることが出来た。そんな経験を自分が持っているからこそ、地域で生きる若手にきっかけを届けられたら。コミュニティに入ってもらっていろんな人と出会い、経験を得て、そして世界にはいろんなチャンスがあるんだよと知って欲しいんです。


──  外の世界への入口を中村さんは届けていらっしゃるんですね。他にはコミュニティはどんな価値を持っているとお考えですか?

月並みな言葉かもしれませんが、「一人では出来ないことも、みんなで力を併せれば出来るようになるよ」ということです。やっぱり何か新しいことを始めようとすると、自分の力だけじゃなんにも出来ないなって誰しもが気付くんです。そして一人ぼっちで取り組み続けているとそこで折れて終わってしまう。けれどもコミュニティがあれば、「みんなと一緒なら出来るかもしれない」に変わっていく。不可能を可能にすることがコミュニティの価値だと僕は感じています。

みんなと一緒に不可能を可能する場を指揮する中村さん


──  そんなコミュニティを作り育てていくコツはありますか?

「軸をズラす」ことを心掛けています。


──  「軸をズラす」とは?

続きは下記よりご覧ください。


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