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新型コロナウイルス感染症関連肺機能不全に対する生体肺移植

2021年4月7日に、日本の国立大学附属病院で、新型コロナウイルス感染後の肺障害に対する生体肺移植を実施しました。今回の新型コロナウイルス感染後の肺障害に対する肺移植手術は、日本で初めての症例であり、さらに、今回の新型コロナウイルス感染後の肺障害に対する生体肺移植は、世界初めての症例です。

本手術の実施に先駆けて、2021年4月5日に、関西地区の病院から患者の搬送が行われ、国立大学附属病院の呼吸器外科の医療チームは、救命救急部、感染制御部の医療スタッフの協力のもと、患者を滞りなく病院へ受け入れました。患者に行われたSARS-CoV-2のPCR検査の結果は陰性であった。医療スタッフは、患者の肺の機能の回復が見込まれないと判断した。そのため、医療スタッフは、新型コロナウイルス感染後ECMO(体外式膜型人工肺)での治療を約3か月続けていた女性患者に対して、患者の息子の右肺の一部と患者の夫の左肺の一部をそれぞれ患者の右肺、左肺として移植しました。
待機期間が800日を超えていたため、脳死肺移植を行うことは、不可能でした。

術後の経過
手術直後:患者からECMOが離脱された
13日目:患者から人工呼吸器の離脱が開始された
26日目:患者がICUから一般病棟に移動した
60日目:患者に対して歩行訓練が開始された
75日目:患者から人工呼吸器が完全に離脱された
131日目(2021年8月16日):患者がリハビリテーション目的に転院した

新型コロナウイルス感染後の肺障害に対する肺移植は、中国や欧米で20~40例施行されているが、全ての肺移植は、脳死肺移植でした。日本の国立大学附属病院で行われた今回の症例は、世界初の生体肺移植である。脳死肺のドナーは不足している。今後、生体肺移植が、新型コロナウイルス感染の後遺症として重篤な肺障害を起こした患者にとって、希望のある治療法となることが期待されている。

We do not have potential conflicts of interest.

Published in JAMA on August 27, 2023 by 京都@takumaH
Doctor specializing in cancer medicine.
Doctor specializing in emerging infectious diseases.


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