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業務変革への抵抗する人たちも悪ではない【抵抗勢力との向き合い方】


はじめに

こんにちわ、データサイエンスをやっているなかなです。

データサイエンスを生かして業務の効率化を行おうとすると、 仕事のやり方を変えないといけない人たちがどうしても出てきます。そういう人たちは業務の変革に対して反対してくる場合が多い。

まあそれもそうですよね。なんで変えるのか、変えた時のメリットがその人にとってどのくらいあるのか、その辺を十分に理解しないと仕事を変えるって言うのは結構大変なもんです。

というわけでデータサイエンスをやる人にとって、 仕事の変革業務の導入というのは必要スキルの一つとなります。そこで今回は 榊巻 亮 著「抵抗勢力との向き合い方」を紹介します。

抵抗勢力との向き合い方、 と書くとなんだか過激なタイトルに見えますね。しかし内容を見てみると、いかに業務変革を導入しているか、 予想される反対意見のレベルなどを具体的に解説しています。

この本は、変革プロジェクトを推進する立場にあるプロジェクトリーダー向けとされています。

大きな権限をを持ってる人であれば無理やり導入するようなこともできるのですが、そうでない人にとってはある程度周りに説明して、理解してもらって協力してもらう必要があります。 実際は、偉い人でも、無理やり導入しては未来がないので協力してもらう必要があるんですけどね。

本書で最も大事にされているのは、 隠れた抵抗を見逃しているから急に反対されたと感じることになる、という主張です。 抵抗の段階をしっかり理解して、 抱えた抵抗を見逃さないようにすれば、大きな反対を受けることも減るとしています。

では具体的に、どのような反対意見のレベルあるのか、それに対してどのように対応していくのが良いのかを 紹介していきたいと思います。

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こんな人におすすめ

・小さなことでも業務変革が好きな人
・周りに保守的な人が多い人


抵抗を理解する

一般に抵抗って言うとなんだか悪いイメージがありますよね。しかし実際に抵抗は悪いことではないとこの本では言っています。

それもそのはずで抵抗起こしている人もその人なりの正義があって、 そのような行動に立ってることが多い。 一番多い理由が業務変革を起こすことによる部下の負担の増加のようです。

またそもそも人間というのは変化を嫌がる生き物。 現状維持バイアスや、保有効果などで現在持っているものを変えるというのは相当なエネルギーが要るもの。

なのでまずは、抵抗は必ず起きるものだと思って考えることが大事。必ず起こるものだと分かっていれば感情的にならずに、冷静に対処することができるようになるはず。

この本では、抵抗が起きるステージを立ち上げ期、計画策定期、施策策定期、の三つに分けています。プロジェクトのステージが変わっていくにつれ、表面化してくる傾向の種類も変わってくる。そのそれぞれに正しい対応することが求められます。

実際に抵抗が現れて大変なのは計画策定期からの抵抗。なのでこの記事では計画策定期と、施策策定期の抵抗について紹介します。

計画策定期の抵抗

計画策定期になると、プロジェクトメンバーだけでなくプロジェクトにゆるーく関わってる人たちも増えてくる。そういう人達の中には、水面下でどうせ今回も変わらないんじゃないのとか時間取られてめんどくさいなあといったもやもやとした気持ちを持っている人タッチがいる。

この本ではこういう人たちのことを「隠れた抵抗」と呼んでいる。この隠れた抵抗に対する対処こそがめちゃくちゃ重要。 しかしこの抵抗は表面に現れないので、野放しにされてしまうことが結構ある。

プロジェクトの成功率っていうのはガクっと下がってしまう。気をつけないといけないですね。

そもそも抵抗というのは4段階あるとこの本では説明されています。

レベル1:もやもや、違和感を抱いている人
レベル2:まっとうな指摘をしてくれる人
レベル3:何が何でも反対してくる人
レベル4:潰しにかかってくる人

このように分類してくれると結構スッキリしますね。多くの人がレベル1のモヤモヤを抱いたままプロジェクトに参加しているって言う姿は結構ありがちな気がします。

レベル2くらいの真っ当な指摘をしてくれる人は、 意見を言ってくれるのでどういうことを考えて何で反対なのかっていうのはわかる。ただしレベル1の人がもやもやを自分で抱いているだけなので、その何で反対しているのかっていうのは表面化してこない。

