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【映画紹介】HUSTLERSは資本主義にゴリっと飛び込んだ女たちの末路
「これからは、奴らウォール街の連中のやり方でいく。」
金融危機の煽りをモロに喰らい、
生活難を強いられるストリッパーたち。
「誰にも頼らずに、生きていきたい」
「お金ってムラムラくる」
主人公のデスティニーと
相棒のラモーナはここで一線を超えます。
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高い知性と工夫によって稼いできたラモーナは、
仲間にこう言い聞かせます。
「ウォール街の奴ら、刑務所にいってない。
盗んだ金なんだよ。それでしゃぶらせてる。
ルールを守る人間が勝てないようになってる。」
ラモーナ達は
なぜ法律を侵してまで危険な道を選ぶのか?
ただお金がめっちゃ欲しいというだけではありません。
そこには明確な理由が語られていたのです。
ルールの範囲内でやっていたら
必ず負ける。稼げない。
ルールを破っている男達がいるし
金融危機もあいつらのせいだ。
ラモーナは決意します。
「これからは、奴らウォール街の連中のやり方でいく。」
ルールを無視して
相手の意思と関係なく、ただ金をもぎ取る。
金がモノを言う世界。
そんな資本主義に、彼女たちは飛び込んでいくのです。
もちろん主人公のデスティニーも。
誰にも頼らずに生きていくために。
以下、ネタバレ入ります。
ルールなしの欲望と狂気
では実際にどのようにルールを破っていったのか?
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単純に言うとお客をベロベロに酔わせて
クレジットカードを使わせる。
このあたりの手口はかなり詳細に描いていて、
単純に、酔わせるだけなら
飲まない客もいるし、自分で飲み方をセーブする客がいて
酔っ払わせるまでにはいかない。
そこでケタミンとMDMA。ドラッグです。
ケタミンは記憶を消し
MDMAはハイにする。
2つの薬品を混ぜて
隙を見て飲み物に混ぜ込む。
※念のために書いて起きますが、
このあたりのディテールも、実話です。
ラモーナの見立ては的中し
ドラッグで朦朧とした男たちはクレジットカードの残高を
ギリギリまで搾り取られていくのです。
ビジネスは拡大して外注も雇い、この人数のグループで荒稼ぎします。
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まさにウォール街の奴らのやり方で
金を稼ぎまくることに成功します。
しかし、一度使ったお客は1回きりしか呼べない。
過去のお客を使い果たした彼女達は
リスクの高い新規顧客へと手を出していきます。
認めたくなかった。女に負けたことを。
綻びは外注の女性でした。
ジャンキーだし前科者。
お客に録音されていたのです。
通報から事件は明るみに。
しかしFBIがいうには
被害にあったことを公表してくれる男性がほとんどいなかったとのこと。
「みんな認めたくなかったんだろう。女に利用されたことを。」
男のプライドが詐欺事件の発見を遅らせてしまったのです。
もしやここまで読んで計画していたのだとしたら、
恐ろしい知性ですね。
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逮捕の瞬間のシーンです。
ATMでお金を引き出したちょうどその時に
FBIに逮捕されます。
「両手を広げて」と言われて
持っていた札束は手放され、宙に舞う。
登場シーン、チップのお札の海で
踊りまくっていたラモーナの姿とはちょうど対照的になっており
映画的演出うまいな、と思っていたんですが、
これ、なんと実話だそうです。
そしてデスティニーも逮捕され、
主要の4人は檻の中へ。
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ここでお決まりの
「全部白状すれば、刑務所には行かない」の展開で
デスティニーは
仲間を裏切って釈放に。
どうして裏切ったの!
と問いかけるラモーナに対して
「娘のリリーのため」
それを聞いたラモーナは
ゆっくり間をとったあと
「やっぱり母親ってイカれてる」
お互いに母親であること、
イカれてる行動を共に行ったことを噛み締めて
二人は抱擁します。
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金をばら撒く人間と、踊る人間がいた
デスティニーは禁固刑を免れ
ラモーナは保護観察5年、
他の2人は週末禁錮4ヶ月と保護観察5年の刑に。
逮捕のあと、ラモーナは取材してきたジャーナリストに
こう語ります。
「この街が、いやこの国全体がストリップクラブで
金をばら撒く人間と、踊る人間がいた」
このセリフのあと、
わかりやすいというか、
4人が楽しく踊る姿が挿れられます。
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ムラムラくるお金に対して、
純粋に楽しみながら追いかけただけよ?
踊りまくった私たち、最高だったでしょ?
みたいなメッセージを感じました。
実在するから、怖い
この映画の元になった事件について、
モデルの2人のインタビュー記事があります。
全文英語なのでグーグル翻訳で読ませていただきましたが、
ほとんど、と言っていいくらい事実に基づいていました。
ちなみに、ラモーナのモデル
サマンサ・バルバッシュさんです。
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インスタでは露出の高い写真ばかり。
デスティニーのモデルは、ローズリー・ケオさん。
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事実と違っていたのは、
デスティニーは中国系ではなくカンボジアからの移民だったこと。
あとグループのリーダー格はラモーナではなく
このローズリー・ケオさんだったこと。
それ以外はほとんど事実に忠実でした。
まとめ
映画の流れをほぼ全部書いてしまいました。
最初は、デスティニーとラモーナの
友情関係と詐欺にまつわる心の葛藤に焦点を当てて
映画の魅力を語ろうと思っていたのですが、
あれもこれも入れたくなってしまって
最終的に全部の流れを紹介する運びとなってしまいました。
というのは、この映画が実話だからかな?とも思います。
「事実は小説より奇なり」
とはよく言ったもので
作り話ではなく実際にあった話だからこそ
しかも忠実に事件を再現しているからこそ
フィクションにはない何か特別な、エネルギーが宿っているのではないか。
モデルとなった実在の人物は、
ガチで生きていたんですよね。
加えて、資本主義とかが絡むと、
現在の抱える問題と重なるので
他人事ではいられない気持ちにもなってくる。
結果、全体の流れを書かざるを得なかった。。
みたいなことなんじゃないかなと思います。
それでも、自分の中で整理しきれてない部分もあって、
文章力がまだまだ不足してるということも含め
気づかされることが非常に多かった。
そんな映画でした。
ここまでお読み頂きありがとうございました。 こちらで頂いたお気持ちは、もっと広く深く楽しく、モノ学びができるように、本の購入などに役立たせて頂いております。 あなたへ素敵なご縁が巡るよう願います。