takumanのなんでも感想文part3

こんにちは、takumanです。
part3にもなってようやく気付いたのですが、タイトルは感想文なのにずっと紹介しかしていませんでしたね。やはりタイトルの通り、最近読んだり見た作品の感想を読者と共有したいというのが元々の筋書きなので、今回はつい最近読んだライトノベルの感想を書いていこうと思います。

さて、第3回目ということで。タイトルは、「転生王女と天才令嬢の魔法革命」です。紹介文ではなく、感想文を書いていきたいと前述しましたが、作品を知らない方にも、この感想をきっかけに実際に読んでみたいと思ってもらうべく、紹介はしっかりしていきます。

「転生王女と天才令嬢の魔法革命」とは

改めまして、この作品について軽く紹介を。転生王女と天才令嬢の魔法革命、略して転天は、現在第5巻まで刊行されていて2023年1月よりアニメ化も決定しています。ジャンルとしては、「異世界転生×魔法」といった、いかにもなろう要素が含まれていますが、実際は異世界転生の要素はそこまで多くなく、登場人物も個性がウィットに富んでいるので、なろう系に慣れていない方でも楽しめると思っています。個人的には、パレッティア王国第一王女で主人公のアニスフィアと王国の侯爵令嬢のユフィリアが織りなす、ドキドキハラハラなドラマがとても気に入りました。
あらすじですが、王女として異世界に転生したアニスだが王女となるための絶対条件である、魔法を使用することができなかった。魔法に憧れ、いつか魔法を使うことを夢見て、アニスは魔法が使えない人でも魔法を使える「魔学」を提唱し、異端の道を進んでいく。そんな中アニスは、アニスの弟であるアルガルドから婚約破棄を宣言され、絶望していたユフィリアと出会うことで自分の考えや在り方が変わっていき、魔学を以て王国を発展させ、2人で成長していく話です。

キテレツ王女の真相

アニスは、転生してから王女という地位の役割を全うしていくことになります。しかし、アニスは自分が本来のアニスの人格や性格などを上書きしてしまったのではないかと考えます。さらに、自分が魔法を使えないのに王位継承権を与えられているのに対し、魔法が使えるのにいつもアニスと比べてられて、王位継承権を与えられないアルガルドがあまりに不憫に感じたアニスは、王国では魔法を使う人にとって何より神聖視されている「精霊」を生きもののように解釈した「魔学」を提唱し、その研究を始めたことで「キテレツ王女」と呼ばれるようになり、自分の王位継承権を破棄することを決断しました。もちろん、この決断のすべてが弟のためではなく、魔法を使えない自分が国王になることに反対する派閥があったり、純粋に魔学の研究がしたいなどの理由はありましたが、この出来事をきっかけにアニスとアルガルドの立場は大きく変わってくことになります。
異世界転生のジャンルでは、前世の知識でその世界の常識を壊していく設定はよく描かれますが、転天ではその才能に恵まれないながらも10年間の努力の末に魔学提唱に至ったわけですから、アニスの努力や魔法に対する願望は本物であると思いました。実際、アニスの魔学によって考案された魔道具は、どれも先進的でありつつ、歴史ある王国の文化を一変してしまわないよう、ブレーキが掛けられています。ただ自分の作りたい放題というわけではなく、キテレツ王女として違う側面から国を支えていこうという想いを感じました。

ユフィリアとの出会い

ユフィリアとの出会いはアニスを大きく変えていきます。はじめは、ユフィリアにアニスの助手として功績をあげることで、婚約破棄騒動の話題を打ち消し、ユフィリアの今後の手助けをするつもりでした。しかし、関わっていくにつれて、互いが互いを支えあうようになり、アニスが元々同性好きだというのもあって、二人は恋人同士になります。恋人になるまでの過程はいろいろありますが、大きな転換点となったのは、小説3巻のシーンです。
ある出来事がきっかけで、アルガルドの継承権が解消されたことにより、ユフィリアはアニスが次期国王になることに反対して、王家の養子となることで自分が王位の座に就こうとします。ユフィリアは、アニスには魔学の研究に専念してもらいたかったのです。しかし、アニスは自分から継承権を破棄したにもかかわらず、継承権を復権させます。アニスは、自分が転生者であると正体がバレないように、自分に仮面を被せてキテレツ王女を演じていましたが、アルガルドがいなくなった今、王族の役割ですら果たせないとなると、王位を継がないといけないという仮面と、転生者としてのアニスの仮面が乖離していきます。内に秘めたアニスの思いを感じたユフィリアがアニスを受け入れたことにより、次期国王はユフィリアが継ぐことになりました。

私は、この場面でのアニスの心情の変化や葛藤が、異世界であると同時に現実を思わせる描写で、すごく読み入ってしまいました。これ以上は詳しく語りませんが、ユフィリアが王族の養子となること以外にも、国王を目指すきっかけとなった出来事や、アニスの抱えていたものなど、心理的描写が数多く描かれています。彼女たちの心情と一緒に物語を追っていくと、より作品にのめり込んでいけると思います。

作品の感想

全体を通して、作品の中心舞台となるパレッティア王国や、登場人物などの背景を細かく描いていて、小説ながらも状況がとても分かりやすく感じました。ライトノベルは、挿絵以外の視覚情報がないので、より複雑な描写を伝わりやすく表現しなければいけない難しさがあります。しかし、この作品ではそういった難解さがなく、先ほども少し触れましたが心理的描写が多く、アニスやユフィリアといった人物の内面がセリフによって補完されているので、物語の流れもつかみ易かったと思います。
そして、転天の醍醐味の一つである、アニスとユフィリアのいちゃいちゃ。一緒に寝たり、戦ったり、時にはキスしたりなど、多くの時間を共にしている二人ですが、巻を追うほどにデレデレになっていく二人を見ているのはとても面白かったです。はじめはアニスがユフィリアを好きだったはずなのに、最終的には立場が逆転していくところも好きです。今回お話しなかった部分では、なぜこうなっていったのかという答えも含まれているので、そこはご自分でお楽しみいただければと思います。

おわりに

今回はここまでとなります。
もう長くなってしまうことに関しては何も思わなくなりました(笑)。とにかく、書きたいことが多いのに対して、未見の方にも読んでほしいという思いが強いせいか、どうしても説明したくなってしまいます。逆に、説明しないほうが期待観が増して面白いのでは?と言われそうですが、ライトノベルをタイトルと表紙だけで購入する、というのは、よほどの人気作品でないかぎり無いのではないかと思っています。商業化作品以外にも多くの作品があるので、作品の概容を見てから買う方も少なくないと思っていて、私自身そういう部分があるので、「気になっているけど買うか迷っている!」という方に是非お勧めしたいです。

今回紹介した「転生王女と天才令嬢の魔法革命」ですが、改めまして。
2023年1月よりアニメの放送が決定しています。なろう版では完結していますが、小説版は現在5巻とまだまだ続いていく作品ですので、気になった方は、この機会に是非読んでみてください。私もアニメの放送を楽しみに待ちたいと思います。

次回も乞うご期待ください。それでは。


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