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”日本を良くする”出会った人々から受け継いだミーム

こんにちは、高橋拓真です。

今年の9月にアセンド株式会社に入社して、「ロジックス」という運送管理システムのカスタマーサクセスを行っています。アセンドは創業4年目、30名程度のSaaS スタートアップです。

「物流の真価を開き、あらゆる産業を支える。」をミッションに掲げ、システムとコンサルティングの両面で課題解決にあたる物流DXに取り組んでいます。

いま、物流業界は大きな変革期に直面しています。
労務環境の改善、多重下請け構造の可視化、契約内容の文書化や、それら管理改善を行うための役職「物流統括管理者」専任の義務付けなど、荷主・運送会社、ひいては一般消費者をも巻き込んだ物流改革が進行しています。

アセンドでは運送管理システム「ロジックス」の提供と並行して、荷主や官公庁向けの物流コンサルティング、いくつかの業界団体のファシリテーションを行うなど、これからの物流をより良くするため、あらゆるステークホルダーに向けた活動を行っています。
物流の真価を開き、支え、これからの日本社会に大きな価値を提供できるよう、これまで以上に大きなチャレンジに立ち向かっているところです。

この記事では、これまでに物流業界とはほぼ無縁の職業人生だった自分が、これまで何をしてきて、どのような経緯でアセンドと出会ったのかを書いています。
仕事選びやキャリアに悩まれている方の参考になれば幸いです。


どんなキャリアビジョンを描いていますか?

今年の梅雨時、人生2度目の無職になりました。

親会社への事業譲渡、会社精算による退職です。会社からはいくつかの選択肢を提示して頂きましたが、これに甘えてしまってはいけないという謎の危機感を感じ、自らの選択です。退職を決めてからの転職活動。4人家族を支える身としては、なかなかヒリヒリする期間です。

「何がしたいんだっけ?」

次何するかを考えることもしないまま、急ぎ転職活動を開始しました。
でも、何がしたいか決まっていなければ、良い出会いなんてありません。

「高橋さんは、今後のキャリアをどうお考えですか?何がしたいですか?」

そう聞かれても、全くない訳ではありませんが、キャリアを作ることがモチベーションではありません。聞かれるたびにふにゃふにゃと答えてしまっていました。

馬鹿が日本を元気にする

私のキャリアの始まりは、大学2年のときです。小中高とサッカーに注いでいたエネルギーの矛先を大学生活では見つけられず、ベンチャー企業の幹部に特化した採用支援を行うベンチャー企業での丁稚奉公から始まりました。社会の右も左もわからないまま、真っ赤なダウンジャケットとデニムを着ていき、社長面談。

「一緒にやろう。いつから来れる?」

何もないベンチャー企業なら、有り余るエネルギーを注げられるし、やりがいもありそう。周りのメンバーも年齢は近く、社長も30代中盤でなんだか楽しそう。そんな安直な理由で、ファーストキャリアがスタートしました。

その日から6年間は怒涛の日々です。幹部採用を担うのは経営層。ヘッドハンティングを成功させるには、当然ながら深い業界知識や経営視点が求められます。そんなものは持ち合わせていませんので、すべて行動量でカバーしていました。大変ではありましたが、それでもベンチャー企業の経営者に「何のために」や「実現したい世界観」を直接聞ける仕事はとてもエキサイティングでした。

「やりたいこと」に人生をBetする「馬鹿」がきっと日本を元気にするというミッションのもと、クライアントの経営者と同じ目線になれるようハードワークし、さまざまなことを学びました。

自分をフラットに

ふと気がつくと数人だった会社が30名程度の規模まで成長しており、ちゃんと会社っぽくなってきていました。同質性の高い組織から、少しずつ多様性を迎えるタイミング。迎えなくてはならないタイミング。会社初期の文化に密結合し過ぎた若かった自分は、会社の変化を心で受け入れることができませんでした。

1度目の無職期間です。第一子が生まれ、家族のライフステージも変わるタイミングでした。同質性の高い組織や環境にどっぷり浸かり、柔軟性を欠いていた自分に対して直感的に危機感を感じていたので、社会勉強です。いろいろなアルバイトをしてみたり、キューバに一人旅してみたりしました。

キューバ一人旅は驚きの連続でした。社会主義の国なので、住む場所も仕事も国が指定、食糧も給料も配給です。良く言えばみなさんのんびり過ごしていますが、悪く言えば国民皆お小遣い生活です。成長を希求するベンチャーとは正反対のような世界でしたが、でもなんとなくみな幸せそう。成長をしなくても、頑張らなくても幸せの形はあるのだと。多様な価値観を肌で感じることができた旅でした。

「何がしたい」ではなく、「何をみたい」?

