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嫌いな雨を、愛する方法。

現実で対面する雨の世界は、
likeとhateを行き来する。


傘をさしながら、
街々を歩き回る。

カメラを構えて、
とても拘束された環境で、
僕の世界を探す。

知らない街で、FUJIFILMのカメラにレンズを3つ。
お気に入りの35mmの単焦点に、広く気づかないところまで映し出す14mm、そして、街そのものを映す23mm.

路地で雨を避ける。

ロンドンでも感じたことだけれど、
この照り返しが美しい。


雨が強くなる。

その場所に、その生活がある。

父親が迎えに来た。


何を話すのだろうか。

傘からは見えないけれど、楽しそうに話す、学校帰りの息子。


”写真を見る人への写真家からの贈り物は、日常で見逃されている日を時々提示することだ。”

ソール・ライターの言葉は、重さを込めて、雨音とともに、ニューヨークを歩く僕の脳裏にささやく。


正直、雨が嫌いだ。

傘に、カメラに、財布に。

湿気を気にし、
傘のもつ位置を気にし、
それが故に、いいなと思った瞬間は、
シャッターを切りたくて、
その余裕の無さが本当に自分を嫌いにさせる。


だけれども。

雨の写真を見るのがとても好きだ。

雨の中、人は何を感じているのか。
傘の向こうでどんな表情をしているのか。

それは撮っている時と違い、
屋根の下で、暖かい部屋の中で想像できる安心感のもとなのかもしれない。

正直、雨が嫌いだ。

どんなにシビアな環境でも写真が撮りたくなるのだから。
その時期でしか撮れないものがあるのだから。

サポートいただけましたら、作品制作に全力で投資させていただきます…!ありがとうございます!!