見出し画像

元大手進学塾TOPクラス講師が考える『中学受験に向く子の 5条件』

こんにちは。
元大手進学塾トップクラス担当講師で、現在はニュージーランド在住の受験&国際教育コンサルタントのTakuです。

これまで30年に渡り、中学受験・高校受験・大学受験・帰国入試・総合型選抜入試などの各種受験や、海外大進学、留学生サポートなどを通して、日本とニュージーランドで約2000人の生徒と向き合ってきました。
このブログでは、受験からグローバル教育まで何でもありの教育の話をしていきたいと思います。

さて今日は、私が保護者の方からいただく質問の中で最も多いものの一つ「うちの子、中学受験に向きますか?」についてお答えしていきたいと思います。
そこで今回のテーマはズバリ、「中学受験に向く子の5つの条件」についてお話ししたいと思います。

中学受験に向くかどうかを考えるには、中学受験がどんな特徴を持っているのかについてまず知っておく必要があります。
そこで最初に、私が見てきた中学受験の特徴についてお話ししたいと思います。

中学受験は多くの保護者にとっては、「想像の10倍は大変」です(笑)。
精神的にも、肉体的にも、そして経済的にもです。

親自身も仕事や家事をしながら、過酷な戦いに向き合って傷つく我が子を支え、励まし続ける大変さ。
多忙を極める毎日の中で、子どもの勉強を見たり管理したり、塾への送り迎えをしたり、お弁当を塾用に何度も用意したりする大変さ。
そして通常講座だけでは「絶対に」すまない、追加の単科講座や模試代、あるいは塾についていくための個別塾や家庭教師代など、終わりなく続く課金ゲームの経済的大変さ。

こうした沢山の「大変さ」が、もうお腹いっぱいぎっしり詰まっているのが中学受験の実態です。
もちろんこうしたことをスマートにこなしていた保護者の方もいましたが、そんなのはほんの一握り。
そんな人たちから「中学受験は大変じゃない」と言われても、ほとんどの保護者は真似なんてできるもじゃありません。

そして一番忘れてはいけないのは、中学受験は一度走り出すと途中下車がとことん難しい、終点までノンストップの特急列車だということ。
一度足を踏み入れたが最後、やめるにやめられなくなるレースなのです。

こうした特徴を持つ中学受験に向く子って、一体どんな子なんでしょうか。
それは以下の5つにまとめられるんじゃないかなと、個人的には思っています。

  1. 自分は自分、他人は他人と割り切れる子

  2. 受験は自分の戦いだと知っている子

  3. 受験をゲーム感覚の競争として楽しめる子

  4. 自分で学ぶ=自習力を持っている子

  5. 大人度が高い子

以下、簡単に各条件について説明しましょう。

1.自分は自分、他人は他人と割り切れる

中学受験で子供が一番苦しむのは、他者との比較です。
毎回の試験で偏差値だけでなく順位まで発表され、いやが上でも親子で現時点での立ち位置を思い知らされます。

また塾の先生もそうしたことを生徒に意識するように持っていきますので、ますます成績に一喜一憂するようになっていきます。
でも成績伸びや子どもの発達具合には個人差があるので、頑張れば結果が出るというわけでもないのが中学受験の厳しいところです。

こうしたことが最大のストレスの原因になるわけですが、ここで「自分は自分、人は人」と割り切れる子は、成績の浮き沈みであまりショックを受けません。
この割り切りのスキルは、長い受験を進めていく上で、この上もなく重要なものだと思います。


2. 受験は自分の戦いだと知っている

「中学受験は親の受験」と言いますが、私はこの言葉に素直に頷けません。
それは中学受験を上手に戦っている子の多くが、親に言われたのではなく自分から望んで自主的に受験に取り組んでいる姿を見てきたからです。
「勉強をしなさい!」と親が言い続けなければ勉強できない子は、受験を自分のものと自覚できていない可能性があります。

私が出会った一人の素敵な生徒は、成績は最初は中位でしたが、いつも黙々と学習を続けて成績を上げていき、見事第一志望に合格しました。
その子にある時、「いつもよく頑張っているね」と声をかけると、「自分で行きたい学校があるから親に無理を言って塾に来させてもらっているので」と答えて驚いたのを覚えています。この生徒のご両親は面談でいつも「本人がやりたいと言っているので、気が済むまでやらせようと思います」とおっしゃり、勉強しろとは言っていなかったそうです。

もちろんこれは極端な例かもしれませんが、少なくても親がお尻を叩き続けなければ勉強しない子は、個人的には中学受験に向かうのは時期尚早な気がします。

3.受験をゲーム感覚の競争として楽しめる

先ほど受験は厳しい競争だと言いましたが、その競争をまるでゲームのように楽しめる子は間違いなく、中学受験に向いているでしょう。

ある生徒はいつも友達と一緒に、次にどんな問題が出るかを予想し合って、点数や偏差値も毎回競い合っていました。
この子達は最初こそ基礎クラスにいましたが、学年が上がるごとにメキメキと力をつけ、最後はトップクラスに上がって難関校に合格していきました。

彼らが成績を上げ続けられたのは、成績の浮き沈みをゲーム感覚で捉え、うまくいかないときはどうするか対策を立てることすら楽しめていたからです。
このように競争=ゲームと捉えられる子は、長い受験の戦いも切り抜けやすいことでしょう。


4.自分で学ぶ=自習力を持っている

中学受験の成否を分ける重要なポイントに、宿題(課題)をどのくらいしっかりこなせるかというポイントがあります。
課題は難しい上に分量があるので、多くの子にとってはこなすだけでも精一杯で、アップアップになる生徒も大勢います。

こうした課題はもちろん自分で行う必要があるわけですが、これを一人でこなせる力があるかも中学受験には重要な要素です。
自分で課題をこなすには、問題を読んで内容を理解した上で回答し、わからなければ答えを見たりリサーチしたりして確認するスキルが必要になります。
これを支えるのが基礎読解力であり、自ら考える思考力です。

この基礎読解力と思考力をベースにした自習力を持っていれば、中学受験はとても有利に叩けるでしょう。


5.大人度が高い

中学受験で扱う国語や社会のテーマの内容の中には、通常の小学生程度の精神年齢では理解するのが厳しいものも少なくありません。

離婚や死別、国際紛争や格差。

こうした大人が向き合うべき課題について、中学受験で扱われることがあることは、是非保護者の方に知っておいてほしいと思います。
そしてこうした内容が理解できることが前提になっている時点で、中学受験はかなり早熟で大人びた精神を持っていることが必要であることがわかるでしょう。

さて、いかがだったでしょうか。
これらはあくまで私の経験に基づいたものに過ぎませんので、あくまで一つの意見として参考程度の聞いてくださいね。

そして是非誤解してほしくないのは、こうしたスキルを持っているから優れているというわけではないということです。

子どもの能力や成長速度は、一人一人違います。
早熟な子が優れているわけではありませんし、受験に向くスキルを持っているからすごいわけでもありません。、

大切なのは我が子が持つスキルと成長段階をしっかり見極め、中学受験という方法が本当に最適な道なのかを判断することです。
ぜひしっかりお子さんの素敵な点を見つめて、それをじっくり伸ばせる道を見つけてくださいね!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?