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日本における癌ゲノム医療における、複数の抗腫瘍剤のコンビネーション治療の重要性

米国立がん研究所(NCI)は、特定の遺伝子変化を伴うがんを治療するための薬剤の組み合わせの有効性を評価する新たな取り組みを発表した。

2019年12月から2023年04月までの期間で、日本の国立大学の癌ゲノム医療において、進行性・転移性悪性腫瘍の合計2991例に対する治療法が、癌ゲノム検査(Ncc oncopanelでの検査:679例、F1CDxでの検査:2312例)によって検討された。これまで、癌ゲノム検査によってPathogenic Variantsが検出された患者は、1187症例(39.7%)である。さらに、癌ゲノム検査によって抗腫瘍薬が選択されて、治療が行われている患者が、365症例(12.2%)である。

日本での癌ゲノム医療では、1人の患者において、複数の分子でpathogenic variantsが、検出された症例に対して、既に承認された抗腫瘍剤の単剤としの投与が優先される。次に、臨床試験や症例報告にて奏効性が認められた抗腫瘍剤の単剤のとしての投与が行われる。これまで、日本の癌ゲノム医療において、複数の分子でpathogenic variantsが認められ患者さんに対して、複数の抗腫瘍剤のコンビネーション治療法は行われていない。

今後の癌ゲノム医療として、例えば、進行性・再発の子宮平滑筋肉腫において、BRCA2におけるpathogenic variantとAKTの活性型pathogenic variantが検出された症例に対して、PARP阻害剤(Olaparib or Niraparib)とチロシンキナーゼ阻害剤の併用療法が検討されなければならない。現在、臨床試験において、各製薬会社は、既存の複数の抗腫瘍薬の併用療法による様々な進行性・再発性癌に対する奏効性を検討している。これらの臨床試験の結果は、癌ゲノム医療の発展に重要であることは明らかである。

We do not have potential conflicts of interest.

Doctor specializing in cancer care.
Doctor specializing in emerging infectious diseases.

Published in JAMA on June 16, 2023 by Kyoto@takumah


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