【読書メモ 】ストーリーとしての競争戦略
要点
優れた戦略の特徴は何か?
個別の要素が繋がりあって他社との違いが生み出されている
ある部分での「弱み」が別の部分での「強み」をもたらしている
"Doing things better"よりも"Doing different things"を重視している
戦略のゴールは何か?
戦略のゴールは長期的な利益の創出である
どのように優れた戦略を作るか?
個別の要素を繋ぎ合わせる過程(=ストーリーを作る過程)で他者と違いを生み出す。個別の要素で違いを生み出すだけでは戦略にならない。個別の要素を繋ぎ合わせる過程(=ストーリー)で違いを生み出すことが長期利益に繋がる
サッカーに例えると、どういう選手をどこのポジションに配置するか?を考えるだけでなく、パスがどのように繋がりゴールに結びつけるかを考えるのと似ている
では、ストーリーで違いを
ストーリーで違いを生み出すには?
違いを生み出す方法は、SP (=Strategic Positioning, どこで戦うか)とOC (=Organization Capability, 何を持つか?)の2つである。
SP (=Strategic Positioning, どこで戦うか?)
SPは、いかに競争圧力を回避するかである。上手い位置取りをすれば、競合と対抗する必要がなくなる
競争圧力を分析するうえで、ファイブフォースが有用である
誰に嫌われるかをはっきりさせる。誰からか非常に愛されている人は、誰かから嫌われている。
誰かからも好かれている人は、本当のところは誰からも好かれていないのかもしれない。
OC (=Organization Capability, 何を持つか?)
OCは、他社とどのような違った強みを持つかである。
優れたOCの要素は以下3つである。
暗黙性: あるアクションが他のアクションとどのように結びついて効果を発揮しているのか外部から把握するのが難しい
経路依存性: 効果的なアクションが経路に依存している。ある企業で効果的なアクションが経路に依存していれば、他の企業でそのアクションを導入しても同等の効果を出すことは難しくなる
時間変化: 時間とともに変化している
どのように優れた戦略かどうかを評価するか?
ストーリーの強さ、ストーリーの太さ、ストーリーの長さで評価することができる。
ストーリーの強さ
XがYをもたらす可能性の高さ、つまり因果関係の強さのことである。
ストーリーの太さ
要素Xが他の要素といくつ繋がりを持っているか、つまり構成要素間の繋がりの数の多さを表す
ストーリーの長さ
長期的に拡張性・発展性が高いか
要素間に強い繋がりがあっても、将来に向けた拡張性がなければ「短いストーリー」で終わってしまう
優れた戦略を実行する人物の特徴は?
筋の良いストーリーを作り、
それを組織に浸透させ、
戦略の実行に関わる人々を鼓舞させる力
を持っている。
考察
自分のキャリアパス (=株式会社"自分"の経営戦略)を考えるうえで、非常に役立った
キャリアパスは、以下3つの項目を評価すれば良い。
ストーリーの強さ → 構成要素 (スキル、性格、職歴 etc)の因果論理の確実性
ストーリーの太さ → 構成要素 (スキル、性格、職歴 etc)間の繋がりの数の多さ
ストーリーの長さ → 時間軸に沿った拡張性・発展性
自分の構成要素に"弱み"があっても、ストーリーとして考えると"強み"にすることができる。これは心強い言葉なのではないだろうか。
"弱み"は、OC (=Organization Capability)の効果を高めることができる。
ある"弱み"によって効果を発揮する要素は、模倣されにくいからである。
なぜか?
効果を発揮する要素自体を模倣しようとする他者は多いが、弱みを模倣しようとする他者は少ないから。
つまり、自分の強みと弱みの解像度を上げて、どこで戦うか?(=SP: Strategic Positioning)と何を持つか?(=Organization Capability)を最適化することで優れた戦略を構築することができる
この本と関連しているContents
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Hard Startups by Sam altman
この本で得た知識からどんな行動を起こすか?
手に入れようとしているスキルは、ストーリーの強さ・太さ・長さにどのような効果をもたらすか?を考える
自分のSP, OCを考える
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