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祖母の家で29年前の写真を見つけて、泣けてきた。

明石海峡大橋が好きなんです。

彼の着工は1988年5月。
私が生まれたのは1989年4月なので
ほぼタメです。

↑の表紙の画像は当時の祖母の家の
ベランダから撮った29年前のもの。
先日たまたま、祖母の家に行ったときに
見つけました。

両親が共働きだったので
祖母の家に預けられることが多くて
毎日そこから海を眺めていたのを思い出します。

もの心ついた時から、見ている景色。
一番古い記憶かもしれない。

海に浮かぶ大きな船を見つけては、
理由もなくウキウキはしゃいでたのを
憶えてます。

とくに↑に写ってるサンフラワー号という船が
大好きでした。たぶんこの写真は
当時5歳のたくまるが自分で撮ったか、
おばあちゃんにせがんで撮ってもらったんでしょう。

着工から5年目の彼がありありと。
大きな柱2本と吊り橋の「吊り」のところまで
できあがってますね。

はっきり思い出してきます。
一番最初の記憶はやっぱりたぶんこの情景で、
着工から2〜3年ごろ。

「あの船、なんで動かへんの?」

「あれはね、橋が建つねん。」

おばあちゃんが教えてくれました。
当時のたくまるからすれば
海から少し突き出た柱の基礎の部分が
船に見えていたんです。

私が言葉を覚えたての頃に
彼は海面から柱の根元を伸ばし始めた。

その頃の写真は見つかってなくて
グーグル画像検索してみました。

引用元:https://toriaruki.jp

グーグル先生、本当にナイス。
ちょうどこのくらいでした。
右下の日付は92年11月3日なので
たくまるは3歳7ヶ月。

でかいクレーンを乗せた船が
何隻も行ったり来たりしてる中に、
微動だにしない彼が、大きいヨット船に
見えたのでしょう。

引用元:https://www.jb-honshi.co.jp/bridgeworld/bridge.html

このくらいの時に
たくまるは4歳くらいかな?

保育所に入って、
たしかすぐぐらいに
三輪車で猛スピードで石垣に突っ込み
おでこを3針縫う怪我をしたんだ。

もう1枚の祖母の家から見つけたもの。
たくまる5歳。

日付は94年7月31日だから
この写真を撮った翌年の1月17日に
阪神淡路大震災が起こった。

幸い、家族はみんな無事でした。

たくまるはどこかに頭をぶつけて
たんこぶができてたと思う。

彼も震災で地盤がすこしずれたとかで
向こう岸までの道路の長さが1メートル
伸びたのだそうです。

震災にも負けず、工事は進んだ。

着工から10年、
1998年4月5日に開通。
彼は本州と淡路島を繋げました。

引用:https://www.doboku-watching.com/index.php?Kiji_Detail&kijiId=1506

開通セレモニーの様子です。
確か半分のところまで歩けたんですよね。

たくまるも参加ましました。
このときは9歳。
あの奥の方で白い服を着てるのが私です。

真ん中あたりで真下を見られる
網みたいなになってるところがあって
ツバを落として遊んだのを覚えてます。
風で大きく右に逸れて、着水した。

あと橋の上からおばあちゃんの家を探したっけ。

29年前と同じ角度から
写真を撮るっていうオシャレなことを
したかったんですけど、
残念ながら祖母の家は引っ越しして別の所。

写真フォルダにあった
比較的最近の彼の姿です。

釣りに行ったときのもの。

本当に立派になったなぁ。
彼が出来上がってから
いつ見ても、実に屈強で男らしい。

ちなみにこの日はまあまあ大漁でした^^

あと画像検索のときに
たまたま見つけて思い出した、
タコフェリー。

そうだ、この船を見られるのは
激レアでした。
明石から淡路島を往復する
短い距離の運行のみでした。

残念ながら2012年に廃船してますが
2回ほど乗ったことがあります。

・・・
明石海峡大橋のことを
「彼」とか呼んで書いてきましたが、
私にとって、家族同然というか、
ただの建物とはとうてい思えないのです。

本当に毎日、おばあちゃんの家から
海を眺めていて、だんだん柱が伸びて
吊るワイヤーが向こうと繋がり、
道路ができていく様を見てきました。

自分の身長がだんだん伸びてくると
彼の柱もだんだん高くなっていった。

一緒に育ってきた仲間です。

実家を出て、
姫路、大阪、東京、大阪、和歌山を経て
そして地元・明石に帰ってきて彼を見たとき
泣けてきたというか。

どこいってもだいたい私は
人に迷惑をかけ倒してきたけど
彼はずっと、その間も本州と淡路島を繋いでいて
人と物を運び続けてたんだと思うと
ものすごく立派に感じて、
自分がちっぽけに思えてきて、泣けてきました。

私にとっての帰る場所は、ここだ。

・・・
そんな話を祖母の家から見つかった写真で思い出して、
今もまた、泣けてきそうです。


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