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最近の記事

takoyaki 一時休業のお知らせ

すこし別の書きたいことがでてきたので、こちらはすこしお休みします。 たこ焼きは冷めてもおいしい。 持ち帰ってあっためて食べてもおいしい。 でも出来立てが一番おいしい。 また出来たてのtakoyakiを届けられるようにしますので。 それまで皆様ご自愛ください。

    • takoyaki 7個目

      「で、会わせたいのって?」 「音」 「はい?」 「音を極めた先の世界を見たくないか?」 「急になんやねんそのしゃべり方」 「君はバッターボックスで球種をどう判断する?」 「なんやねん急に。握り?カン?」 「一流プレイヤーは集中力を研ぎ澄ませボールの縫い目まで見るこができる。 ゾーンなどと呼ばれるが我々の世界では違う。能力者のみが駆使する上位スキル【動体止力】と呼ぶ。 動いているものを見る、ではなく、止めている、といったほうがこの能力を正確に言い得ている。」

      • takoyaki 6個目

        「遊(ゆう)ちゃんに、会わせたい人がいるんよ。」 そういって翼(つばさ)は、放課後のイ号館前に遊助を呼び出した。 「おー、来たね。」 「今日の線形代数ほんまやばかった。まったく聞き取れん。  あいつ部屋の広さとボリューム合ってへん。」 「聞こえても理解できんけどね」 「せやねん。線形ってなんやねん。」 つづく

        • born to meet him

          僕たちのチームは草野球チームだったが、ある人が有志で監督を務めてくれていた。 監督は大学で英文学を教えているアメリカ人で野球経験者だった。彼は日本のことをよく知らないが、彼の奥さんが日本人だったこともあり、2年前に来日してこの大学で職を得た。奥さんと二人の娘との生活はとても幸せなものだった。しかし、毎朝仕事にむかうために家をでたあとは、彼は充実しない毎日を過ごしていた。 Why am I here…? What I want to do is ... what? 彼は

        takoyaki 一時休業のお知らせ

          二回戦

          今日の勇次郎のスライダーは走っていた。 あきらかにいつもの勇次郎とは別人だ。ネクストバッターズサークルから見てもその球威はプロのそれと遜色なかった。 「今日のあいつは、一味ちがう(ゴクリ)」 次のバッターである選手がバットを杖がわりにして膝をついて楽な姿勢をとりながら鋭い顔つきでシャッターチャンスをカメラマンに提供する白い線で丸と囲まれた場所、そう、ネクストバッターズサークル、そこにいる俺は思わずそう口ずさんだ。 ピッチャーがこちらにむかって投げたボールに手でもったバ

          ヒント

          ・・・ ・・・ん・・・ん゛ん・・・ ・・・ぐ・・・はぁっ・・・はっ・・・・は・・・ ふぅ・・・ まだ外は、薄暗い昨日を抱えたまま今日になりきれていない。こんな時間に目が覚めるのは久しぶりのことだった。真夏でもないのに体中がぐしょぐしょになっていた。 最後の試合は自分のエラーで終わった。同じシーンを何度も夢で見た。両手じゃ足りなくなるほど回数を重ねるころには、夢だってことも分かるようになっていた。ピッチャーが2-2に追い込んだ7球目。左足をマウントから上げるモーション

          ですデシ!

          キャッチボールをしてる会話の中でひとつわかったことがあった。大男の口癖は「でし!」だったのだ。と言っても語尾に「でし!」と勢いよくつけるわけで、世の人々が丁寧語につける「です。」を「でし!」というのであった。常人が聞き分けるのには半月ほど日を要する中、俺はその日のうちに聞き分けることがついた。そんな大男がかつて苦労したとっておきの話を練習の合間を縫って話してくれた。それは彼が小学生の頃、地元の野球塾に身を寄せていた時分に師匠と弟子の関係を持ったときの話だった。 師匠のデシは

          ですデシ!

          プロローグ

          本気で甲子園を目指して文字通り朝から晩まで白球を追いかけた。小学生のころはフライを取るのが苦手で兄貴に付き合ってもらって何度も練習した。中学では朝練前に毎朝5キロ走った。夜かえってからは死んだように寝た。高校では彼女も作らず野球に打ち込んだ。高校3年間でのベストは県大会3回戦敗退。 大学に入ってから野球サークルに入ろうと思ったが、気分がノラなかった。大学に入って始めた居酒屋のバイトは楽しかった。声を出すのは慣れてる。とにかく忙しくて体力を持て余していた自分に合っていた。

          プロローグ