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WealthParkのカスタマーサクセスの歴史を振り返る①ープロダクトコンセプトの証明

こんにちは。不動産管理会社とオーナーをつなぐデジタルプラットフォーム「WealthParkビジネス」を手がけるWealthPark カスタマーサクセスの鳥谷です。

時が経つのは早いもので、2016年7月にWealthParkに入社して5年半が経ちました。嬉しいことに、この2021年も非常に多くの仲間にジョインしていただき、毎月のように新入社員のみなさんにSaas事業(WealthParkビジネス)やカスタマーサクセスについてお話する機会がありました。そこで、この記事では、弊社のカスタマーサクセスについてより深く知っていただくことを目的として、自分の中の言語化も兼ねて、WealthParkのカスタマーサクセスの歴史を振り返りたいと思います。

ちなみに、2021年の振り返りについては弊社の人事部長の山下、VPoEの藤井もまとめております。多角的な視点からWealthParkを理解できると思うので、是非ご一読ください。

ちなみに私も、本来は振り返りを行って年末年始に記事を出すつもりでいたのですが、過去から戻って来れず笑、今月中に現代に戻ってくることを目標にまず第一弾を出そうと思います。

WealthParkビジネスについて

最初に少しだけ、サービスの紹介をさせてください。
「WealthParkビジネス」は、不動産管理会社とオーナーをつなぐデジタルプラットフォームです。WealthParkのカスタマーサクセスが扱うプロダクトは、不動産管理会社向けのオーナーコミュニケーションに関わる業務支援システムと、オーナー向けの不動産管理アプリ・Webという大きく2種類あります。

不動産管理会社は、WealthParkを利用することで、オーナーコミュニケーションのデジタル化、不動産管理サービスの質の向上を実現できます。また、資産管理への転換を実現できます。また、デジタル化を通じて蓄積されたデータを活用することで、不動産管理から資産管理へのシフトを支援します。

WealthParkのカスタマーサクセスが目指す世界観

https://wealth-park.com/en/business/lp/promise/

WealthParkにおけるカスタマーサクセスが目指しているのは、不動産管理会社様との約束ー「不動産管理会社を、不動産投資家にとって一番大切なパートナーに」の実現です。もう少しシンプルに言うなら、WealthParkをご利用いただいている1人1人のオーナー様が「大切な資産である不動産の管理を、この管理会社に委託して良かった」と心から思ってもらえる。そんな顧客体験を、不動産会社様と共に創り上げていくことです。この世界観の実現のために、私たちカスタマーサクセスは、プロダクトを継続的に活用いただくための支援、新たな活用事例の創出、プロダクトフィードバックを通じた提供価値の最大化といった、重要な役割を担っています。

WealthParkのカスタマーサクセスの歴史を振り返る

本題です。大きく何段階かに分けて、それぞれのフェーズで注力したテーマに沿って振り返っていきます。改めて、今日に至るまでの歴史を振り返ると、それぞれのフェーズで0→1の壁があり、その壁を突破すると新たな0→1の壁を突破するためのチャレンジがあり、並行して、組織・サービスをスケールさせるための1→10の仕組み化を行う、そんなチャレンジの積み重ねが、WealthParkのカスタマーサクセスの歩みです。今回は、カスタマーサクセスチーム自体がまだ存在しない、立ち上げ当初の話を振り返ります。

~2018年:プロダクトコンセプトの証明

会社紹介資料によると2017年9月にSaasサービスWealthParkビジネス提供開始とされています。しかし、まだ会社として正式に事業化する前の最初の1社目の契約は、実は私が入社した2016年の冬に、プロダクト自体が存在しない段階で決まりました。当時は「カスタマーサクセス」という言葉の存在すら知らなかった私は、まだ見ぬプロダクトを想像しながら、探り探り導入支援を行っていました(今考えると恐ろしい…)。

このフェーズでカスタマーサクセスに求められるのは、兎にも角にも「不動産管理会社とオーナーをつなぐ」というプロダクトコンセプトの証明です。今でこそ「オーナーアプリ」という言葉が、顧客との会話において当たり前に使われるようになりましたが、当時は業界に「オーナーとアプリでコミュニケーションする、収支報告をデジタルで行う」という概念自体が、存在していませんでした。ましてや、実際のユーザーとなる不動産管理会社の現場の社員の方であれば「自分たちの業務がどう変わるのか、イメージすらつかない」というのが正直な気持ちだったと思います。今思うと、至極当たり前の話ですが、ユーザーが利用シーンをイメージすらできないプロダクトは、当初全く使われませんでした。

