クスリのススメ2
16歳ぐらいから不眠症だった。不安や不満や怒りで目が冴えてしまうのだ。
今もたまに眠れなくなるが、むかしは2万倍寝つきが悪かった。
「睡眠が強い」は強き者の特徴だ。バイオリズムを司る睡眠がコントロール不能になっていると、諸々弊害が出る。
僕は弱き者ゆえに、睡眠剤と抗うつ薬を飲むようになった。これを遊びで多量摂取したり、酒で回すようになるまで、そう時間はかからなかった。
外国ではヴェイリアム、リブリアム、ミルタウンといった薬を使って「トランキライザーパーティ」みたいなことをやるのが流行った時期もあるらしい。50,60年代のことだ。
ところが僕場合、自分一人で効用を発見し、誰とつるむでもなく一人で中毒者になっていた。
「ラリパッパ 」という言葉があったそうだが、それに近かったのかもしれない。
朝から錠剤をガリガリかじっていると、目がトロンとなってろれつが回らなくなってくる。「ダ、ダットウは、いからい(学校は行かない)」とか言うと、親には「人間離れしている」と言われた。
そして動作がトロくなって錯誤が増えてくる。
タバコにちゃんと火がつけられなくなったり、コーヒーに塩を振ったりするようになる。もちろん歩けなくなったりする。
はた迷惑ではある。しかし、多少狂っているくらい何だというのだ。
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