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たくまるの掘り下げた映画

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過去にご紹介した掘り下げ話をまとめております。 今日のネトフリ映画が見つかるかもしれません。 あと、注意はしてますが、ネタバレも多く含みます。こ注意を。 リクエストはいつでもコメ…
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#ネタバレ

【映画掘り下げ】パッチ・アダムスはたぶん、笑顔で世界を変えた人の映画です。

笑顔によって、世界が変わる。 心からそう思わせてくれる映画でした。 掘り下げ話をリクエスト頂き ありがとうございます。 本作で一番印象に残っているのは ロビン・ウィリアムスが演じる 主人公のパッチが満面に浮かべる、 「笑顔」でした。 実在の人物、 ハンター・”パッチ”・アダムスの人生を元に 1998年に作られた本作。 ご本人はいまだ健在で、 映画の終盤で繰り広げられる「大仕事」は 現在も継続中です。 彼の「笑顔」が今もなお 世界を変え続けている。 この記事では、

【映画掘り下げ】「メメント」の超難解な謎解きをすっきりさせる地図を描いてみました。

リクエスト頂きありがとうございます。 本作は、超難解な映画です。 私も、最初に見たときは よくわかりませんでした。 2回目にしてやっと、 最後のどんでん返しの意味がわかって、 物凄い映画だったんだな、 と把握できた感じです。 3回見ると、 張り巡らされた伏線の数々、 細かく散りばめられた布石、 それぞれの心理描写など 面白いものがどんどん見つかってくる。 この記事では、 ・なぜこれほどまで難解なのか? ・難解な本作を理解するための手引き ・本作を理解して、その先に

映画「ブラック・スワン」の底抜けの恐ろしさを本気でしたためてみました。

主演を務めたナタリー・ポートマンは 本作でアカデミー主演女優賞を 受賞しました。 この映画の核心は 彼女の圧倒的な演技力です。 一人のバレリーナが 心を壊してまで 手に入れようとしたものは 何だったのか。 この記事では、 ・鏡が映すもの ・内臓をえぐること ・母の呪い ・分身としての黒鳥 4点に注目して、 ナタリー・ポートマン演じる 「ニナ」の心が壊れていく様を見ていきます。 本作は日本では R-15指定で公開されており、 性的、グロテスクなシーンを含みます。

【映画深掘】「デトロイト・メタル・シティ」に異常な深みを見つけてしまった。

ご覧頂きありがとうございます。 今回は、晴れ。さんより リクエスト頂きまして 初めて鑑賞いたしました。 2008年に制作された漫画原作の本作、 ただものじゃありません。 正直に申し上げると、 1回目に見た時は 普通に笑えるところもあるし 松山ケンイチの演技は凄いし まあまあの映画かな・・・? くらいに思っていました。 でも、記事を書くにあたって 2回目を鑑賞すると じわじわ浮かび上がってくるんです。 この映画、実は すごいことをやってるんじゃないか? かなり深いテ

【映画考察】「メッセージ」の凄まじさを本気で掘り下げたら未来が見えるようになった。

ご覧頂きありがとうございます。 本記事では、 ・ファーストコンタクトまでの焦らしが最高 ・物語全体の円環構造 ・運命を受け入れること この3点に絞って、 ストーリーを追いながら ご紹介していきます。 先にご注意申し上げたいのですが、 今回もかなり長くなってしまいました。 本作の全体を通して やっと浮かび上がってくる 「円環構造」を露わにしたかったので 省くポイントが見つけられず 相当な文量になっております。 なんとか退屈しないように 工夫したつもりではありますが

映画「ゴッドファーザー」の本当の美しさをお伝えしたいんです。

ゴッドファーザー(Godfather)とは カトリックにおいて 洗礼式に立ち会う代父母のことだそうです。 同時に「名付け親」のことでもある。 マフィア映画といば本作を思い浮かべる方も 多いのではないでしょうか? 今回、リクエストを頂きまして、 U-NEXTにて見直してきました。 ・・・自分がこれまで 1回しか見てなかったことを悔やんでしまいました。 圧倒的に美しい。 映像が、というのもありますが、 物語の論理構造と それを伝える画面の使い方が 素晴らしいんです。

映画「E.T.」からコミュニケーションの原型をさぐる

宇宙人と出逢ったら、どうやって会話する? 1982年に公開されたこの映画、 当時はとくに圧倒的な人気を誇っていたそう。 アメリカでは公開当時、チケット購入に3時間、 映画館に入るのに3時間の待ち時間だったとか。 今でもSFの名作といえば必ず名前が上がってくるし、 大好きな映画である人も多いんではないでしょうか。 今回U-NEXTで2回、鑑賞しましたが やっぱりすごい。 2回とも、ラストシーンでは号泣となりました。 どうしてこれほどまで 感動を呼び起こせるのか?

映画「ユージュアル・サスペクツ」のラストで起こる物語構造の逆転について

アカデミー脚本賞受賞は伊達じゃない。 今回は、 嫁田 実さんよりコメントにてリクエスト頂きました、 「最後のオチ、ウソー!!系」の映画をご紹介したいと思います。 コメントに添えられているように、 「ミスト」はそのウソー系の最上級だと思います。 あんなに絶望的になったラストは ミスト以外に見たことがありません。 私がウソー系の映画でまず 頭に浮んだのが本作でした。 ネタバレ全開でいきますので、ご注意ください。 一度目は、ぜったいネタバレなしで見た方がいい映画です。

【映画紹介】HUSTLERSは資本主義にゴリっと飛び込んだ女たちの末路

「これからは、奴らウォール街の連中のやり方でいく。」 金融危機の煽りをモロに喰らい、 生活難を強いられるストリッパーたち。 「誰にも頼らずに、生きていきたい」 「お金ってムラムラくる」 主人公のデスティニーと 相棒のラモーナはここで一線を超えます。 高い知性と工夫によって稼いできたラモーナは、 仲間にこう言い聞かせます。 「ウォール街の奴ら、刑務所にいってない。 盗んだ金なんだよ。それでしゃぶらせてる。 ルールを守る人間が勝てないようになってる。」 ラモーナ達は

映画「KAPPEI カッペイ」で笑いの構造を垣間見た話

【あらすじ】 1999年に世界が滅亡するというノストラダムスの大予言を信じて、幼い頃から救世主になるべく殺人拳の修行に明け暮れてきた1人の男。しかし、2022年になり世界が滅亡していないことを受け、彼は師範から解散を告げられる。目的を失う男だったが、やがて流れ着いた都会で、人生初めての恋を経験する。 主演の伊藤英明の顔面がシブくて最高 まず見て頂きたいのが、この顔面です。 「終末の戦士」カッペイ。 眉間にシワを寄せて、鋭い眼孔。 常に何かに「真剣」なんです。 冒頭か