一人旅は思っていた以上に退屈で、考える時間はたっぷりありました。遠い異国の地で次やることを考えると、思考もグローバルになるのかもしれません。

「東証一部上場してから、さらに成長する会社ってどんな会社なんだろう?」

ヘッドハンティングに従事した6年間では見たことがない、見ることができなかった会社への興味こそが、次なる挑戦の方向です。方向性が決まり、帰国。まだ無職期間です。ふらふらと過ごしていましたが、ある社長とご飯に行く機会がありました。

「外貨を稼がなければ、これから大変なことになる。外貨を稼げる日本発のグローバルソフトウェアカンパニーを作りたい。」

社員の90%がエンジニアで、情報学や情報工学の博士はもちろん、薬学や天文学、物理学や量子力学などいろいろな理系専攻出身の方々が多く在籍している会社です。日本トップクラスの技術者が集まるその会社は、自分たちの技術力そのものを売りにビジネスをしていました。

「ここでなら、一部上場の先の景色を見れるかもしれない」

具体的に何をするか決まっていませんでしたが、次の仕事は決定です。技術力が売りの上場企業。1社目の会社とはだいぶ違う会社です。コミュニケーションプロトコルの調整は大変でした。一方で、毎日がインスパイアの連続です。宇宙の果て、遺伝子、流体、人力飛行、そしてAIや量子コンピュータ。彼らの興味の矛先は、人類未踏のロマンにつながっていました。

科学のロマンやほんの少しの技術を学びつつ、自分の担当はビジネス側の領域です。採用や営業、イベント企画。教育機関や各種団体とのパイプ作り。いろいろな業務に携わりました。

そして新規事業開発から分社化、US法人の設立です。日米両方で自社製品のPoCを進め、グローバルソフトウェアカンパニーに向けて着々と準備を進めます。が、足掛け6年、製品開発をしてきましたが、力及ばず事業整理を迎えました。
自分の中でどう整理をすれば良いか。答えはでません。

最初から終わりが決まっているプロジェクトに取り組むことはこれまでにもありました。終わりのないはずのプロジェクトが終わることは初めてでした。

次、どうする?

そして2度目の無職です。そんな終わりを迎えてしまいましたが、次何をやるか決めなければいけません。でも、なかなか考えられません。冒頭の通り、次何をするか考えずに転職活動を始めました。

「高橋さんは、今後のキャリアをどうお考えですか?何がしたいですか?」

正直分かりません。電話営業も法人営業も新卒/中途/幹部採用もイベント企画運営も新規事業も経験”は”あります。でも何がしたいか分かりません。誰かに相談しても、どこかピンときません。当然です。何がしたいかなんて、自分にしか分かりませんから。
そんな折に、知人紹介のエージェントの方にお会いする機会がありました。お恥ずかしい限りですが、何がしたいか分からないんですと率直に伝えると、

「高橋さんは、キャリアで選択するよりもミッション共感でなんでもやりますがいいと思いますよ。そんな決め方もあります。」

と言われ、しっくりきました。
そのエージェントの方のご紹介ではありませんでしたが、そのときにアセンド社の選考が進んでいました。大きな問題が顕在化している日本の物流問題に正面から向き合っている会社です。

日本が抱える課題に向き合う

アセンド社は、物流業界の中でも運送会社をターゲットにしたERP SaaSを提供していました。
物流テックの多くは荷主をターゲットにプロダクトを提供しています。なぜならサプライチェーンの起点は荷主ですから。業界全体の営業収益率が0%の運送会社をターゲットにするのはビジネスのセオリーから外れます。競合も事業撤退をしていて、運送業界はある意味ではブルーオーシャンです。ある意味ブルーオーシャンの市場で、競合は撤退しているにも関わらずPMFを達成していて、成長している。物流問題のシワ寄せを受けている運送会社を良くするために提供しているプロダクト。
営業コストを掛けて、ITリテラシーが低い運送会社が抱える課題やニーズの解像度を高め、ちゃんと課題解決できるプロダクト開発をしている会社。
シリーズAのスタートアップなのに、ポイントソリューションではなくERPとしてプロダクトを提供することでPMFを達成した意思決定とエグゼキューション。
この会社なら悔いなくとことん課題解決に取り組めると思いました。

そして何より、日本の社会課題に真正面から向き合い解決をしようとしている会社です。
物流が滞ってしまえば全産業が傷んでしまいます。運送業界の労務環境はすでに傷んでいるかもしれません。

たまたま1社目にベンチャー企業の幹部採用支援を行っているベンチャー企業に飛び込み、日本を良くしたいと思っている経営者たちと会う機会、働く機会がありました。
何がしたいか分からず、露頭に迷いましたが、これまでにたまたま自分が出会った経営者たちの日本を良くするというミームを勝手に受け継ぎ、日本が抱える社会課題である物流問題の解決を次の挑戦にしています。

一介のサラリーマンが何を言うかという感じですが、少しでも日本の物流が良くなるよう日々仕事をしていく所存です。

最後に

アセンドでは日本の物流業界をより良くするために、プロダクトを軸としてコンサルティングやロビイングなどあらゆる活動を行っています。しかし、まだまだ挑戦したい取り組みや向き合うべき課題はたくさんあります。
物流業界やアセンドのこと、今後の事業展開など少しでも関心が湧きましたらぜひオープンオフィスに来てみてください。お酒でも飲みながら、お話しましょう!


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