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エシカルに近道はない

多年と草

小さな自給
何が起こっても生きていける、安心で、自由な暮らし。
お金がなくても、場所がなくても、小さくはじめられることから。

どうしたら放っておいても毎年毎年、花が咲いて、そのきれいな姿を見せてくれるようになるのか、試行錯誤していたらあっという間に数年の月日が経った。ほぼ砂利で、土も粘土しかなく、日当たりも良くない、そんな場所で育つハーブを探しながら、タネを撒いて、時には苗を植えて、育ててみるということを繰り返していた。

冬になると重い重い雪の下に隠れてしまい、その姿をみることはできない。それでも、ようやくカモミールも大きくなってきたし、何度も失敗したラベンダーも冬を越せた。いろいろなハーブが混ざり合って、色とりどりの花を咲かせる。

時にはハーブティーとして、その葉や花をいただく。本当に小さな場所のその片隅なんだけれども、初めにイメージしたようなエディブルガーデンがその一角に姿を現しはじめている。もちろん、これからも変化し続けて、もしかしたら、来年には消えているものもあるかもしれない。

でも、移りゆくこともまた自然であって、それもまた僕たちを時には楽しませ、時には儚くさせてくれる。

基本的には多年草のハーブばかりを植えて、勝手に育つようなエディブルガーデンづくりをしている。こぼれ種を狙ってみても、なかなかうまくはいかない。そもそも、雪で土は流されてしまって、きっと種もほとんど流されてしまうのではないだろうか。それでも、いつの間にか勝手に咲いているエディブルフラワーもあった。もう今年は見かけないけれども、そういう年もあった。

ほんの小さな一角でも、これだけの年月がかかった。何か特別に世話をしているわけではないけど、でも、植物にも、僕たちにも時間が必要だった。ただそれだけだったのかもしれない。

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