また、私も業界に入ってまだ半年と経っていない中で導入支援を行っていたため、顧客の業務や課題に対する理解が浅く、カスタマーサクセス担当である私自身も利用シーンがイメージできていない状態で、支援を行っていたというのが正直なところです。当然、使われないプロダクトに顧客が価値を実感することはまく、ましてやスケールすることは絶対にありません。当時は「オーナーアプリ」というコンセプト自体が新しく、アーリーアダプタの潜在顧客からの引き合いはありましたが、私自身は「このままではこの事業自体が終わってしまう」という危機感を日々感じていたことが強く記憶に残っています。

真の顧客理解は「顧客のことを何も知らない」という自己認知から始まる

以前の記事にも書きましたが、実は弊社の創業事業は、Saas事業ではなく、海外投資家向けの不動産管理サービスです。入社当初、私自身もそこに所属し不動産管理の実務を僅かな期間でしたが、経験していました。愚かにも、不動産管理について「わかったつもり」になっていた当時の私は、なぜプロダクトが利用されないのかを、中々理解することができませんでした。利用の打診をする度に「今はちょっとバタバタしてて…」と現場担当の方に繰り返し言われる中で気づいたことは、そもそも相手が何に追われているのか、何に困っているのか、プロダクトの活用は彼の仕事の優先順位の中でどの程度なのか、自分はまるでわかっていないということでした。何かがうまくいっていないときこそ、顧客と向き合うことを強く意識し始めたのはこの頃からです。これは、いちカスタマーサクセスとして、私自身が大事にしている初心でもあります。

価値実感を顧客と分かち合う成功体験が、カスタマーサクセスを強くする

顧客理解が足りないことに気づいた私は、毎月のようにオフィスに伺うようになりました。「不動産管理会社とオーナーがデジタルでつながる」ということを体感してもらうため、とにかく顧客の価値実感に至るまでのあらゆる障害取り除くことに全力を注ぎました。そんな中で、なんとか1人目のオーナー様にWealthParkを使っていただくという成功体験をつかみ取ることができました。その時の詳細は、こちらのnoteに記事に残しています。もしご興味あればご覧ください。

WealthParkビジネスは、通常のSaasと比較して、Time to First Value(顧客の最初の価値実感までに要する時間)が長いプロダクトです。価値実感に至るまでのハードルが高い、逆に言えば、カスタマーサクセスの介在価値の高いプロダクトです。だからこそ、カスタマーサクセス自身が、顧客に向き合う中で、顧客と共に体感する成功体験は、WealthParkのカスタマーサクセスにとって重要な意味を持ちます。手触り感を持って、プロダクトの提供価値を語れるようになることは、WealthParkのカスタマーサクセスとして欠かせない要素の1つです。

今では、こうした成功体験をWealthParkの利用顧客に共有する仕組みとして「ユーザー会」を定期的に開催しています。「ユーザー会」は、知見の共有の場であるというだけでなく、WealthPark導入という一大プロジェクトを共に推進してきた管理会社の担当者とカスタマーサクセス担当者が、その功績を称える場でもあります。過去のイベントレポートについては、下記のリンクよりご覧いただけます。

顧客理解も価値実感も、一度では終わらない

これが、今回の振り返りでの一番の学びです。「PMF(プロダクトマーケットフィット)を達成して、スケールを目指す」ということはスタートアップにおいてよく言われることですが、今改めて思うことは、仮に一度PMFを達成できたとしても、そのプロセスは一度では終わらないということです。顧客が増え始め、顧客が一定程度サクセスしはじめると、それをいかに再現性をもって効率的にスケールさせるか、ということに目を向けがちです(少なくとも自分の場合はそうでした)。しかし、実際にすべきは顧客の理解を深め、顧客に新たな価値実感を提供しつづけることに、時間をかけて取り組み続けることだったと思います。

これは世の中や競争環境、サービス認知拡大の伴う顧客セグメントの変化など様々な要因によって、相対する顧客自体が変化し続けるものだからだと思います。一度証明されたコンセプトも変化に応じて、アップデートが必要になります(それも自分の想像超えるスピードで)。だからこそ、その前提に立って、顧客に最も近い立場にカスタマーサクセスが顧客を理解し続けることに意志を持って時間を割く(時には、短期的な成果や効率性を無視したとしても)ということも大切なのではないかと思うようになりました。

次の記事では、DXの前提でもある不動産業界のデータの整備について書きたいと思います。これは今なお向き合っている課題ではありますが、サービスローンチ直後は、その課題認識すらできていませんでした。そんな不揃いな不動産業界のデータに向き合った日々を振り返る予定です。

WealthParkのカスタマーサクセスの歴史を振り返る②に続く


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