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世界に広がる新自由主義【#池上彰のやさしい経済学(1)読書感想文後編】(毎日更新102日目)

こんにちは。
だいぶあったかくなってきましたね。
これから暑くなってきたらみんなマスクの中汗だくになっちゃいますね。
顔もやせていいかもしれませんね。

今日は引き続きわかりやすく教えてくれる経済学の本を読んでみましたので概要と感想のアウトプットをしていきたいと思います。

後半戦です。

概要

前回はカール・マルクスという人物が出てきて資本主義を進めていくと失業者がいっぱい増えたりするという問題点があるんだよーということを指摘しました。

そのあとジョン・メイナード・ケインズ登場。

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「画像引用:Wikipedia」
資本主義の欠陥はたしかにあるけども、それを国が政策でカバーしていけば資本主義でぜんぜんやっていけるはずさと言いました。
やばい時、不況の時は国が介入するべきだという考えです。
→公共事業や赤字国債というものが生まれる
ケインズ理論が生まれるまでは世界は均衡財政政策というものをおこなっていた。
それは国は今もっているお金の範囲内でやりくりしなさいよという政策。
国の収入(=おもに税収)と支出を均衡させなさいよという方針で
それがケインズ理論が出てきてから、国は国債を発行して借金してもいいから世の中に仕事や雇用や消費を生み出して、それでみんなが金を使うようになったら税金をいっぱい収めてくれるから、大丈夫だよ それでいこうって話です。
そして乗数効果というものを提唱。
政府が国債を発行して世間に金を回せば、それがより大きな金額となって潤うという感じですね。
累進課税というのもこの時代に生まれました。
ケインズ理論が生まれたのは、1929年のニューヨーク株価大暴落に始まった世界恐慌の時代です。
世界恐慌→やばい→関税を高くして輸入止めよう→さらに悪化→ファシズム台頭→ナチス政権誕生→第二次世界大戦 という流れになっていくときです。

金利を下げて企業がどんどん事業を始めて金回りをよくしようとしたりもしました。

世界恐慌から復活するために1930年代にケインズ理論を世界で始めて採用してニューディール政策というのを行ったのが
時のアメリカ合衆国大統領フランクリン・ルーズベルト。

画像2

「画像引用:Wikipedia

ケインズ理論、最初のうちは効果を発揮しますが、そのうち税収で国の借金をチャラにするというつもりだったのに、政治家たちはそれをしないでそのお金をさらに使ったりして国の財政赤字は増えていく一方になります。
そしてさらに国がお金を投入すれば市場で何倍にも富が増えるはずだった乗数効果も無力となりケインズは死んだ
といわれるようになりました。

ミルトン・フリードマン登場。

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「画像引用:Wikipedia
いやいや国があんまり口出ししちゃダメだよ
もっと自由にやらせようよ、市場を信じて任せてみないかい?

といいました。

もともとケインズを学んでいたけど、違うんじゃないと反対したんです。

国は国防とか最低限のところはやるけども、ほとんどは市場に自由にやらせてみようということなんです。

やめるべき政策14選みたいなことも主張。

社会保障やめちまえ、輸入関税やめちまえ、最低賃金の設定やめちまえ、職業の免許制度もやめちまえ(医師免許とかいらない)
みたいな感じで、かなりアグレッシブでした。

こんなことも言ってます。
麻薬とかも禁止しなくていいんじゃね?
禁止するからみんな隠れてコソコソやるんじゃね?
だから闇組織とか生まれちゃうんじゃね?
自己責任でやったらいいじゃん
そんな感じです。

かなり刺激的なミルトン・フリードマン。

新自由主義を代表する経済学者となりました。
アメリカでは共和党が彼を支持し、のちにノーベル賞も受賞するなど大きな影響力をもちました。

日本でも彼の影響が郵政民営化や道路公団民営化など小泉政権の時(小泉、竹中路線)に顕著に見られます。

このようにしてさまざまな経済学者が登場し、世界のそのたびに変容していくのでした。

感想

近代経済学の流れがなんとなくわかりました。

経済というのはいつも理想の形を求めて変化しつづけているんですね。

なにかの理論が出てきてそれを試したら、どっかがうまくいかなくて、また違うやつを試してというふうに試行錯誤を続けてきたのが経済学の歴史といえます。

そして経済が戦争というものと密接に結びついているということも感じられました。

これだけ研究を重ねてきても、いまだ答えは出ないということなんでしょうね。

どっかに歪みが生まれてしまうようです。

本書の最初の方に書いてあったんですが、
経済学というのは金儲けを学ぶための学問じゃなくて
資源の最適な配分を考える学問なんだということだそうです。

地球上の限りある資源をどのように分配すれば、世界の富が増え人々が豊かに幸せになるのかを考えるというような感じだと思います。

世界中の人々がそれぞれの価値観をもっている中、なにが一番いいのか学者ばっかりじゃなくて、ぼくらも自分の頭で考えないといけないですね。

人にまかせておいて文句ばっかり言っててもしょうがないですもんね。

ちなみに本書には小さなコラムみたいなのも間にあって

ケインズはギャンブル好きでカジノばっか行ってたとか
美人のバレリーナの尻を追いかけまくって略奪愛したとか

エジプトのピラミッドもどうやら公共事業だったらしいとか

そんなちょっとした話があるのもおもしろいですよ。

本書は経済にまったく疎い人でも、わりとカンタンに理解することができるし、楽しい読み物となっているのでオススメできると思います。

この本をきっかけに経済に興味が持てたら読書の幅も広がるんじゃないでしょうか。

というわけで今日はやさしい経済学の後半部分の感想文でした。

それでは今日はこのへんで

またあした。

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