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バンドマンは高い楽器の聴き分けできんの?タッピングは?あれは何がしたいの?

『タッピング』

ギターの演奏技法の一種である。かき鳴らすでもなく、爪弾くでもなく、「打つべし!」と真上から指板へと指先を衝突させて発音する。

この動作をアホの子のように繰り返すと、通常では不可能な高音まで鳴らすことができる上に、音色自体もアタッキーでクリスピーになる。

タッピングの歴史は古く、戦前にはジャズ・ギタリストなんかが一部やっていたり、ディープパープルの人は「60年代に一度だけ見たことがある……」と「UFOでも見たんか?」と言いたくなるような証言を残している。

司馬遼太郎が京都の老人に取材をしたとき、老人は「沖田総司に遊んでもらった」「坂本龍馬を見たことある」などと言っていたらしいが、それに似ている。ちなみに僕は嘘だと思っている。

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このタッピングから派生した「両手タッピング」は左手も使って叩く。使用人口は壊滅的に少ない。左手でベース音、右手で高音を鳴らしていく。
右手からは鉄琴のような冷たい音色、左手からはギター特有のあったかい音を出せる。

最初は遊びでやっていたが、僕はもう10年近くこの弾き方を多用している。これをやりながら歌を乗っけていくようにまでなった。

しかし音楽はサウンドオカルトの連続である。
「音が冷たい?あったかい?なにそれ温度計でもあんの?」と言いたくなるかと思う。

たしかにバンドマンは「いい音」という抽象概念に取り憑かれ、数十万円のローンを組んでしまう悲しい生き物だ。なぜ楽器ローンに限って、社会的信用ゼロのフリーターの出来損ないでも組めるのだろう。

ちなみにオカルト最有力のギターをつなぐ線(『シールド』というカッコいい呼び方がある)は1000円から数万円するものまである。

じゃあ「音の違いって分かるか?」と聞かれたら正直分からない。

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足で踏んづけて音を変えるエフェクターという機材がある(黄色いやつ)

これは「チャリーン」という音を「ギャー!」と汚くするおもちゃだ。他にも「ボワーン」とエコーみたいにするのもある(なぜか色は青系の寒色であることが多い。)

この「ギャー!」と「ボワーン」なのだが、これまたいろんなメーカーが1000円から数万円するものを作っている。
※下記すべて『ギャー』だ。それぞれ違う『ギャー』になる。

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僕はNHKで演奏したことがあるが、1000円のエフェクターを持っていった。金がなかったのだ。
偶然スタジオに居合わせたプロデューサーの方が「ZAZEN BOYZを彷彿とさせる音だね……!」と声をかけてくれた。苦笑いしかできなかった。

ギター本体も5000円から数百万円するものまであるが、音質の違いは金額ほどは分からない。
チューニングが狂いやすいとか、作りが粗くて手がイテテテっとなったりはするが、『1000円VS100万円』の聴き比べを当てられる気はしない。

ギターには種類もいっぱいあるのだが、最終的に『ギャー』や『ボワーン』になるので分からなくなる。

種類が変われば音が変わる。これも分かるは分かるが【すき家/松屋/吉野家】ぐらいの違いしかない。カップヌードルとシーフードヌードルほどの大きい差はない。バンド全体で聴いたらまず分からない。

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音は「サイン波」の集合体だ(心電図のピーという音)そして空気を振動させて聴覚で感知する。
つまり『1000円VS100万円』のクオリティは確実に違うのだ。ただ僕は聴覚がバカなので分からない。

そんな僕でも分かり、外から見て分かんなさそうなものが『フレットのデカさ』だ。これは絶対に違う。
なぜかと言うと、そもそもの演奏難度が下がるのだ。つまようじ二本で牛丼食べるのと、箸二本で食べるのぐらい違う。

「は?フレットのデカさとかそれこそ関係なくない?」とお思いだろうが、これは僕が両手タッピングを多用するからだろう。

フレットはステンレス製のジャンボサイズにしている。

ステンレス(錆びない鉄)は、宇宙開発に使われるほどに頑丈なので削れにくい。両手タッピングは上から思いきり叩きまくるので、単純にニッケル製だとすぐに寿命が来る。

そしてサイズ。マジでデカい方がいい。押さえるとき半分のパワーで済む。あとデカイ方が見やすい。
※見比べるとフレットの大きさってけっこう違う。

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アルカラというバンドのボーカル稲村さんに「もうピアノ弾いたらええやん」とアイデンティティを破壊されたことがあるが、残念ながらピアノは弾けない。



 



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