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「詩羽のいる街」が面白かった。

シイハと読みます。

あらすじ

あなたが幸せじゃないから―—―マンガ家志望の僕は、公園で出会った女性にいきなり1日デートに誘われた。確かにいっこうに芽が出る気配がない毎日だけど……。彼女の名前は詩羽。他人に親切にするのが仕事、と言う彼女に連れ出された街で僕が見た光景は、まさに奇跡と言えるものだった! 詩羽とかかわる人々や街が、次々と笑顔で繋がっていく。まるで魔法のように―――幸せを創造する詩羽を巡る奇跡と感動の物語。解説・有川浩

本書・背表紙

感想

山本弘さんの作品は、以前に「プロジェクトぴあの」を読んだことがあります。それがすこぶる面白かったので同じ作者の本を手に取りました。
そして、読んでよかった。この作品も面白かったです。山本さんの作品は読み終わった後に前向きな気持ちになれるので好きです。
物語の中心となる詩羽は、親切をすることが仕事でお金を持たない女性。それが第三者の目線から語られていて、最初は「そんなことある?」と困惑しましたが、段々と、それこそ詩羽の考えと同じように論理的に納得していきました。一見現実にはあり得なさそうな設定ですが、その存在を信じてみたい。詩羽のような女性に会いたいと思わせてくれる不思議な作品です。また、創作する人たちのの心情が多く描かれるためそこも興味深かったです。みんな同じ人間なんだなと。
四つの短編でこの作品が成り立っているのですが、最後の章でいままでの登場人物や作中の作品が集約されていく流れはやっぱり熱いです。こういう大団円はいいですよね。ちょこちょこ入るSFネタにも愛を感じます。
入口こそ荒唐無稽に思えるかもしれませんが、万人にオススメできる作品です。ぜひ探してみてください。


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読書感想文

小説、漫画、映画、アニメを順繰りと。創作物が好きです。文章書くの下手なんで、上手くなるために書いていこうかと。なるべく素直でいようと思います。