日本での「スパーコンピューター富岳」によるSARS-CoV-2 Mpro阻害剤の探索

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日本では、スパーコンピューター富岳によるCOVID19の治療医薬候補を同定するプロジェクトが行われている(1)。私達の共同研究プロジェクトでは、分子動力学(MD)シミュレーションを利用して、既存医薬品データベースからSARS-CoV-2のメジャープロテアーゼ(Mpro)に高い親和性を示す治療薬候補の探索が行われている。

今回のプロジェクトの目的は、抗ウイルス薬に限らず2,128種の既存医薬品の中から、COVID-19に対する治療薬候補の同定である。

2020年12月に、その解析結果の一部が、報告された。スーパーコンピューター富岳による分子動力学(MD)シミュレーションによって、COVID-19に対する治療薬として、数十種類の有望な候補が同定された。

これらの候補薬の中には、COVID-19に対する臨床研究や臨床治験が行われている薬剤が、12種存在していた。本研究成果によって、寄生虫駆虫薬のニクロサミドは、Mpro阻害活性を有することが明らかとされた。さらに、COVID-19に対する治療薬として、C型肝炎治療薬のニタゾキサニドは、有効であることが、明らかとされた。本研究成果より、ニタゾキサニドの標的タンパク質は、SARS-CoV-2 Mproであることが明らかとされた。

本プロジェクトの成果より、まだ、COVID-19への治療の適用が検討されていない多くの既存薬が、存在していることが明らかとされた。COVID-19に対する候補薬剤として同定されたそれら既存薬の中には、国内の製薬会社がライセンスを持つ薬物も存在している。今後、私達の共同研究プロジェクトチームは、臨床研究や臨床治験について色々な研究グループと協議していく。

(1)京都大学・理化学研究所・京都医療センターの共同研究

Disclosure of potential conflicts of interest
The authors declare no potential conflicts of interest.

Data availability and Consent to publish
This manuscript is an editorial and does not contain research data. Therefore, there is no research data or information to be published or opened.

Acknowledgments
We thank all the medical staffs and co-medical staffs for providing and helping medical research at National Hospital Organization Kyoto Medical Center and Kyoto University School of Medicine.

Science Published on February 23, 2021. by 京都@Takuma H 

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