だからこそこのレベル1の人たちの意見をすくい上げてモヤモヤをなくすことがかなり難しい。では、どうやってこのレベル1の人達に納得感をもってプロジェクトに参加してもらえばいいのでしょうか。

大まかに言ってコミュニケーションをとる方法は二つあります。 一つは会議などのオフィシャルな場、そしてもう一つが会議が終わった直後などのある程度カジュアルな場です。この二つを使い分けてレベル1の人たちの意見を汲み取っていくことが必要。

例えば会議中なので明示的に意見を言ってもらう場を作る、 会議中になんとなくモヤモヤとしてそうな人がいたら会議が終わった後にどういう風に思ったなど話しかける、コアとなるプロジェクトメンバー全員がメールで振り返りを行うなど。

そしてこのレベル1の人たちと話し合う時に最も重要なのが説得しようとしないこと。 この説得しないっていうのは、 いろんな自己啓発本で言われていることですね。しかしこれを実践するっていうのは本当に難しい。自分の意見を言っちゃいけないってことですからね。

かわりに、 とにかく共感することが大事です。また状況が共有されていないことがモヤモヤにつながっている可能性もあるので、 そのモヤモヤの原因についてしっかり状況を共有するそういったことを意識すると良さそうです。

自分もよく意識していることは、「 極力相手の言ってくれたことに乗っかる」ということです。実際どっちの手法でもあまり問題がない場合は、言ってくれた意見を尊重して、 その意見を取り入れる。そういったことをすると意見を言ったがもうどんどん意見を言ってくれるようになるんじゃないかなあと個人的には思っている実践しています。

施策策定期の抵抗

施策策定期にもっとも問題となってくるのがサボタージュです。実行してくれない人達にどういうふうに対応していけばいいのでしょうか。

サボタージュの原因は

「頭」:何をやればいいのか、理解できていない
「心」:メリットが理解できていない、やらなくても困らない
「体」:時間が足りない

の三つに起因しているとしています。この中でもっとも問題なのが心に起因するサボりです。

そんな心の問題に対する対応で一番重要なのはやって欲しいことだけではなく、何でやる必要があるのかを必ずセットで説明する。 まあこれは当たり前ですよね。自分も何か仕事が振られた時にその理由を説明してくれなかったらまぁ正直絶対にサボります。 ていうか現実にサボっています。説明しない方が悪い。

これはちょっと愚痴になってしまうんですが、言えばやると思っているおじさんが結構多い気がするんですよね。 会社でもやれって言われたってやらない人なんて山ほどいます。まあ自分とか。特にこれからの時代は個人主義なのでそういった人たちはどんどん増えてくるだろうと、 自分は考えています。

言われたことをやらない何でサラリーマン失格だ、何ていうことを自分も言われたことがありますが、言われたことを意義もわからずにやるなんて、ビジネスパーソン失格かな、とすら思っていますね。

終わりに

自分は結構変化が好きなタイプなので、 変革の提案をしてきたことは まあまああるほうです。

特に思うのがこれからは言われたからやるという人たちはどんどん減っていくということ。 みんながある程度の納得感を持ってメリットを理解しないと実行できない、そんな組織が増えていくと思います。

おそらくその理由は、経済の停滞が理由でしょう。昔経済が発展している時は正直何をやったとしても、 効果が出ていたんじゃないですかね。 だからある程度個人的に反対だったとしても、とりあえず従っていれば効果が出る。そんなふうに考えてプロジェクトに参加していたんじゃないでしょうか。

しかし今現在は日本の経済が停滞していて、よっぽど上手くやらない限り成功と呼ばれるようなプロジェクトは生まれないんでしょう。 なので皆が無力感をもって、どうせ成功しないからやる気出ないなあ、などと考えるようになってしまっている気がします。

この無力感から解放されるためには、個人のメリットをしっかり説明すること、 このプロジェクトはなんだかうまくいきそうだなーってみんなに思わせること。 こんなことが重要になって言ってるんじゃないかと思います。


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